Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

循環思考   横山禎徳(東洋経済)

2015年01月12日 | 
Hitorigaten

 組織人としての賞味期限が切れる瀬戸際になってから受けた人材育成研修における予習の題材に本書を紹介された。パラパラと頁を繰ったところ、あっという間に行間に吸い込まれていったものである…
 講義後の質疑応答で、講師である筆者に「循環思考に触れると、曼荼羅がイメージされるのですが?」と問うたところ、笑顔で「然り!」との回答を得られ、また「知の曼荼羅を標榜している」、とも話された。
 「知の探求」は何時如何なる場所でも、それを求める者には降ってくるのだろうか…
「叩けよさらば開かれん」

○日本企業及び日本の弱いのは、プロダクト・イノベーションではなくて、こういうコンセプトやビジネス・システムを生み出せるプロセス・イノベーションである
○農業のせいで思考が停止するなどというほど人間は単純ではない
○システムダイナミクス(J.フォスター教授 MIT)を知り「因果はめぐる」というループ、すなわち「循環」型発想い触れたのである
○「良循環」はまさに新しい創造である。「悪循環」の裏返しではない
○課題設定のコツで最も重要なことは「いい課題設定をする」という強い意志を持つことである
○数年前と現在との間の変化はどういう要因がどの程度関係して起こっているのか基本的な良化・悪化分析を素早くやり、悪化要因を引き起こした理由に対する初期仮説を立て、それをもって市場に出て行き幅広く動き回って、直接市場関係者や顧客の声に接し検証する
○われわれの思考は全く自由であることはなく、自分が選んだ思考の枠組みは世界の味方を決め、思考の展開を制約あるいは助長する
○つねに最低同じ課題を100回以上考えてみることを自己規律としてやっているのだろうか
○なぜ「論点整理」をしてはいけないのか-わかっていることのリストに意味はない
○We don't know what we don't know.
○「年年歳歳花あい似たり、歳歳年年人同じからず」の移ろいやすさを含めて変化のダイナミズムを含んでいるのが「循環思考」の本質である
○「良循環」の筋の良し悪しを見極める:①循環に無理がある、②罰則・規則・法律に頼りすぎる、③マクロすぎて動きがイメージできない
○課題委設定能力を身につけ「悪循環」を繰り返し考えながら中核課題に迫るためには、世間の議論に流されず自前で発想する訓練がいるが、その基本は常に数字に照合して考える

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