木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

立ち位置と皮膚感覚

2010-05-29 22:56:10 | インポート
語らなければ語らないだけ誤解され、話せば話すほどに
相手はずれて受け止めていく。
そういう事も少なくない。
だからまず、物事は誤伝していくのだ。

海千山千という。自分の口から俺は海千山千だと豪語す
る人で本当に海千山千の人を私は見たことがない。自分
では千と思い込んでいるだけで、特定の行動バターンの
みを重ねているだけで、ある角度やある分野が全くの更
地であるような事がある。
要は実際にその中に入って、当事者としての立ち位置に
立ち皮膚感覚としてその人に感覚が備わっていなければ、
いくら言葉で説明しても本質が伝わらない。
そういう事を感じる場面に少なからず遭遇する。

例えば自分はこの道40年、野球に肩入れしてきたと自
負している人がいたとして、それが40年間ただ球場の
観客席から野球観戦しどこかの球団を応援してきたこと
だとする。
しかし僅か1日でも1打席に過ぎなくても実際に選手と
して球場のグランドに立ち、実際にプレーをした人とは
同じ野球を語るにしても皮膚感覚が違うし、野球につい
て見える風景も違う。当然ながら認識も見解も違うし語
る世界も異なってくる。
実際にプレーした選手ならではの苦労や困難、感慨は選
手にしか分からない。
とても球場の観客席から観戦しているだけの視点では分
からない領域がある。
同じ野球を語るにしてもその立ち位置とそれによる皮膚
感覚とで大きな差異が生じる。

物事は万事、かくの如しである。
そのような気持ちになる場面によく遭遇する。

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東大阪市臨時議会は継続審査で閉会

2010-05-26 13:44:45 | インポート
 国民健康保険の介護保険分の保険料を余分に徴収して
いた過徴収の問題で、一刻も早く過徴収した保険料分を
該当した市民に返還するべく、その為の手続きを急ぐ為
に東大阪市で臨時議会が開かれていたが、25日の臨時
議会最終日になっても尚、市当局の見解が定まらず答弁
も二転三転し時に長い沈黙が続き、部局同士の連携も見
られず、時間が過ぎ、日付が変わって26日になり26
時前にようやく条例の修正案が賛成多数で可決され継続
審査となることで臨時議会を終えた。

 余分に取り過ぎた保険料は過徴収分を市民に返還する
事が事の本質であり、その為の審議であるのだが何故に
市はその財源、手法や見解を議会で提示する事ができな
いのか。隠蔽と取られても仕方のない答弁が目につき、
また後から露見する嘘の答弁を繰り返す事が目に余る。
 そもそも市長は返還する旨の決意を早々に記者会見し
たが、市当局との間で何があったのか、その記者会見内
容から大きく後退し議会でも沈黙が続いた。
 市長、副市長、理事、財務部長、そして関係部局の意
思疎通が十分でなく、また対策会議でも議事録すら取っ
ていない実態が答弁で明らかになるなど今の東大阪市は
何かが違う。何かがおかしい。

 社会通念上、考えてみよう。
 あなたがもし店の経営者で、お客から余分に代金を取
りすぎていた事が分かったらどうするだろうか。お客が
気付かないままでいたらそのままにしておくだろうか。
お客側が気付いていなくても先ず連絡を取ってお詫びし
余分に取った代金を返金するであろう。
 レストランでお客から余計に料金を取り過ぎた事が分
かったら返金するだろう。
 税金でも同様である。そもそも確定申告は何故存在す
るのか。個々皆実態が違う所得に一つ一つ応じた税制を
設ける事は不可能なため、大枠で税を徴収せざるを得な
い。そこで給与所得者なら年末調整で、自営業者等なら
年度末の確定申告で一人々々の所得を確定し、余分に取
り過ぎた税金を一人々々の手元に戻す為に存在するので
ある。
 要は、取り過ぎた代金にしろ税金にしろ返金若しくは
還付するのが世の習わしである。

 東大阪市は過徴収保険料返還のための財源、手法等を
早く議会に提示し市民に迅速に返還できるよう努める事
が求められる。
 ちなみに条例修正で既に死亡している方には相続人に
返還するとされた。

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曲も歌手と共に進化する

2010-05-25 10:41:02 | インポート
 チャゲ&飛鳥が解散して後、飛鳥はASKAとなって
ソロ活動に励んでいる。先日、ASKAがチャゲ&飛鳥
時代の曲と以前からの自身のソロ活動の曲とを選曲して
12曲のアルバムを発売した。
 私の世代的に大変しみ入る、いいアルバムだった。

 曲も進化していくのだなと感じさせられる。歌手本人
が歌い続けているうちに様々な思いが加わるだろうし、
サウンドにも年輪を重ねた重層感が出てくる。同じ名曲
が全く新鮮に別の新曲のように聞こえる。
 私自身も年を重ねていくうちに、以前は素通りしてい
た歌詞や言葉一つが素通りしないで胸に留まり沈殿して
いくような、曲を通じて見える風景も広がりが出てくる。
そういう双方の変化もあり、曲がより魅力的に響く。
 またチャゲ&飛鳥としての長い活動とその後の諸々の
状況等が加味されまたそれを乗り越えて、どこかふっき
れた感のする、伸びやかなASKAの新境地を感じない
でもなかった。

 曲は不思議なもので人の心をつかむ。例えばASKA
とは一度の面識もないし、出会った事もないにもかかわ
らず、その人の曲を好きになり、何度も何度も聞く。
 そういうものだと思う。

 またチャゲ&飛鳥、ASKAに限らず、日本人歌手の
曲も日本国内に留まらず広くアジアに流通し、多くのフ
ァンができており、またアジア各国でコンサートも開か
れていることを見れば、こうした日本のサウンドも大切
なコンテンツ、資産であることを考えないではいられな
い。

 それにしてもASKAのこのアルバムは醸成された良
いワインを飲むような、そんな心地にさせてくれる。

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ある一幕で

2010-05-24 00:56:08 | インポート
先日ある交流会で若い女性議員がスピーチの番になって、
半ば冗談でこう言った。
「私は大阪で皆さんから女子扱いをされた事が一度もあ
りません!」
語気にはやや怒りすらこもっていたので本音に近いのだ
ろうと思った。
敢えて述べれば、その若い女性議員はかわいらしい容姿
である。しかし男性議員等からまるで玩具のようにつつ
かれ、きつい冗談にいつも包まれ、時にはからかわれ、
稀に誹謗もあればこう言いたくもなるのだろう。

大阪のノリとは言え、大阪人議員の中でも特に毒舌の者
もいるし、どきつい表現を使う者もいる。
スピーチで皮肉を漏らした若い女性議員が先日、ある議
員と普通に会話したら、
「今回の女性芸能人候補者は美しい百合のようだった。」
と会話が続いた。
その直後に
「それに比べ君はドクダミだな。」
と若い女性議員に即座にある議員が切り返した。
要は、この若い女性議員はドクダミと比喩された事に怒
り、傷付いているのである。
繰り返すがこの若い女性議員はかわいらしい容姿をして
いるのである。
大阪の大阪たるノリというのか、大阪人の中でも言葉の
きつい人につつかれて本来なら、他のエリアであれば当
然のごとく言われている筈の
「かわいいね。」
という言葉が実はこの若い女性議員には発せられていな
い。
大阪ならではの喜劇でもある。
しかし大阪の噺文化は洗練されたもので相手を傷付けて
しまうものではない。それを思うと単にこの若い女性議
員は周囲の人に恵まれていないのかも知れない。

では京都の若い女性議員はどうかと言えば、私が知って
いる範囲では、それはそれで大変な事もあったようであ
る。

大阪のボケとツッコミとよく言う。しかしそれは高度な
センスに支えられてこそ成立するものであって、その辺
りに余り疎い人がボケとツッコミだと思って放つ言葉は
ただ相手を傷付けているだけの場合もある事を記してお
きたい。

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介護保険料の過徴収問題で臨時議会召集

2010-05-20 22:38:28 | インポート
 東大阪市で発覚した国民健康保険料の介護保険分の保
険料を人数を誤って多く登録し保険料を過徴収していた
問題で、臨時議会が招集された。
 平成20年時点でこの問題に気付いていた職員もいた
が、議会への報告がなされず、職員の内部告発によって
露見したこの問題も、せめて気付いた時点で事実を開示
し説明責任を果たし議会に報告し、対処を行っていれば
平成21年度分の保険料の過徴収は防げた可能性が高く、
その過徴収分保険料1億9,956万4,189円の被害
は回避できていた可能性が高い。
 いかに何かのアクシデントが生じた際に、早めに開示
し説明責任を果たし、適切に処理をしていくかが重要で
あることが改めて感じられる。

 コンプライアンス、事実の開示と適切な処理が結果的
に市の職員をも守ることになるのである。ともすれば連
綿と続く悪しき伝統の隠蔽、先送り、事実の捏造、臭い
ものには蓋をする、足して二で割る、責任のなすり合い
による無責任連鎖は逆に後になってどうにも取り返しの
つかない事になり自らの首を絞めることになるのである。
 
 この問題は先ず平成19年度分から平成21年度分ま
での過徴収した保険料を返還することで調整中だが、そ
の財源をどうするのか、返還方法をどのようにするのか
で幾つかの案が錯綜し、市の方針も変更を重ねている。
 案の一つとして、市の職員の人件費を削減して充当す
る提案もなされたが、この春に採用されたばかりの新人
職員まで責任を負わせて人件費を削減するのは酷だとし
て私達の会派(民主さわやかな風議員団)は反対しこの
案は凍結された。端を発した平成14年度時点ではいな
かった新人をも巻き込むのは不適切な手法である。
 
 過徴収保険料の返還分の財源をどうするのか、例えば
市のへそくりと言える財政調整基金を取り崩して充てる
案も出されているが、臨時議会で所管の民生保健委員会
と総務委員会とを合同で開催し、また委員外委員の発言
も今回は認める方針で委員外委員の出席も認められる事
になった。
 平成14年時点で過徴収され今はもう既に亡くなられ
た方々の保険料はどうするのか、転居された方々で所在
不明の方々の保険料はどうするのか等々、解決するべき
課題は多い。
 適切な対応で展望を開きたい。

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