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石垣島ゴルフ場リゾート問題、自然派市長候補敗北で厳しい戦いが始まります。

2022年02月27日 | 石垣島の問題

今日、石垣島市長選の結果が出ました。オイラ達は自然を守る派の候補を応援していたんですが、残念ながら開発推進派の現市長が当選してしまいました。と言うより現市長が何よりもゴルフ場を公約に掲げ、この場所に作る事を推奨しているのです。ですから同時に前勢岳のゴルフ場リゾート開発を阻止するのに、厳しい戦いが始まった事になります。

画像は開発予定地を流れる、ウガドゥーカーラです。ゴルフ場が出来れば当然この沢にも農薬が流れ込みます。開発予定地にはいくつかの沢があり、全てに貴重な動植物がいる事が確認されています。沢には全国ニュースやYahooニュースにもなったキバラヨシノボリやタウナギなどがいます。画像の場所は、サガリバナの群落なんですよ。他にも下流域にはラムサール条約登録湿地の石垣島最大のマングローブ林・名蔵アンパルがあります。K大のK先生を筆頭にした研究グループによると、名蔵アンパルがあるおかげで赤土などから名蔵湾が守られていると言う研究結果が分かっています(K先生の研究者グループは科学者ならではのやり方として、名蔵アンパルや名蔵湾の重要性を説いた講演会を開いてくれました)。

名蔵湾は石垣の太平洋側の魚介類の産卵場所になっていて、世界最大級のコモンシコロサンゴなど2016年のサンゴの大規模白化の時も殆ど影響がありませんでした。そのわけは名蔵大橋から眺めると分かりやすいんですが、名蔵湾沿いには大きな建造物や民家が殆どなく、山からの川の水や地下水が比較的健全に注いでいるからです。ですからこのゴルフ場リゾートが出来ると、農薬から地下水(リゾートは毎日数百トンの地下水を使う)から名蔵湾への初の未知の影響が加わると懸念されているのです。

麓には田んぼが広がり、石垣島ののどかな原風景が広がります。この眺めの中にゴルフ場リゾートホテルは必要ありません。なぜなら、国特別天然記念物のカンムリワシを始め、各動植物の天然記念物や絶滅危惧種のオンパレードがこの風景の中に生息しているんです。さらに日本でも有数の石垣島天文台にも光害という影響が予想出来るだろうし、今では石垣に来る方の楽しみの一つとなっている、数千匹のヤエヤマホタルにも光害の影響が出るでしょう。

ネット上ではゴルフ場リゾート開発を心配される方の書き込みが驚く程増えていて、特にTwitterでこのフレーズが飛び交っています。
#私はゴルフ場が無くても石垣島に行く
★ゴルフ場は日本中にあるけど、石垣島の自然は石垣島にしかない。ゴルフ場が無くても石垣島に行くけど、石垣島の自然が無くなったら石垣島に行かない!、です。

個人の方々だけでなく、パンダのマークで有名なWWFを始め、日本野鳥の会、日本魚類学会、日本自然保護協会、JWAN、ラムサールネットワークなど、日本中の名だたるグループもこの開発に反対表明、力を貸してくれています。

どうか日本中の石垣島好きの皆さん、これからの厳しい戦いにお力添えをお願いします。

コメント (2)
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首里城再建 守り抜いた石垣島 ウラジロガシの巨木達

2022年02月17日 | 山が好き!

 首里城の火災後、再建する為に石垣島からも5~6本のオキナワウラジロガシ(ブナ科)を調達する、と県(国)から通達があり、石垣市長や一部の人は「名誉な事だ」と言う事で、内々に条件に合うウラジロガシの巨木を探していました。その後候補に挙がったのが今回の巨木達です。

「名誉な事なのか?」

 この話がオイラ達自然関係者や崎枝地域に棲む方の耳に入ってから即座に「絶対反対!」と言う意見で一致しました。何故なら、ウラジロガシは名前の通り樫の仲間なので物凄く成長が遅く、その代わりに固くて丈夫な材になります。地域によっては国指定の天然記念物になるくらい立派に成長し、日本最大種のドングリを作る事でも有名です。いわば豊かな森の象徴なのです。台風の通り道になっている石垣島では風当たりの強い尾根などでは育つ事が出来ず、強風が当たらない自然が色濃い谷間などに生えています。細く見えても成長が遅いので樹齢100年とかはざらで、しかもこの巨木達は皆、自然木なのです。

 また、地域の人が「せめて切られる樹々にお祈りを捧げたい」と石垣市に頼んだそうですが、「場所を教えると人が見に行って環境破壊になる」と言って教えてくれなかったとの事です。

「えっ、環境破壊って?!」

 良い意味で石垣島は沖縄と比べまだまだ信仰や祭事などが色濃く残る地域です。それなのに地域の山を長く守り続けてくれた樹々が切られるというのに祈りを捧げられないのは、かなり心がわじわじする事なのです。

その後オイラは必死に探しまくり、候補木も含め幾つかのウラジロガシを見つけました(全部ではない)。その1本目がこの木です。威風堂々、何て素晴らしいんでしょう! もちろんオイラ達より歳上です(笑)。

目の前で良く見ると木肌の周囲に均等にこんな傷跡がありました。

 詳しい方に聞いて見ると、周囲に突き刺して中に空洞が無いかなどを調べる「樹木診断機」の跡じゃないか?との事です。検索すると直ぐ出て来ます。

 ウラジロガシが育った森です。様々な樹々、様々な生き物、菌類などが共に暮らし助け合い、流行りの言葉でいう「多様性」って奴を生で見る事が出来ます。机上でいくら勉強したってなかなか実感がわきませんが、現場に行って直に見たらすぐに分かります。
 豊かな森(山)は沢山の酸素を作り、そして水を貯め込み、ゆっくりと地下を流れ栄養を蓄え、やがて海へ辿り着き、海の生き物達の命も支えます。もちろんオイラ達人間も。

 オイラ達はウラジロガシを守る為に県知事に訴えたり、チェンジオルグと言うネット上の投票サイトを使い世間に訴えたり、やれる事はみんなやりました。

 その日は突然やって来ました。
別件で沖縄県副知事が石垣にいらして、我々にもう一つデカい環境破壊の現場を案内・説明して欲しいと言う事で現場を回っていた時です。石垣島最大のマングローブ林・名蔵アンパルの橋の上で説明を終え、後ろを振り向くと屋良部半島。一緒にいたYさんが「以前お話しました屋良部半島のウラジロガシも何とかならないでしょうか?」と言った感じで尋ねると「あぁ、あれはもう中止になったでしょ、違うか?」とお付きの人をチラ見、「余りにも地元の人の反対が多かったので切れない、と言う事になったはずだよ」との事でした。

オイラ達は唖然として言葉が出ません。

 暫くして「あれは本当なのかな?、勘違いしいてるのかな?」
と言うくらいこの時は半信半疑でしたが、別の方面に探りを入れて見るとどうやら本当だと分かり、やっと現実味が出て仲間に連絡し喜びあいました。ただ沖縄県の正式発表までは広めないで欲しいと言う事で、たしか1月31日の正式発表までは内々で黙っていました。

アチコチからから「おめでとう」の連絡が来て、内地から応援してくれていたお客様にも連絡し、大変喜んで頂きました。「黙ってないでチャンと声を出せば叶うんだね!」と沢山の人から言われたのが印象に残ります。

日本中で反対票を投じてくれた方々、激励の言葉をかけてくれた方々、心配してわざわざオイラを探しあて内地からウラジロガシを見に来てくれたお二人、等々。
この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました m(__)m。

#リフトアップ石垣島エコツアー #オキナワウラジロガシの巨木

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オオウナギ、大量死!なぜ?

2022年02月08日 | 石垣島の問題

 先日知り合いからオオウナギ(ウナギ科)が大量に死んでいる、と言うのを聞き仲間で見に行きました。場所はダムのオーバーフロー用の水路です。

 全部で20匹ほどがこの状態で、死んでいるのとまだ息があるのとが混じっています。

 この個体はまだ生きていて、口やエラをパクパクしています。時期的にも見た目も背中が黒く浮腫んで婚姻色になっているので、頭は上流側を向いていますが海に向かう途中でこうなったんじゃないか?と言うのが予想です。ちなみにウナギは皮膚呼吸もしていますが、体が乾いたり長時間は無理なようです。

 こっちの個体はもう死んでいて尾っぽの方が凹んでいますね。カラスが集まって突いているのも見ました。撮影している時に通りかかった散歩の方に聞くと「数日前はもっといたが、だいぶ減った」との情報を頂きました。以前にも見たと言う農家さんもいて「いつ頃見ましたか?」と聞くと「去年の2月ごろ、水が少ない時」と教えてくれ、時期も水が少ないのも今と同条件です。石垣島の冬は雨の日が多いので水不足と言うとみんな首を傾げるんですが、ここ数年の石垣島(沖縄県)は台風が少ないか来ても空台風で雨が少ないのが現状です。現に石垣島の田畑に行くと節水の看板がアチコチに立っています。

 沖縄県の年間降水量は台風がもたらす部分がかなりあり、これは沖縄県に住むお年寄りや農家、チョッと水を気にしている方なら誰でも知っている事です。沖縄県は全て島なので各島に降った雨の量しかありません。異常気象とさらに無秩序な大型ホテルの建設ラッシュで水道水も地下水も大量に消費され、もしコロナ過でなく普通に観光客が来ていれば去年から確実に節水になっていたと言われています。まだ原因が特定した訳ではないので断定は出来ませんが、近年の影響がこうやって自然界にも「異変」として表れ、我々人間に警笛を鳴らしているのかもしれません。

最後に、この時の農家さんが「拾って食べたら?」と言っていましたが、ダムの施設に勝手に入ったらもの凄く怒られると思ったので(笑)、危険だしやめておきました。また、ウナギはみんな血液や粘液に毒があるので、調理のさいや触った時は気を付けて下さい!

#リフトアップ石垣島エコツアー #オオウナギ #水不足

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