木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

あの程度の映像は秘密ではない

2010-11-10 22:48:51 | インポート
尖閣諸島沖での日本の巡視船に対する中国漁船体当たり
事件の実態が録画された映像が動画投稿サイトに投稿さ
れ、世間に流布した事について神戸海上保安庁の職員が
自首した。

あの映像は日本の為になった。国民はあの映像が投稿さ
れたおかげで現場の事実を見る事ができ、知る事ができ
たのである。

しかし投稿者は国家公務員であった。仕事上知り得た秘
密を公表してはいけないという守秘義務違反になるか否
かが問われているが、あの映像が秘密に相当するだろう
か。あれは秘密ではなく事実であり日本国民の一抹の不
安を完全に払拭したのである。
また私はあの程度の映像が秘密にされる程のものかどう
か疑問である。拝見する限り何の問題もない事実が記録
された文句のつけようのない証拠映像である。高飛車に
強気の演技をしてきた中国に対して当初に迅速に国際社
会に対してあの映像を公開するべきであったと私は思う。

想像してみよう。もしもこれが逆であったならと。つま
り日本の漁船が中国領海内に入り中国海軍の巡視船にあ
のように体当たりしていたとしたら。間違いないなく中
国海軍はその場で漁船を銃撃し撃沈させていただろう。
もしくは漁船を拿捕し中国国内に連行し、中国の法律に
則って粛々と手続きを進め場合によっては死刑判決を下
し迅速に死刑を執行した可能性も高い。同時に現場の映
像を全世界に発信し国際世論を反日の方向に煽り、日本
に対しては謝罪と賠償を声高に主張し、ばかりでなく外
交上何らかの条件を突きつけて来ただろう。

話を現実に戻す。中国漁船体当たり事件に際し中国政府
は日本が議長国を務めるAPECに日本がこの件で強く
出れば胡錦濤を参加させないと駆け引きで迫るなどの悪
態をついた。しかし現実には日本の資金援助と技術支援
が欲しい中国は強硬発言とは裏腹に静かに胡錦濤を参加
させる。しかも新聞ではベタ記事で報じた。

現場の現実を投稿した神戸海上保安庁職員の行動を心底
批判する日本国民は少ない筈である。国家機密を漏洩し
たり機密事項を公表したのとは根本が違う。
それでも百歩譲って国家公務員として法律違反だとしよ
う。されどその昔、世の法律が鎖国の時代にやむに止ま
れず法律を犯して外の世界を見ようとした吉田松陰や法
律を犯して渡米した新島襄はどうだったか。後世の人々
は恩恵を受け顕彰しているではないか。

コメント
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