木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

十六年目の暮れ

2004-12-30 02:54:08 | インポート
 平成十六年という年が終わろうとしている。指折り数
えてあと数日で、「地平らかに天成る」平成という時代
の十六年目が終わる。

 十六年目の今年は地平らかでは無かった。
 列島の各地で地は大きく揺れて割れ、裂けて多くの犠
牲者が出た。いよいよ年末には赤道付近で巨大な地殻変動
が生じ、七万人以上の犠牲者が生じた。
 天も乱れた。
 列島には観測史上最多の台風が上陸し、各地に水害を
多発させ多くの街や人々の暮らしが破壊された。
 年越しを喜べない人も多い。 
 地、海、天が乱れ、人の世は災いと憂いに満ちている。
 それが平成の今この時点の姿である。

 天・海・地に包まれて人の世を見れば、人の世を司る政治
の存在はまるで、もののあわれが如きものである。
 世の中に方向性を与え決定を行うものが政治なら、今は
政治が迷っているか狂っている。
 人の世で誰が人の上に立とうと、天・海・地の鳴りの前には
塵が如き存在である。人の世が代われば人はまた忘れられて
さへいく。天が鳴り、海が荒れ、地が裂ければ為す術無し。

 太古の昔の政治は祈りであった。呪術的な儀式や占いなど
いわゆる政(まつりごと)で治めていた。政で人の世を治め、
政を天に治めていた。
 数千年の年月を経て、今まさに祈るしかない世相になりつつ
ある。天変地異と国際紛争、近隣の緊張関係など、しかし、
祈るだけでは通用しない現代の時代である。混迷と不安の中に
立って判断と決断、そして試みを行い様々な構想を創っていか
なければならない場面が今後において次々と訪れるだろう。

 地平らかに天成る、平成の十七年目が間もなく訪れる。
 政治は何次元もの兼ね合いの中で描かれる軌跡を見る者と
軌跡に立つ者とが担わなければならない。

 地平らかに天成れ。

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ラグビーの精神

2004-12-27 21:36:57 | インポート
 大阪の長居競技場で全日本大学ラグビー選手権二回戦を
観戦する。母校の同志社大学は慶応大学の猛追をかわし、
次の舞台へと駒を進めた。
 スタンドは多くの人々で埋められていた。
 紫の布地に三つ葉のクローバーの校旗が振られ、幅広い
年代の人々が声援を飛ばす。

 何とこれが二十年ぶりの慶応大学に対する勝利らしい。
 私は貴重な場面に立ち会ったということか。
 前半終了時にこのまま圧勝かと思われたが、後半は防戦
一方で最後まで分からない展開に持ち込まれた。スタンド
からは慶応びいきに映ったのか主審に対する批判の声が方々
から飛んでいたが、学生スポーツであるから、そこまでは
追求しないでおこう。
 それにしても前半の五トライに五ゴールは見事だった。
 初戦の筑波大学との試合できっと歯がゆい思いをした選手
がきっちりと調整してきたのだろう。
 たくましい後輩の選手達から学ばせてもらったような感覚
である。

 同志社の設立者の新島襄、慶応の設立者の福沢諭吉の影を
想像しながらぶつかり合う力と技に限られた時間内の華を見
させて頂いた。
 母校出身の阪神タイガースの選手も観戦に来ていた。

 私は政治の世界にいる。
 週明けには市議会の残りの日程がある。
 ラグビーの街の市議会である。
 分野は違うが、ラグビーの精神から学ぶことも多いはず。
 トライ、そしてノーサイド。

 政治の世界においても、ルールを守ってトライする試みが
世の中を明るくしていくのだろう。

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The Hotel

2004-12-26 01:54:27 | インポート
 限られた時間で気分転換が出来て、疲れが取れる過ご
し方は私の場合は映画、スポーツジム、露天風呂、足底
マッサージ、ドライブ、云々である。
 オンとオフとの区別が無いに等しい政治の世界にいれ
ば尚更、気分転換は上手く図りたい。

 オフが限られている忙しい人が気分転換に使う場所と
してホテルがある。見慣れた街であっても非日常の快適
な空間のホテルは気分転換には最適かも知れない。
 かなり以前に、知人のOLが賞与の出た月に自宅から
さほど遠くない某ホテルに一人で宿泊してくつろぎ、以
降も何度か繰り返していると言っていた。
 時折、一人でホテルにて過ごすことが楽しみになって
いるらしい。
 上質のくつろぎ空間であるホテルは女性に人気がある。

 ホテル間の競争も激しく、昼食などは互いに内容の割に
安価な店舗も増えており、食堂とほとんど変わらないか少し
高めくらいで落ち着いたホテルの空間で過ごせることも最近
のホテルの魅力の一つかもしれない。
 ホテルのロビーも時間の過ごし方次第ではくつろげる。
 待ち時間を過ごしたり、ロビーで簡単な資料作成をしてい
る人もいる。適度に音楽が流れていて多くの人が行き交う。
米国の政治家はホテルのロビーをよく使うことからロビイスト
と呼ばれていることもあった。

 ある日、ホテルのロビーにいると突然ドレスアップした
アングロサクソン系の方々が整列して、合唱のサービスを
始めたことがあった。周囲の人々も微笑ましい空気に頬が
緩んでいたものだ。

 様々な業種の人々が行き交うホテルはある意味で良い非日常
の空間である。シングルでもツインでも、ランチにディナーに
ロビーに商談に、多くの時間がそこで進んでいく。

 The Hotel ,街に佇む。

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不思議

2004-12-24 09:36:41 | インポート
 米国大統領が二週間の休暇に入る。
 事実上、地球上で最も影響力と指導力を有する大統領
がこれだけまとまった休暇を取得して、日本の政治家は
何故もこんなにあくせく所用があり、休暇が無いのか。
 不思議である。

 文化の違いか。
 習慣や発想の違いか。
 休む間もなく慌ただしい時間を過ごしても、地球上に
或いは国際社会において影響力が乏しいとしか見えない
日本の政治家は、寂しい。

 悠々と時間を過ごして、かつ、国際社会に影響力を発揮
する米国大統領の姿と余りにも対極すぎる。

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地域への広がり

2004-12-23 02:18:19 | インポート
 スポーツと地域、地域振興及び産業について思う。
競技のみならず健康や生涯を通じた関わり方、娯楽とし
てのあり方、経済への影響力、地域への求心力や集客力
そしてそれが文化として根付いて街づくりや人材育成
にも到り、産業へと発展していけば新たな雇用を創出す
る可能性も高まり、広がりが出てくる。

 大学ラグビー選手権では関東圏と関西圏について考え
させられる。それはラグビーのみではなく、例えば学生
の陸上競技においても同様である。正月早々に箱根駅伝
が開催され、今ではお茶の間でも浸透して人気が高い催
しへと発展している。
 しかし箱根駅伝は関東の大学しか参加できない。
 従って関西や中国、四国、九州方面から箱根に出たい
からと優秀な選手が関東圏の大学へ進学する事例が多く、
それが同時に関東圏以外の地域圏の地盤沈下を生じてき
たことも事実である。箱根路を走る常連校や新進気鋭の
大学の選手も出身を見れば地方である場合が大半である。
 人材が地方から関東へと流出しているという見方もで
きるのである。

 プロ野球も新しい息吹が芽生えているように、箱根駅伝
も将来においては出場枠を関東の大学のみに限定しないで
全国全ての大学へと門戸を広げてはいかがだろうか。
 門戸を広げて十年近くは恐らく既存の流れで関東圏の大学
ばかりが勝つ駅伝になり、地方圏の大学は出場すらできない
かもしれないがいつかは関西圏や九州圏の大学が出場し、
やがては箱根路で先頭争いを展開し、優勝する日が来るかも
しれない。
 門戸を広げれば、箱根駅伝そのものの価値が全国的なもの
へとなり、存在意義も高まると思うのである。

 スポーツは大きな可能性を秘めている。
 来年度は近鉄花園ラグビー場だけでなく、野球でも仙台に
何度かは観戦に行きたい。もうすぐ高校駅伝も京都で開催
され、男女共高校生ランナーは都大路を目指して日々励んで
いる。広島でも都道府県対抗駅伝が例年開催され定着してきた。
 地域を感じる機会は多様であれば魅力も高まるだろう。

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