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豊かな自然が残っていないと生きていけない、コブラン

2024年10月20日 | 山が好き!

コブラン(マツバラン網ハナヤスリ科、絶滅危惧I類)、ランと付きますがマツバランなんかと同じシダの仲間です。日本では屋久島、種子島、琉球列島と、小笠原の父島、母島にのみ生息すると言われます。これら島々に共通するのは自然豊かな山や沢があり、島ならではの特異な動植物が多く、同時に「今守らなければ取り返しのつかない事になるギリギリの状態にある島々」と言う事です。

画像を見て「ん、何だこれ、ただのオオタニワタリじゃないか」と思った方、オオタニワタリの葉の間、画像の真ん中を見て下さい。そこにオオタニワタリの葉より細く束になって垂れているのがコブランです。平縮れ麺見たいな葉と、今回の画像では写っていないと思いますが栄養葉の途中から胞子葉がニョキっと出るのが特徴です。

コブランが生きて行くには普通の植物と同じで主に葉の光合成から作られる栄養と、根の部分からは落ち葉とかが菌によって分解発酵された時に出来る養分で生きています。だったら落ち葉が溜まったフカフカの地面に良く育つのか?と思ったらそうではなく、沖縄とかだとオオタニワタリの中心に溜まった落ち葉等の腐食層を利用して生きています。オオタニワタリは他の木の幹に着いている事が多く、場所と落ち葉、葉や幹に付いている菌類なども頂いてるとは思います(もしかしたらオイラが知らないだけで、他にも何か頂いてるかも知れませんし、逆に何かあげているかも知れません)。

オオタニワタリの葉の中心を見ると、落ち葉が沢山溜まっています。これが雨水と菌類等で分解発酵され栄養となります。ですから宿主からは場所は借りていますが栄養は頂いていません。ちなみにガジュマルなど絞め殺しの木と呼ばれる仲間も栄養は奪っていませんよ。

折れたヒカゲヘゴの断面です。中心部はもう無くなっています。この糸が絡まったような部分が細根です。水分もある程度溜めるし、菌類もいるでしょう。この部分を板状にしたのがヘゴ板と言う奴です。最近では生きたヘゴを使うのはあんまり良くないだろう、と言う事で人工のヘゴ板が販売されていますね。

小笠原ではヘゴの細根の部分に根付いて生息しているようですが、あんまり栄養があるような場所に見えないですよね。でも同じマツバラン網のマツバラン(マツバラン科、絶滅危惧種)がヘゴに着いて育っている姿は石垣島でも良く見られます。と言うかウチの庭の鉢植えでも見られますが(笑)。

ヘゴではありませんが、一本の木にオオタニワタリが幾つか着生していました。ハブカズラ、地衣類、コケ等他にも色々付いているでしょう。オオタニワタリの腐食層には他のシダも生えています。温帯地域以上に一本の木に色んな動植物が共生しているのが、亜熱帯・熱帯地域の特徴です。ジャングル感満載でしょ!

 

#腐食層 #コブラン #ヒカゲヘゴ #マツバラン #亜熱帯ジャングル #リフトアップ石垣島

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海岸洞窟 始めて前室から奥に、新たな発見。

2024年10月02日 | 地質好き

気が付けば9月中は一度も書かずに終わっていました。まずいですね。
広告を一切出していないオイラの場合、口コミとブログ等SNSを見て連絡くださる方が殆どなのでちゃんとしないと。その分、ネタは沢山溜まっていますが(笑)。

さて今回は、石垣島の数ある海岸洞窟の一つに久しぶりに行って来ました。その洞窟は簡単に説明すると入って直ぐの空間(前室)と、さらに奥に同じような空間(後室)があります。今までは後室には行かず前室だけで止めていました、だって怖いんだもん。なのに何故奥にも部屋がある事が分かっていたかというと、幾つかある隙間からライトを突っ込んで照らすと奥が見えていたからです。


前室から出入口側を撮影。今回は調査の意味合いもあったので光源と三脚持参(あ、機材の影が!)。

それが今回なぜ後室に行く事になったかと言うと、本当はこの時も前室だけで出るつもりだったんですが、今回お客様としてご依頼下さったM先生に「向こう側にも空間があるんだよ」と言ったら、当たり前のように狭い隙間を這いつくばる様にスススッと入って行ってしまったからです。

「ビックリ!」

一人で行かせる訳にもいかないので急いでオイラもスススッと、めでたく後室初体験~!

オイラの心配をよそにM先生、何をやっているのかというと、こんな奥にヤシガニを見つけて観察していまいた。脚が写っているんですが分からないですよね。ちなみにオイラの存在を全く忘れています。
入って見て分かったんですが、こちら側にも人が通れるかまではまだ分かりませんが、外からの明かりが漏れていた事と、先生の右側(分かる?)に、さらに奥へと続く空間を発見しました。

先生はこの奥にも行こうとするので、ダメダメ!
今回前室だけで出るつもりで、ちゃんとした準備もしてきてないし軽い気持ちで行ってはダメです。
この先はキチンと準備して改めて出直して来ないと。

最後じっくり観察して貰い外に出ましたが、オイラもジックリ撮影出来て良かったです。帰りにはとても楽しかったと言って貰い、あんまり怖いという感覚は無かったようです。むしろドキドキしていたのは、オイラの方(笑)。

洞窟の崩落事故って実際どうなんでしょう? まず地震が考えられるけど、竿根田原洞窟で言うと2万7千年前の骨が見つかっていると言う事は、それだけ崩落せずに残っていた訳で、さらにその洞窟はもっと前に出来て当時の人達が利用した訳ですから、それくらい落盤する確率は低いと言う事になるのかな? あとは天候等気を付けていれば、最終的には運でしょうか? 通り抜け出来る洞窟と言うのは、いざと言う時に安心です。
いずれにしても洞窟の事故が増えているので、軽く考えて入らないで下さいね!

 

#石垣島 #リフトアップ #撮影  

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