木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

ふと目にした先人の言葉

2009-10-31 22:38:57 | インポート
 ふと新島襄の言葉を思い出し、改めて見つめてみる。
  
  わが校の門をくぐりたるものは、
  政治家になるもよし、
  宗教家になるもよし、
  実業家になるもよし、
  教育家になるもよし、
  文学者になるもよし、
  且つ少々角あるも可、
  奇骨あるも可、
  ただかの優柔不断にして安逸を貪り、
  苟も姑息の計を為すが如き
  軟骨漢には決してならぬこと、
  これ予の切に望み、
  ひとえに希うところである。
               ー新島 襄ー

 様々な利害が錯綜し、しがらみだらけの日常に身を置
いているとつい何かが濁ってしまいそうで、そういう時
歴史上の人物の遺訓が心を清めてくれる。
 人の歩む道は色々ある。
 どの道に歩を進めても、決してなってはならない姿や
陥ってはならない姿を明確に示している。
 一つの時代を生き、何かを為し終え、そういう有為な
人物の時代を超えて後世に伝わる言葉は多くの示唆に富
み、重く、そして深い。

 政治家、宗教家、実業家、教育家、文学者、少々角あ
る者、奇骨ある者が互いに切磋琢磨し、時に連携し、実
社会への健全なベクトルに集結して合力していくことが
できれば、それは一つの英知になるだろう。
 そういう英知を求めよう。

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スポーツの教育効果

2009-10-30 17:48:41 | インポート
元ラグビー日本代表の平尾誠二氏の話を聞く機会があっ
た。平尾誠二氏は現在、神戸製鋼ラグビー部の総監督で
あり、またスポーツNPO法人をも手がけている。

スポーツと社会、スポーツの教育効果という視点を軸に
して話が進んだ。
日本のスポーツはまだまだ「やらされている」状態の事
例が多く、例えば監視の目がいなくなると途端に手を抜
いてしまう。自発的という姿からはまだ遠いとのことで
ある。
人間は内発的に行うことについては脳が活性化し、生き
生きしていくが外圧を受けて行うことは、例えばやらな
ければペナルティーがあるという状態ではまず続かない
し活性化もしないという事例が述べられた。
学生までのスポーツの世界では意外とこの外圧としての
環境が多い。私も少年の頃の記憶を思い出している。時
にそれは楽しさとは無縁の、少年にとっては時に重圧で
もあった。

平尾誠二氏は日本と世界の一線級との差は、この内発的
な選手や空気の差でもあると述べられた。内発とは強い
モチベーションに支えられた自発性とでも言えようか。
日本はまだまだスポーツは外圧的で、また外圧的な風土
の組織が多く、これでは世界の一線級には勝てないと指
摘された。

日本人にあまり備わっていない能力の一つとして平尾誠
二氏は「判断力」を挙げた。サッカーやラグビーに必要な
能力でもあるとのことだ。サッカーの中田選手はこの判
断力に優れ、選手と選手との隙間にまさにその時にパス
を出してボールをそこに出すことができるからこそ中田
選手は中田選手であり得たという話は印象的であった。
一瞬のうちに多量の情報を集めて、一瞬のうちに多大な
処理を行うこと、それが「判断力」であるとのことである。
この「判断力」はフィールドで実際に訓練しないと身につ
かない。
私は考えた。スポーツの教育効果とは何だろうと。例え
ば「判断力」のような、座学では決して身に付かない能力
が啓発されることもその一つだろう。
何よりも人材が生の感覚の中から育つことであり、また
種目を通じて世界を知り、また世界との距離を知ること
ではないか。その中から日本人の能力の長短や適性を肌
身で感得できることであろう。

まさにスポーツは教育である。平尾誠二氏の話を聞いて、
私は改めて思った。

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変化の胎動と自治体の現場光景

2009-10-29 00:22:38 | インポート
 国会で代表質問が始まった。答弁する新政権側は政治
家の言葉として体温のある答弁であり、質問する野党・
自民党よりも、堂々として見えて、答弁しながら発信を
しているような光景であった。
 時代の変わり目を視覚化したような国会風景であった。

 さて、脱官僚ということが言われている。もっと具体
的にいえば、脱官僚依存である。官僚も志を持ち、この
国のために高い能力と見識を磨いている人々もいるのだ
から、新政権もこの官僚を、この国のために時に頭脳と
して、時に戦力として活用してより良い政治を行うこと
が現実的かと思う。
 脱官僚依存とは、官僚を敵視することではない。そこ
が世間にうまく伝わりきれていないところだろう。
 また政・官との癒着は断ち切らなければならない。こ
の癒着構造こそ、長らく自民党政権が続いたために本来
は政治的に中立な筈の官僚が、いつしか与党の側にすり
寄り、また長らく続いた自民党政権も官僚に本来の政治
家が行う役割を丸投げしてきた、ここに自民党政治と官
僚との間に癒着が根深く定着したのである。
 民主党政権は官僚依存を脱し、政治家としての役割と
官僚の存在を明確にして、国民本位の政治を行おうとし
ているのである。

 さて、地方政治の現場はどうだろうか。地方政治の現
場とは即ち市役所、市議会である。まだまだ各地方自治
体の現場には古い体質、悪しき陋習(ろうしゅう)、時
代錯誤のような光景が多数見られる。地方自治体の奥の
奥、裏の裏に光が差し込めばそれらは忽ち炙り出される。
 例えば市議会の各会派には、いつも特定の数名の市の
職員がたむろしている。それぞれの会派に、それぞれ決
まった顔ぶれの特定の職員が、いつまでも控室の中に居
座っている。資料の説明に来る職員や、議案を説明にく
る職員のような、そういう正統派の職員もいるが、そう
いう正統派とは別にいつまでも特定の会派にたむろする
癒着の権化のような職員もいる。
 そういうところから、例えば副市長(かつての助役)
や教育長が誰になるかという人事案が議会に諮られる前
に、既成事実として巷で流布していくような忌々しき事
態も生じる。

 他の市の自治体議員と話して共通する事は控室が最も
仕事にならない場所である。控室は決して執務室になれ
ない。内外から実に邪魔が入る。個室のない自治体議員
の現実だ。

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それぞれの主題

2009-10-26 12:37:03 | インポート
 参議院補欠選挙で民主党が2戦2勝となった。
 民意は新しい国の在り方を求めていることが示された
といえる。
 来年夏の参議院議員選挙の主題は、「民主党政権の完
成」ということになる。参議院会派での議席の過半数ま
であと僅か1議席となった。国民の声を反映させた円滑
な国会運営が可能となるよう参議院においても過半数を
獲得することができるか否かが焦点であり、故に国民は
民主党政権を完成させるか否か、という主題になる。

 国政はまさに政党政治の顔である。圧倒的多数の有権
者は国政の動きや、党国会議員の言動や党の政策を見て
党を認識し、党を判断し、支持政党を決めていく。
 そういう厳然たる事実を前にして、まだまだ民主党の
地方組織や各級自治体議員の存在は国政の存在感に比べ
れば脆弱である。
 まず国政で有権者が政権交代を選択した。今はその選
択と各級自治体議会の民主党自治体議員の実体との間に
若干の時差が生じている。まだまだ各級地方議会におけ
る民主党自治体議員の存在は有権者の選択に時差もあっ
て追いついていない。

 民主党の掲げる主題のひとつに「地域主権」がある。
地域主権を実現、実行していくためには地域に重大な責
任も生じてくると同時に、地域の民主党自治体議員が質、
数ともに増強していかなければならないことになる。
 地域主権という主題に沿って、いかに民主党は政権与
党として、これから各級地方議会内の各級自治体議員を
地域主権のプレーヤーとして養成、発展させていくこと
ができるか。
 地域主権の成否はこの一挙にかかっている。

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立ち上がった市民

2009-10-21 23:12:30 | インポート
 奈良県内の、閑静な住宅街のある、とある市にてつい
に市民が立ち上がった。奈良県内のある駅にて改札前で
市民が数名で街頭演説を繰り返しながら署名をお願いし、
また冊子を配布していた。背後には「*議員をリコール
する会」という横断幕が張られていた。

 概要は次のようである。平成19年4月、ある市議会
議員選挙により6回目の当選を果たした*議員は背任と
あっせん収賄罪容疑で大阪地検特捜部に逮捕された。先
行取得の必要のない山林を市の土地開発公社に買い取ら
せ、市に損害を与えた上、業者から1000万円を受け
取ったことや、足湯施設建設に関し市に特定の業者と契
約を結ばせ、見返りに400万円を受け取ったことであ
る。その後、起訴され今年の4月、大阪地方裁判所は*
議員に対して懲役3年6カ月、追徴金1400万円の有
罪判決を言い渡した。しかし*議員は判決を不服として
大阪高等裁判所に控訴し、ある市議会に出席している。
 とある市議会では今回の有罪判決を受けて今年5月の
臨時市議会にて2回目の議員辞職勧告決議案を全会一致
で決議した。(2年前の逮捕時に最初の議員辞職勧告決
議案を決議している)しかし*議員は自ら辞職する気配
がない。
 そこで、*議員を選出した、この市の市民が解職請求
を突き付けるべく「*議員をリコールする会」を立ち上
げて*議員の解職請求運動を展開することとなったよう
である。

 リコールとは市民(有権者)が不適当だと思う議員や
市長を辞めさせることのできる唯一の方法である。有権
者の3分の1の数の署名を集めれば、住民投票にかける
ことができ、その住民投票で賛成過半数となれば解職で
きるのである。
 ちなみに、この市の場合、有権者の3分の1となると
3万2000人分の署名が必要ということになる。
 また、署名を集めるのは「受任者」として選挙管理委
員会に届け出た人でなければ活動ができないことになっ
ている。登録されていない人が集めた署名は無効になる
のである。
 受任者は(1)この市内在住者(2)この市外、奈良
県外なら公務員でも可能(3)この市の議員ならなるこ
とができる。受任者になれないのは、国家・地方公務員
(県・市職員)、教育公務員、人事委員会、公平委員会、
公安委員会、教育委員会の委員である。

 この運動、どのような展開を見せるだろうか。

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