石垣島(沖縄県)の動物の外来種はTVなどで良いネタとしてちょくちょく扱われていますが、植物の外来種は全く見た事がありません。きっと動きも無く画として弱いんでしょう。しかし植物の外来種も石垣島どころか西表島まで進入し、特に「特定外来種」の問題は確実に広がりつつあります。今の内ならまだ何とかなる可能性があり石垣島の場合、環境省(国)や県、環境課(石垣市)、「石垣島エコツーリズム協会」や「アンパルを守る会」(民)など一緒になって、地味ですが駆除活動が始まりつつあります。
画像はツルヒヨドリ(キク科)の花です。新空港建設の時に入り込んだと言われるツルヒヨドリですが、いま丁度花の時期でご覧の通りです。非常に(オイラ的に)良い匂いがしてチョウやハチも沢山来ます。1月ごろに種が出来るのでそうなると莫大に広がります。その前に花だけでも取らないといけない! 既に環境省と県には報告済みで1回は駆除をしているんですが特定外来種はみんな繁殖力が強く、ツルヒヨも根こそぎ取らないと種はもちろん根からもツルからも増えるので根気強く定期的にやらないといけないのです。
駆除した後も気を付けないと、下手に地べたに置いておくとそこで繁殖してしまいます。つまり分解して肥料にするのも容易ではないと言う事です。何か良い利用法はないか?と調べてみると、球陽高校の「厄介者が役に立つ!特定外来生物を熱中症予防に利用しよう」という研究で「ツルヒヨドリの様々な成分を分析し、ツルヒヨドリで作ったお茶が熱中症予防に効果が見込めることを突き止めた。と言う記事がありました。
またお隣台湾では既に完全に広がっている様子ですが、農家のおじさんがツルヒヨドリ(小花蔓澤蘭)から抽出した液(酢?)で虫除けを普通に作っていました(笑)。しかもこれ、石垣島でも自然の中で活動する人を悩ます「ヌカカ」にも非常に効果があるとの事。「小花蔓澤蘭防蚊液」で検索すると作っている様子(YouTube)や商品が沢山出て来ます。ツルヒヨドリ(小花蔓澤蘭)成分入りの香取線香までありました(笑)。完全に防虫菊扱いで特定外来種とは思えないくらい役立ってる。しかも自然由来で赤ちゃんにも優しい!と宣伝しています。台湾の人、凄い!
コチラは最近見つかったナガエツルノゲイトウ(ヒユ科)。こういうものは大抵は市民からの通報で発覚します。ツルヒヨの一ヶ所はオイラ達が水質調査をしている時に元環境調査の専門家が「あれそうじゃないか?!」と言って見つけました。
このナガエも琵琶湖で調査・駆除活動をしている、やはり専門家がアンパル会に連絡をくれて今月から駆除活動に入る事が決まりました(琵琶湖、印旛沼ほか、あちこちで広がっているそうです)。ヒユ科だから食べられないかなぁ?とググっていると、やはり食べている記事がありました。多少苦み(シュウ酸カルシウム)があるようですが、湯がいて食べられます。シュウ酸カルシウム(シュウ酸塩)はクワズイモなどにも含まれる猛毒ですが、ほうれん草などにも少量含まれています。ほうれん草と同じで生はダメ!、多量摂取も良くないそうです。
石垣島の特定外来植物はあとボタンウキクサ(サトイモ科、別名ウォーターレタス)が知られていますが、これはもう莫大に増えています。どう言う訳かこちらはあまり駆除されていません。サトイモ科らしく針がチクチクして食べられたもんじゃないとの事ですが、熱を通したらどうなんだろう?利用法は?
ありました! 発酵させてバイオエタノールの抽出をしている研究や、物凄い繁殖能力=物凄い浄化能力を持つのでこれを使った水質浄化システムの研究です。上手くコントロールしてやると汚い河川の浄化に絶大な威力を発揮する事がわかりました。石垣島でも宮良川なんかは農薬や肥料でかなり汚いと言われていますが、途中に沢山のボタンウキクサがあります。もしかしたらこれのお陰でだいぶキレイになっているかも?!
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