
小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、相手の話を聞くことでした。なあんだ、そんなこと、とみなさんは言うでしょうね。話を聞くなんてだれにだってできるじゃないかって。
でもそれはまちがいです。ほんとうに聞くことができる人は、めったにいないものです。P22
さあ、これでもやっぱり、人に耳をかたむけるなんてたいしたことではないと思う人がいますか?そういう人は、モモのようにできるかどうか、いちどためしてみることですね。P30

時間は貴重だ むだにするな!
時は金なり 節約せよ! P94
時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつの何かをケチケチしているということには、だれひとり気が付いていないようでした。じぶんたちの生活が日ごとにまずしくなり、日ごとに画一的になり、日ごとに冷たくなっていることを、だれひとり認めようとはしませんでした。P95
人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです。P95

「人生でだいじなことはひとつしかない。」と男はつづけました。「それは、なにかに成功すること、ひとかどのものになること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくなり、金持ちになった人間には、そのほかのもの―友情だの、愛だの、名誉だの、そんなものはなにもかも、ひとりでに集まってくるものだ。」P126
こうして子どもたちは、ほかのあることを忘れてゆきました。ほかのあること、つまりそれは、たのしいと思うこと、夢中になること、夢見ることです。P247
モモ、ひとつだけきみに言っておくけどね、人生でいちばん危険なことは、かなえられるはずのない夢が、叶えられてしまうことなんだよ P276

人々は良い暮らしのためと信じて必死で時間を倹約し、追い立てられるようにせかせかと生きています。子どもたちまで遊びを奪われ、将来のためになる勉強を強制されます。
人々は時間を奪われることによって、ほんとうの意味での生きることを奪われ、心の中はまずしくなり、荒廃してゆきます。P358
時間を生み出すために、私たちはあくせくしているのに、
結局、時間は生み出せない。
もう40年以上も前に、子供向けに語られていることなのに、
未だに、時間を創造するためにあくせくしている。
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