木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

アメリカによるドイツ首相への盗聴に見る問題の本質

2013-10-31 22:02:51 | インポート
 アメリカがドイツのメルケル首相の電話を少なくとも過去10年間
に渡って盗聴していた事が露見し問題になっている。しかしアメリカ
ならそのような盗聴を行っていても自然であるから私は全く驚かなか
った。アメリカは更に世界各80ヶ国を盗聴しているのではないかと
その可能性が指摘されているが、盗聴していたとしてもアメリカならば
自然だろう。
 アメリカならそこまでする。
 アメリカはそのような存在である。

 我が国も首相官邸は当然の事ながら、霞ヶ関の全ての官庁は完璧
なまでにアメリカに盗聴されている。更に国会議員が使用する全ての
公用車は1台も漏れず車内に予め盗聴器が仕組まれている。
 このくらいは常識である。
 然るべき人達ならば誰でも知っている事である。
 もしも公用車内で無邪気かつ野放図にペラペラと公私にわたり喋る
国会議員がいるならば余りにも鈍感すぎるだろう。

 今は多くの人々がスマートフォンを使用している。
 しかし常時オンライン状態のスマートフォンはいとも簡単に他人の
例えばパソコンの画面上からでも盗聴できるし遠隔操作もできる。
 従って要人はスマートフォンを利用しないほうが良いだろう。
 またはスマートフォンで重要なやり取りを交わしたり重要なデーター
を保存しないほうが賢明である。何故なら全ていとも簡単に保存内容
を外部から見られるからである。
 今は便利な時代であるが、私達は便利さを与えられる代わりに全て
を盗聴され監視される環境を自ら提供しているに等しい。
 少なからぬ企業も社員を管理、監視、盗聴している。
 当然ながら社内で使うもしくは社員が使用する電話、パソコン、メール
等は全て例えば人事部あたりが管理・監視・盗聴している。これは常識
である。つまりメールだから他人には露見しない知られないだろうと安易
に考えて社内の他部署の女性に不倫メール等のやり取りを勤務時間中
に行っている余りにも鈍感な社員や管理職がいるが、大抵はことごとく全
ての内容を人事部あたりに把握されているのである。ある日気が付けば
ペナルティーを受けているというような光景がよくあることであろう。

 そもそも何故、国家や会社、あるいは個人でも盗聴を行うのだろうか。
 私は根底にあるのは小心、不安心理、場合によっては興味本位、そして
恋愛関係の崩れやもつれから生じる相手の全てを把握しないと納得でき
ないという支配欲等であると感じている。何が話されているのか気になる、
何かがばれていないか気になる、誰かと接触しているのではないかと気に
なる、自分達の批判をしているのではないかと気になる、愛人ができている
のではないかと疑う、自分ではなく誰か他に好きな相手ができているのでは
ないかと気になる、これらは全て小心さであるとも言える。これは国家も会社
のような組織も個人も本質は同じであると感じている。
 今では盗聴対策ビジネスも盛況で売上も相当なものであるらしい。
 しかしいくら対策を講じても盗聴のようなものは人の世が続く限りイタチゴッコ
で終わらないだろう。いつの世でも人の小心さ、疑う心、興味本位、支配欲は
変わらないし無くならないからである。今や室内に仕掛けなくても100mも
離れた場所から室内の会話が全て丸聞こえになる機種もありエンドレスであ
る。軍事技術としての盗聴手段も進化の度合いが著しく、もはや盗聴を防ぐ
事は事実上不可能であろう。
 ではこの時代にどうすれば良いのか。
 盗聴されているという事を前提にして過ごしていくのが自然である。
 盗聴されていると知りながら相手に盗聴されても被害を生じない過ごし方は
もはやセンスの類と言える。防ぐことはできないのであるから逆に盗聴されて
いるという状況を逆に利用すれば良いのである。
 当然ながら安倍首相の電話は大丈夫なのか、という懸念が生じるであろう。
 日本国首相の電話、閣僚の電話は大丈夫なのか。
 先日テレビにて官房長官が、
「大丈夫です。」
と答えていたが、私はこれを聞いて2つの意味の可能性を感じた。
 まず1つは、
「携帯電話や電話では重要な内容は話していないから盗聴されても大丈夫だ」
という意味の可能性。そしてもう1つは、
「盗聴対策を万全に行っているから盗聴される危険性はないので大丈夫だ」
という意味の可能性である。
 前者ならセンスが良いと言えるが後者であれば危機管理のセンスが余りにも
お粗末であるとしか言いようがない。これで万全だという盗聴対策を行ったとして
もアメリカは更にその上をいく盗聴技術や盗聴システムで全てを盗聴しているから
である。
 勿論、アメリカのようなハイテクやテクノロジーを駆使して盗聴する事例もあれば
中国のように人海戦術と徹底したアナログ手法によりいつの間にか全てを把握し
ているという手法がある事も忘れてはいけない。

 しかし大抵の場合は、重要事項は盗聴から漏れるのではなく例えばスナック
や夜のクラブに行って綺麗な女性に囲まれてつい酒を重ね、気分が大きくなって
ついおだてられてその気にさせられて嬉しそうにペラペラと喋ってしまう、そのよう
な所から多くは漏洩しているから滑稽である。
 盗聴よりも先ずは自分達の脇をしめる事のほうが遥かに重要である。
 ただ、盗聴は盗聴されていると相手に気付かれた場合は相手からの信用を
失ってしまう。国家でも企業でも個人でも同じである。
 仲の良い相手だと思っていたその人から実は盗聴されていた、友達だと思って
いたその人から実は盗聴されていた、恋人から実は盗聴、室内まで監視されてい
たと分かったならば、その瞬間からその人に対する信用や好意は全て消え失せて
しまう。嫌悪と時に憎悪へと変わっていくだろう。
 盗聴とはそのような性質のものである。
 盗聴する側も露見すれば信用を失う、という覚悟と認識が無ければ盗聴をする
べきではない。
 もしも相手のことを本当に大切に思うのならば一切、盗聴はしないことである。
 それが人間関係の鉄則と言える。

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金融デリバティブ商品による様々な被害

2013-10-28 23:01:28 | インポート
 退職金や保険金、老後の資金を視野に入れた金融デリバティブ
商品は個人やあらゆる組織、団体を蝕んでいる。
 地方自治体、財団、病院、宗教団体、私立大学、国立大学、各個
人が以下のような流れで最終的には多くを失う。

(1)最初に金融機関が熱心に勧誘を行い、お題目を唱えられ資金を
   集める。
(2)例えば金融デリバティブ商品を3年間運用させる。
(3)例えば20%のような高金利がついて顧客の手元に戻る。
    ※もしも1億円を投資したならば2000万円増えていることに
      なる。
(4)これを基に、さすが運用のプロだ、凄い運用実績だ、と多くが感動
  し、信用してしまう。
(5)それを基に金融機関は再投資しませんかと勧誘する。そして多くが
   もっと投資して更に資産を増やそうと思う。
(6)そしてほとんどの人々や団体、組織、自治体がもっと投資として資金
   を出す。
(7)今度はもっと凄いデリバティブ商品だから3年運用ではなく30年運用
   にしますとされる。そして元本は保証すると言われる。
(8)露骨で分かり易い金融機関や担当者であればこの頃から姿を眩ませ
   たり、担当者が交代させられたりする。
(9)そして投資したほとんど多くの資金が消えている。
    ※1億円投資した筈の人々はいつの間にか1000万円や場合によ
      っては数百万円になっている。
(10)自己責任です、という悲しい結末が待っている。
    ※つまり持っていかれたということである。または巨額損失とも言う。


 以上のような流れで、金融デリバティブ商品はありとあらゆる個人や団体、
組織に大きな被害を生じている。
 地方自治体もその一つである。
 多くの地方自治体幹部は巨額損失の為に真っ青になっている事であろう。
 数年前にMRIインターナショナルというアメリカ金融業者による資産運用
が巨額の損失を出して破綻した。この事例は最初からMRIインターナショナ
ルに運用する意思が無かった悪質な事例であった。MRIインターナショナル
の社長は新規顧客の出資金を別の出資者の元利払いに回していたり、社長
個人のクレジットカードの支払いや子供の養育費あるいは自分の高級車の購
入の為に充てていたのであった。
 MRIインターナショナルは投資家に対しては「資金は第三者が管理して投資
以外には使えないようにする」と説明していたが、事実はMRIインターナショナ
ルの社長が資金を出し入れしていたのであった。安全な投資だと信じてきた日
本人投資家は騙されたのである。度重なる嘘の説明で再投資していた日本人
投資家もいた。
 アメリカ証券取引委員会(SEC)の調査では、MRIインターナショナルは1998
年以降、日本国内で詐欺的行為を始め、8000人から800億円以上を集めてい
る。このような最初から運用の意思が全くない悪質な運用話に、運用で資産を増
やしたいという心理にある日本人投資家が騙されてしまう事例には今後も注意が
必要である。
 どうして美味しい誘い話に乗ってしまうのだろうか。

 私はある懸念が生じている。
 地方自治体の多くが金融デリバティブ商品に手を出してしまい巨額損失を生じ
ているという現実を踏まえれば、まさか国までが国庫を金融デリバティブ商品の
資産運用に巨額投資していないだろうか、という懸念である。
 地方自治体の多くが既に被害を生じている事から、十二分にその可能性が懸
念される。実は国も巨額の損失を出している、つまり巨額の国庫が消えてしまっ
た、だから財政難が殊更に主張されている、というような最悪にして最低の展開
だけはあって欲しくないと私は国民の一人として切に願う。
 まさか、それはないであろう。
 そう思いたい。

 また多くの中小企業も金融機関から勧誘されてリスク回避の為に購入してくれ
と勧誘されて、実はリスク回避どころか、これが巨額の損失になっている事例が
多いのである。為替デリバティブを契約した契約時点で金融機関が得た数千万円
から数億円という手数料は中小企業の巨額の損失となって多くの中小企業を苦し
めているのである。
 金融機関が中小企業に販売する「為替デリバティブ」、「金利系デリバティブ」、
「いくつものデリバティブを組み込んだ仕組債」等が中小企業を苦しめている。為替
の変動で為替差損が生じ、中小企業は資金繰りを悪化させないための手段として
借入金を常態化させてしまい、過剰債務が膨れ上がり、損失だけではなく過剰債務
問題にまで発展しているという深刻な事態に見舞われている。
 金融庁によれば、為替デリバティブ取引を契約した中小企業は2万社にもなると
のことである。
 この為替デリバティブ取引の金融機関からの中小企業への勧誘が執拗であった
という事実の他に、契約時点での手数料が1本の契約で3億円というような理解に
苦しむ契約内容もあるようである。金融機関の荒稼ぎ、ぼろ儲けと言うことができる
が、それだけ多くの中小企業が経営に深刻な悪影響が生じる程までに被害を受けて
いるのである。

 まさに到るところ、あらゆる組織や団体、企業が資産運用という名目に目が眩み
正常な判断力を失い、各所で巨額損失や被害を生じているこの惨状は改めていかな
ければならない。
 投資にも程がある。
 度が過ぎると、また運営に悪意や邪心が潜んでいれば、もはや資産運用とは言えな
い。金融資本主義という価値観や呪縛に囚われている今の世の中の実態を解き放ち
本来あるべき姿とは何か、ということを人間主義に基づいて考え直さなければならない
局面にあるのではないか、と感じている。   

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素晴らしい発見や発明がなぜ世の中に普及しないのか

2013-10-24 19:52:31 | インポート
 既に世間では本当は凄い技術や発見が行われ、新たな発明や
創意工夫がなされていても何故か世の中に出てこれない、出させ
ない、という不思議な現象が見られる事がある。

 福島原発の爆発事故が生じて以降、今では放射性物質による
汚染水問題が深刻であるが、木内鶴彦氏が開発した水を特殊化
した「水」を田や畑に入れると、福島県の最も残留放射能の多い
地区において残留放射能がゼロになったそうである。
 福島県も福島原発爆発事故以降、独自に放射性物質除去協同
組合を作り、福島県内の大学や企業に依頼して放射能除去の為
の実験を行ったそうである。
 その中で木内鶴彦氏が開発した特殊な「水」の実験も行ったそ
うであり、その「水」を加えると1ヵ月半で放射性物質がゼロになっ
たとのことである。
 放射能汚染水10リットルに対して木内鶴彦氏が開発した「水」
を1cc垂らすだけで放射能がゼロになるとのことである。要は1
万倍に希釈してこの「水」は使えるということである。実際には
放射能による汚染水の1万分の1の量のこの「水」を加える事で
我が国が救われるという事である。
 福島県の放射性物質除去協同組合が窓口となり財団法人・材
料科学技術振興財団が試験を行ってその「水」を使うと、1ヶ月後
に放射能が当初の65%になり、1ヵ月半後にゼロになったという
データーが出たそうである。
 これは福島県をひいては我が国を救う画期的な「水」の開発だ、
と思いきや、経済産業省から派遣された大学教授数名が何名か
訪れて同様の実験をしたにもかかわらず、効果がないと断定した
そうである。福島県でその研究を担当していた課は全て総入れ替
えにされたそうである。
 なぜそのような事になるのだろうか。
 何かがおかしいと感じないだろうか。

 また耐放射線細菌という微生物がある。
 太古の昔から、人類が誕生する遥かいにしへの時代から地球上
に生息し、元来は宇宙から強い放射線が直射されていたこの地球
を数億年かけて浄化し、今のような大気の状態にしてくれた微生物
である。
 この耐放射線細菌を数種類混ぜ合わせて複合発酵させて開発し
た高嶋康豪氏という微生物研究の最先端を走っている方がいるが、
高嶋康豪氏が福島県川俣町の放射性物質に汚染された畑5000
坪にこの複合発酵させた耐放射線細菌の微生物を用いたところ放
射性物質が自然界並みの数値にまでなったそうである。この微生物
を用いていない畑は相変わらず高い数値の放射性物質が残留して
いたが、何度か試みても複合発酵させた耐放射線細菌を用いた畑
だけは放射性物質が限りなくゼロになるそうである。
 微生物の持つ可能性と力は未知にして偉大である。
 しかしこの事について、科学的にその耐放射線細菌がどのように
して放射性物質をゼロにするのかというプロセスがうまく説明できな
いとして、学問の世界からは「インチキだ」「やらせだ」という批判が
生じているようである。
 科学的には説明できなくても、またメカニズムが分からなくても現実
にその複合発酵させた耐放射線細菌を用いたら何度試してもそこの
畑や土地だけは放射性物質が限りなくゼロになるのであれば、国家
危急のこの局面においては四の五の言わず、広く実用して普及させ
るべきではなかろうか。

 木内鶴彦氏の開発した福島原発の汚染水の放射性物質をゼロに
する「水」についても、高嶋康豪氏の開発した耐放射線細菌の複合発
酵による放射性物質の除去についても、なぜ素晴らしい発見や開発
がされているのにこれが世の中に普及する事を邪魔する動きが生じる
のであろうか。
 目に見える事や見えない事も含めたあらゆる森羅万象の物事につい
て全てを科学的に説明できる事は不可能であり、また科学という尺度
だけであらゆる森羅万象のメカニズムを説明もしくは解明する事は不可
能である。人間の英知だけではまだまだ理解できていない物事や世界
があることを謙虚にそしてごく自然に受け入れれば、人類よりも遥かに
太古の昔から地球上に存在していた生命の大祖先である微生物が超
人的で救世主的な機能を発揮したとしても何ら不思議ではない。
 素晴らしい物事が何故、世の中に普及されないのか私には理解でき
ない。

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巨額損失と麻痺した感覚

2013-10-22 15:14:11 | インポート
 10月19日の日本経済新聞朝刊の33面にディーラーの
話が掲載されていたが、これを読んで私は素朴な疑問を感じた。
 ドイツ系証券会社の30代後半のディーラーが相場を読み
間違えて1日で数億円の損失を出した例が載っていた。
 また、米国モルガン系のディーラーが1日で30億円の損失
を出した例が載っており、
「そんな日は大酒飲んで酔っ払って忘れるしかなかった。」
と述べている。
 この新聞欄はディーラーには男性ばかりが多く、女性のディ
ーラーが少ないという事を伝えたいための特集記事であったが、
私には男性が多い女性が少ないという事は枝葉末節にしか見え
ない。要するに、この損失を出した2名のディーラーの事例は
世間一般の感覚からすれば背任行為や場合によっては背任罪に
相当しないのか、という疑問が私には禁じえなかった。

 1日で30億円の損失を出して、それを大酒を飲んで酔っ払
って忘れる、という対処の感覚は世間一般の感覚から大きく逸
脱した金融の世界特有の麻痺した感覚である。
 このディーラーは酒を飲んで酔っ払って忘れる対処で済むの
だろうが、1日で30億円もの巨額損失を出した事の影響を受
けて自殺する人達(主に顧客)も出ているだろう。扱う金額が
余りにも巨額過ぎて恐らく30億円という金額の損失ですら酒
を飲んで忘れる、という程度の感覚にしかならないのだろう。
またこのディーラーの損失で傷付いた高過ぎるプライドや自尊心
を慰めるには大酒を飲んで損失を出した事を忘れたいのだろうが
ディーラーは忘れて済むが、陰では命を無くさなければならない
羽目になる人々が生じているのである。
 恐ろしい程に麻痺した感覚である。

 恐らくアベノミクスとやらで一時的な株価の高騰が見られるが、
これは過去に何度も日本人が痛い目に遭わされてきた、収穫される
前の意図的な膨張であるから、いずれまた株価は暴落もしくは下落
して自殺者が増えるのではないかと大きな懸念を感じるのである。
 それにしても1日で数億円とか30億円が消えた、という事であ
るが、その消えた30億円はどこに流れているのだろうか。1日で
30億円分を手にしている人達がいるという事でもある。まさにマ
ネーゲームである。
 これまで見る限り、被害に遭い場合によっては自殺までしている
のは日本人投資家や一般投資をした人達であり、濡れ手で粟の状態
で巨額の利益を得ているのは外国資本である。
 もういい加減にマネーゲームか目を覚まさなければならないと切
に感じる。

 また多くの地方自治体もデリバティブ等の金融商品に手を出し
て巨額の損失を生じている。それ故に財政悪化に拍車がかかってい
る。少なからぬ自治体の幹部が決して口を割らない、話そうとした
がらない事がある。それは少なからぬ自治体が何かの基金をデリ
バティブ金融商品等の資産運用に出して失敗し、巨額損失を出して
いるという事実についてである。
 全国各地の自治体議員の皆様は、自分達の自治体は大丈夫なのか
自ら調査してこの件を追求して欲しい。自治体財政は悪化するべく
悪化している。石をめくって見るようによくよく調べればとんでも
ない事態になっていたという可能性が大きい。
 自治体の各基金はそもそも金融商品等への資産運用に出すべきも
のではない。どうせ税金だ、どうせ自分の金ではないという他人事
のような甘い認識が自治体幹部に蔓延しているとしか見えない。
 各自治体の助役(今では副市長)、理事、財務部長辺りが冷や汗
を流しながら事の発端を恐れているのではなかろうか。場合によっ
ては市長も関与している自治体もあるだろう。
 外国資本はあらゆる角度や分野から我が国の資産を収奪しようと
狙っている。

 地方自治体のデリバティブ金融商品による汚染状況は以下の内
容である。外国資本や金融機関の甘いささやきに乗せられた自治体
であるとも言える。
 ※総務省の調査資料による

・大分県       50億円
・愛媛県松山市   110億円
・広島県庄原市     5億円
・岡山県里庄町     4億円
・岡山県早島町     9億円
・奈良県明日香村    5億円
・京都市      100億円
・愛知県半田市    11億円
・名古屋市      98億円
・浜松市       14億円
・静岡県川根本町    1億円
・神奈川県川崎市   45億円
・茨城県日立市    10億円
・茨城県守谷市    16億円
・茨城県東海村    24億円
・東京都中野区    10億円
・東京都目黒区    10億円
・東京都墨田区    12億円
・東京都西東京市   16億円
・東京都日野市    17億円
・東京都千代田区   18億円
・東京都豊島区    20億円
・東京都調布市    20億円
・東京都多摩市    21億円
・東京都武蔵野市   25億円
・東京都板橋区    30億円
・東京都荒川区    60億円
・山梨県       50億円
・山形県酒田市     1億円
・岩手県       50億円
・北海道広尾町    54億円
・新潟県      668億円
・新潟市       50億円
・福岡県      650億円
・福岡県朝倉市    10億円
・福岡県宮若市    12億円
・福岡県岡垣市    13億円
・福岡県宗像市    15億円
・福岡県北九州市  155億円
・福岡県矢部村     2億円
・福岡県鞍手町     5億円
・福岡県芦屋町     6億円
・福岡県苅田町    17億円
・福岡県飯塚市    25億円
・大阪府     1050億円
・大阪府吹田市    12億円
・大阪府高槻市    13億円
・大阪府堺市     54億円
・大阪府箕面市    33億円
・兵庫県      895億円
・兵庫県明石市    54億円
・兵庫県多可町     2億円
・兵庫県洲本市     2億円
・兵庫県たつの市   20億円
・兵庫県加東市     9億円
・兵庫県姫路市    10億円
・兵庫県尼崎市    25億円
・兵庫県三田市    25億円
・兵庫県三木市    12億円
・兵庫県芦屋市    12億円
・兵庫県加古川市   13億円
・兵庫県豊岡市    35億円
・兵庫県朝来市    68億円
・神戸市      749億円


 以上の自治体が上記の金額分のデリバティブ金融商品を
購入して運用しているのである。
 ここでは述べないが、デリバティブ満期10年超の商品
もあれば、デリバティブ満期10年以内やデリバティブ借
金、とそれぞれある。
 上記はこれらを総じた購入金額であり、多くは大きく損
失する可能性が高い。従って自治体財政が悪化する事は火
を見るよりも明らかなのである。
 これとは他にまだまだ他の自治体においても横並び意識
により基金をデリバティブ商品購入に充てている自治体も
ある可能性が濃厚である。
 議会にかける事もなく、監査に諮る事もなく、いつの間
にか巨額の自治体資金が資産運用に出されている事は看過
できない。各議員や住民には「財政が厳しいので・・・」
としか取り繕わないのだろうか。
 いつから常軌を逸してしまったのであろうか。    

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世の中に美味しい話は存在しない

2013-10-18 21:56:50 | インポート
 市場原理主義や金融資本主義を再考し本当に人々が適切に
満たされた思いで暮らしていくことができるあり方とは何なのだろ
うか、と私の中で模索している。
  気が付けば次々と金融において新たな仕組みや制度が始まっ
ていく。NISAもその一つである。小額投資非課税制度といわれる
NISAは要するに年間100万円までの投資に対して非課税にする
という事であり、あまり資金を持っていない人達にまで投資させよう
という仕組みである。
 色々と解説がされているが、要はこれまででは投資しなかった少
ししか資金のない人達にまで年間100万円まで非課税という美味し
い響きで投資させたいという事である。
 少ししか資金を持っていない人達までが損失を出す、私はそのよう
な危険性を感じている。

 世の中には美味しい話はない。これが鉄則である。にも関わらず、
美味しそうに見えたり聞こえる話には必ず何かの大きな意図や裏が
ある。NISAも同じである。NISAの真の意図や裏をどこまで見ている
であろうか。これまで投資をしなかった少ししか資金のない人達からも
資金を出させ、従来の投資をしている層にはこれまでの優遇税制を廃
止する、つまりあまねく皆から更に収穫しようということなのである。
 ようやく定年退職を迎えた人達がささやかな退職金をもらい、慎ましく
年金生活を始めて老後を過ごすにあたり、その手元に入った退職金や
なけなしの貯金をしたたかに見つめている人達がこう囁く。
「貯金や退職金をぜひ運用に出して見ませんか?」
と。
 そして何故か多くの人々がこの話に乗せられてしまう。哀れでもある。
運用に出して元金より多く戻ってくるなら運用会社が利益にならない。
従って必ず最初はうまく運用されているかのように装うが、必ず急転直下
して元金割れになる場合が多い。最初の運用がうまく行っているように見
える時には現金に換金できない期間だと定められている場合も多く、数字
の上だけの運用益にぬか喜びになる場合も多い。
 退職金を運用に出して、あわよくば退職金を増やしたい、美味い味を味わ
いたいと思う人々が何故か多いことが悲劇を生むのである。退職金の運用
でバラ色の老後を満喫したいと淡い期待を抱く人が何故か多いが、多くは
失敗して破産したり悲惨な老後を過ごしている。
 退職金は運用等に出さず退職金のまま手元に置いておき、慎ましく老後
の人生設計を立てるほうが好ましい。下手をすれば運用に熱中するあまり
退職金の全てを失うことにもなりかねない。

 金融業界の人がもっともらしく勧誘してくるが、彼ら彼女らですら何も分か
っていない場合が少なくない。何故なら今や金融市場は人工知能のような
コンピューターが計算して動いている場合が多く、そこに人が介在する余地
がないからである。
 NISAは私は外国資本が更に日本人からなけなしの手元の貯金や資金を
巻き上げるために金融庁をして始めさせる新たな利益収穫システムだと解釈
している。
 美味しい話が世の中にあるわけがない。よく目を覚ましていこう。

 現実にはあり得ないパターンだが、もしも以下のような投資であれば私は
乗ってもいい。
 例えば100万円をAという運用会社に信託したとする。もしも3年か5年後
に運用が失敗して信託した100万円が90万円になった場合は運用会社が
損失を穴埋めして最低でも最初に信託した元金100万円で返してくれる。
その代わり運用が成功し例えば信託した100万円を110万円にしてくれた
場合、私は運用益分の10万円のうち3万円をAという運用会社に支払い私
自身の取り分は7万円にする。
 現実にはあり得ないが、もしもこのような投資内容であれば私は乗る。

 運用が失敗したならそれは信託されたプロの責任である。本来であれば
そのようになる。しかし現実は運用が失敗しても元金を信託した人達の自己
責任という事になり、しかもそういう金融の世界の常識に対して誰もが違和感
を感じない事が犠牲者を続出させているのである。
 素人に信託するのではなく運用のプロに信託するのであるから、運用に失
敗したならそれは託されたプロの責任である。まともな世間一般の感覚から
判断すれば責任はプロにある。しかし現実は運用に失敗してもプロは手数料
まで取っておきながら、
「残念ですね。自己責任です。」
としてそれで終わりとなる。
 このような現実を見れば、退職金や貯金の投資運用は限りなくハイリスク・
ノーリターン、オールペイン、ロストオンリーでしかないと私は感じる。
 また企業としての投資運用会社も上記の私が乗るとしたような運用であれば
企業としての採算が取れないために運用会社として成立できない。
 従って投資はギャンブルに等しいとしか感じないのである。
 私は投資運用はしない。

 投資は様々な論理や理屈でもっていかにして相手や団体や組織からまとまっ
た巨額の資金を出させるか、という事で成り立つ。投資する側は夢を抱くが全て
の人の夢を叶えていれば投資をさせる側からすれば意味がない。
 いつの頃からか、ありとあらゆる分野の組織や団体が投資に走ってしまった。
それが年金基金であり、自治体の基金であり、企業の資産であったりした。お
かげで多くの企業年金基金や厚生年金基金は本来の年金のための資金という
本分を忘れ投資に走り巨額の運用損失を出してしまった。従って多くの企業年金
基金は枯渇している。つまり多くの会社員はやがて自分達の企業年金が破たんし
ているという信じられない事実を知ることになる。
 多くの自治体も投資に走ってしまった。各基金がその対象とされ、例えばある自
治体では100億円の基金が運用に出されて失敗し20億円しか存在しない事にな
っている。自治体財政が悪化している少なからぬ理由の一つは基金などを何故か
投資に出して運用してしまった事によるものである。いつの間にか何かの基金が急
に激減したり底をついて議会で大問題にされている自治体が少なからず存在する
であろう。それは基金を投資運用に出すという大問題を起こしているからである。
 また少なからぬ企業も資本を投資運用に投じて巨額の運用損を出して経営にま
で悪影響を生じている事例がある。
 投資は人や組織や自治体までも道を誤らせる。
 損失した分だけ外国資本がごっそり潤っているだけである。

 鉄則を改めて復唱しよう。
 世の中に美味しい話は存在しない、ということを。

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