木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

丘の街

2005-11-29 08:30:24 | インポート
 北海道の丘の街、美瑛町の方から葉書が届いた。
 丘の上にあるピザ屋さんが来年の秋に閉店になるので
それまでに来て下さいという旨の文面であった。
 もう随分と前になる。
 差出人の方とは私がまだ二十代前半の頃に知り合った。
当時は私の運転で友人と中古の四輪駆動車で縦横無尽に
北海道を走った。大雪山の麓の丘の広がる空間が美しい
ので車の後ろからマウンテンバイクを降ろして自転車で
街を走った。日も暮れかかる頃、地理が分からないので
そのまま役場になだれ込んで、あれやこれやと街のこと
を尋ねた事がきっかけだった。

 懇切丁寧に美しい地図までそれぞれに下さって街を説明
して頂いた。丘の街・美瑛はすっかり記憶に残る街になった。
 何年か経って再びその街を訪れた際に美瑛町役場を訪れた。
 これも突然だったがその方は「良い店がありますよ」と
小高い丘の上にあるピザ屋に案内してくれた。夕暮れに街が
移ろいゆく店の中、店の方とその方としばしの時間を過ごした
事を思い出している。
 月光がここからよく見えます、と窓の外に広がる空を
説明された。クラシック音楽「月光」が余りにも似合う店内
になります、と言われた。
 ・・・・・その店が来年の秋に閉店になるということか。

 美瑛町の人々はその方々によると美瑛町を生涯出たことが
ないという人々も多いとか。明治初期から森林を伐採して
開拓されて広がった大地が畑となり丘となり、美しく調和し
て格調高い農村風景を醸成している。

 時間的にも日程的にも厳しいかも知れないが、可能なら
来年の秋までに一度丘の街を訪れてみたい。

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心地よくソフトボール

2005-11-28 10:12:34 | インポート
 スポーツは健康にもよく気持ちもよく、生活の多くの
分野にも関連する「文化」や産業にもなるということを
改めて感じている。
 野球好きな人やプロ野球ファンの方々と共にソフトボール
のチームを結成し都合のつく時間帯に集まって数時間の練習
を月に一度の割合でしてきた。
 本日は地元の皆様のソフトボールのチームと練習試合を
二試合行うダブルヘッダーを楽しんだ。

 チームのデビュー戦である。草野球ならぬ草ソフトボール
であるが皆さん上手い。端的に言えばレベルが高い。
 私は先発投手として出場させて頂いた。
 練習の成果もあって六回を四失点で投げ終えた。打席も
本塁打を含んで猛打賞になることができた。エラーも交じり
ながらそれが又楽しい。
 結果として二試合とも二連勝で終えて心地よかった。

 野球談義をする人達が増えれば居酒屋が潤う。
 合宿や遠征をすると宿泊業界が潤うし地域が賑わう。
 選手のグッズや関連商品の人気が出ればそれぞれの分野が
潤う。喉が渇くと飲料水が売れる。ソフトや野球だけ見ても
このように裾野が広がる。
 スポーツは楽しく、そしてそれが産業にも通じる。

 気は早いが将来的には米国人チームとソフトボールの試合
をしたり時にはロシア人チームや中南米チームとも練習試合
が出来るまでに広がれば、と楽しみにしている。

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北方の息吹(二十四)

2005-11-26 12:20:09 | インポート
 この文書も最終面を迎え勧告案というまとめに入る。
当時の姿がありありと浮かんでくる。以下、引用する。

 (続き)
三、勧告案
(一)ソビエトが a)対日参戦介入の先行条件として
   或いは b)対日戦に参加したソビエトの軍事的
   な寄手の報償として樺太の返還を要求すれば米国
   は平和会議において樺太を信託地域に指定しこれ
   を計画されている国際機関の権威の下に置きこの
   機構がソビエトを管理国として指名する提案を支
   持する約束をしてソビエトを満足させるよう努力
   する。
(二)ソビエトが(一)の条項で述べた状況において(一)
   の条項中で提案された措置に満足しない場合或いは
   ソビエトが対日戦に参加せず又は参戦の誓約を与え
   ずして樺太の返還の要求をした場合、米国の立場は
   その時存在する諸状況に基づいて定めるべきである。
(三)ソビエトが対日戦に介入すると介入しないとを問わず
   日本領樺太の返還の要求を力説しない場合は日本領
   樺太は全日本帝国に適用される武装解除の原則と次
   の規定に従う条件で日本が保有するべきである。
    a)連合諸国は民間航空の便宜を供与される
    b)宗谷海峡は常時、引き続いて国際船舶のために
      解放されるべきである

          (以上、全文書の引用を終える)

 事実を見ていた視線を辿れば私達の常識はいかに虚構であった
かを思い知らされる。今日までの私達の刷り込まれた常識では
北方領土とは歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島の四つの島々の
ことを指していたが、今後は「事実」を以て認識を改めなければ
ならない。すなわち、

 北海道の島々 = 歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島
 北方領土   = 南部千島列島及び全ての千島列島
          北緯五十度以南の樺太
          それに伴う海域全て

という等身大の姿である。
 特に南半分の樺太は日本が軍事的な施設を作ることや軍事国家
になるなどの当時の米国に対して脅威とならない限りは日本領だ
と当事者である米国が述べている。今は侵略自体が有り得ない現実
において北緯五十度以南の樺太は堂々と国際社会においても日本の
主権が及ぶ地域と公言できる。
 樺太の「ユジノサハリンスク」は、かつての豊原市である。

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北方の息吹(二十三)

2005-11-24 00:01:24 | インポート
 東西冷戦が終結して多くの矛盾が露呈している。領土
問題は最終的に嘘があるほうが正当性を失う。冷戦では
ない今、物事は利害よりも事実で決まる。
 続いて文書を引用する。

(続き)
 彼らが同地に残留する場合は将来の民族統一運動の真
の脅威を醸成するであろう。しかしながら日本領樺太の
一切の軍事施設を取り壊し将来も非軍事化すればたとい
日本領の一部として留めていても安全保障への重大な脅
威となるとは思われない。加うるに日本領樺太は量は限
られているが平和時の経済に必要な重要な生産物を日本
に供給することが出来るし恐らくは追加五十万人までの
日本人移民に将来の住居を提供するであろう。
 しかしながらソビエトは日本領樺太に対する要求を強
く主張するであろう。

 ソビエトはむろん曲解であるがポーツマス条約の廃棄
は自動的に南部サハリンをソビエトに帰属させると主張
するかもしれない。それに又この領域は一九〇五年以前
にロシア帝国の一部だったのでこれをソビエトに移譲す
るのは通例の征服とか併合とかの範囲には必ずしも入ら
ない。こういった事情のもとでは「非併合」の一般原則
を適用することも又「侵略によって取得された領土返還
」の原則を適用することも無理が生じる。
 これらの状況を考え合わせると南部サハリンを供託地
域に指定し計画されている国際機構の権威のもとに置き
その管理国としてソビエトを指定するのが得策ではない
か検討して見るべきである。このような線に沿う措置に
は次の利点がある。
(一)領土を併合しない原則に合致する
(二)日本の手に残されれば北太平洋の安全保障に危険
   であるかもしれない地域にソビエト支配権を与える
(三)日本領樺太を完全にソビエトに譲渡するよりも日本
   にとって恐らく肯首し易い。一方またこの代案は
   次のような不利な点もある。すなわち、
   一)ソビエトは完全な併合を邪魔されたと疑うで
     あろう
   二)日本はこの領域を喪失することを恨み又平和
     的経済にとって真に価値ある地域を奪われる
     ことになる
   三)ほとんど五十万に達する日本人住民の大部分
     は日本領樺太のソビエトによる管理に反感を
     持ち多くの者は本国に引き揚げようとするだ
     ろう

   (続く)

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北方の息吹(二十二)

2005-11-23 00:28:52 | インポート
 (続き)
 一九二〇年には日本はロシア領サハリンを占領しこれ
を一九二五年まで保有していた。一九二五年一月二十日
北京で調印された日ソ友好経済協定によって日本はソビ
エト領サハリンから撤退することを同意し、その代償と
してソビエトをしてポーツマス条約の有効性と該当地域
の石油石炭の制限付採掘権を認めさせた。
 元々、ポーツマス条約の付属書の中で規定されていた
日本の漁業権は一九二八年の日ソ漁業協定で明確に定義
された。しかしながら一九四四年三月三十日、日ソ両国
は協定に調印しそれによって北サハリンにおける日本の
採掘権の行使は停止され漁業権は制限された。

 日本領樺太の人口は一九四〇年総人口四十一万五千人
でそれはほとんど日本人のみで占められている(九九.四%)
。この総数は相当大きなものであるが日本本土の人口の
一%以下にしか当たらない。日本領樺太の地域の面積は
一万四千平方マイルであり本土の九%に相当する。
 日本領樺太は経済的に密接に日本と統合され、事実上
その貿易の全部が本土そのものである。一九三七年、石炭
及びパルプの生産は日本の全生産のそれぞれ七%と十六
%にのぼり木材の産出は日本本土のそれの十四%に達した。
 日本領樺太の可耕地の約十%が耕作されているが残余の
部分が開拓されればほとんど五十万人近い増加人口を支え
得るだろう。

 ソビエトの将来の安全保障の見地から見て日本領樺太
は戦略的に重要である。日本領樺太はサンフランシスコ
からダッチハーバー、ペトロパブロフスク、ウラジオス
トクを経て上海及びシンガポールに至る最短航空空路に
交叉して横たわっている。北東から日本海、ソビエトの
沿海州、ウラジオストクに至る交通路を抱している。
 一九四三年十二月一日、カイロ宣言は日本領樺太につ
いて何ら特別な言及をしていない。けれども「日本はま
た暴力と貪欲によって取得した他のあらゆる領域から放
逐されるだろう」と述べている。
 日本領樺太が暴力と貪欲とによって取得された領域と
考えられるならば、そのような解釈は日本に南部サハリ
ンを与えた一九〇五年のポーツマス条約の規定が廃棄さ
れるということになる。
 日本が日本領樺太から放逐されれば現在同地に住んで
いる五十万の日本人住民は引揚げなくてはならず、それ
は日本本土の人口圧力を増加するであろう。(続く)

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