木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

ロシアと中国との領土プロパガンダ連携

2010-11-03 13:27:07 | インポート
 ロシアはソビエト時代から条約や約束事をしばしば反
故にしてきた体質である。太平洋戦争中も日ソ中立条約
を日本の敗戦が濃厚になった段階で一方的に破棄し領土
野心を剥き出しにしながら択捉島、国後島等に侵攻して
多数の日本人を虐殺し占拠、今日に至っている。悲しい
かな日本人は当時も日ソ中立条約を鵜呑みにし、金科玉
条の如く崇めていたからソビエトの裏切りに対してまさ
かという思いで為すすべが無かった。

 戦後しばらくして、ソビエトの樺太侵攻を描いた映画
「氷雪の門」が映画館で封切されたが、反ソ映画だと圧力
をかけられ、瞬く間に上映中止となった。映画内容にま
で干渉され屈する程、戦後しばらく日本は国際的に物が
言えなかったのである。
 先日、ロシアのメドベージェフ大統領が国後島に上陸
した。日本と中国との尖閣諸島を巡る事態を見据えた上
での強硬、実効支配を強化するための対外的示威行動で
ある。尖閣諸島の問題が生じた事を北方領土攻略の絶好
の機会と捉え、中国と連携してプロパガンダを図る姿は
好ましくない。行動の大義名分として日本批判をしなが
ら世論誘導を図る手法は中国と共通している。しかも医
療援助とインフラ開発援助は日本に協力して欲しいとい
うのであるから傲慢である。

 昨日、米国は北方領土へのロシア大統領の無断上陸に
ついて「日本の立場を尊重する」との声明を出した。し
ごく当然である。ロシアは国後島に留まらず今後、択捉
島、色丹島、歯舞群島周辺、更には北方領土近海への示
威行為や大統領の上陸を演出する等の行為をエスカレー
トさせる可能性が高い。
 北方領土問題は政治的、外交的にいかに日本の領土で
あるかをロシアの自尊心を傷付けないように確定し、現
実に島々で暮らしているロシア人を追い出すのではなく
在日外国人として扱いその居住は認めつつ日本の主権を
行使するかという事が目指すべき姿である。
 日本に対する政治的な工作や世論形成がほぼ成功しつ
つある今日、それぞれに経緯や事実関係が異なる北方領
土、竹島、尖閣諸島をその何れかの現地が問題になった
時には全てを一括した物言いで中国とロシアが連携して
圧力をかけてくる展開が今後益々予想される。

 ロシアと中国に共通するのは国内事情が穏やかでない
ことである。そのはけ口として矛先と政治的ガス抜き対
象が日本に向かっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする