木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

古都の夜

2008-02-28 22:24:04 | インポート
猿沢の池を背に石段を上ると、そのまま天空に通じてい
るような境内になる。
日常の雑踏と喧騒から少し離れて夜の興福寺を訪れた。
広い夜空に北斗七星が北東に高く煌めいている。振り返
ると南西にオリオン座が古代以来の輝きを地上に注いで
いる。

古都の夜はいい。
しんしんと静まり寒気で身が締まる中に朧気に浮き上が
る五重塔と長堂は美しい。時空を超えた美しさは力強さ
でもある。礎石の上に立って眺めていると蹄の音が礎石
を鳴らして響いてくる。鹿が私を遠巻きに、これ以上は
近付いてこない距離を保って私の微妙な距離に近寄って
くる。
古都の空は広い。

時折、参拝者がつく鐘の音が静寂の古都に静かな音響を
添える。
時に求める非日常のしばしの時間。一日の終わりにこの
ような静けさがあってもいい。

学生時代なら、このまま礎石に寝転んで、いつまでも北
斗七星を眺めているだろう。

古都の夜は音楽的な響きがする。

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東大阪市の三月議会を巡って

2008-02-27 15:13:25 | インポート
 東大阪市議会の三月市議会がそろそろ開会に向けて動
き出す頃だが、市の外郭団体のあり方を巡って十二月議
会で継続審議となって以降、調整などを巡って動きが進
まず、通常の時期の開会がずれ込む見通しが大きくなっ
てきた。
 複数の大手新聞紙においても、東大阪市の状況が報じ
られていた。概ね、報道内容は実際の状況と相違ないよ
うに見受けられる。

 地域の特性や特色とでもいうのだろうか、私が市議に
当選させて頂いて以降、当時の市長の下でも議会は常に
紛糾し、やがて共産党市長が返り咲くと共産市政の下で
紛糾して議会が前に進まず、そうして新たな市長が誕生
したが紛糾とまではいかないまでも、議会の開会や議案
を巡って事前の段階でかみ合わない状況がしばし続いて
いる。
 各議員団で構成する各会派も、会派として存在してい
るが温度差や利害が入り乱れ会派は会派としての風景と
は違う風景を見せている。

 これも地域事情だという一言で片づけてしまうには何
か事情が違うような思いがする。

 東大阪市の企業群や経済界は多種多様な存在感を示す
企業が少なくなく、多様なネットワークを構成するなど
不況下の厳しい面もあるにせよ、光るようなエネルギー
を発していることを思えば、東大阪市の政治と行政分野
の閉塞感が逆に目立ってしまう。
 今、この街には更なる新しい空気と更なる「よそ者」
の斬新な視点が必要なのかもしれない。

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米国大統領選と潮流

2008-02-25 00:29:25 | インポート
米国大統領選に向けての米国民主党の候補指名争いが連
日のように白熱して伝えられている。感覚的にはお茶の
間には共和党についてより米国民主党の報道に比重が置
かれているように感じられる。

初の黒人大統領か初の女性大統領かという米国民主党内
における報道の伝わり方の陰で、
「今まで政治に参加しなかった人々が政治に関心を持つ
ようになった」
「バラバラだった米国が一つに結束しようという機運が
云々」
といった伝わり方が着目される。

今回の米国大統領選で、今まで余り表立って認識されて
いなかった米国の等身大の課題や姿が例えば日本のお茶
の間に伝わってきているのではないだろうか。

思えば日本に関する事柄や状況について私達はどれだけ
等身大の姿を知っているだろうか。どれだけ事実を認識
しているだろうか。
そういう視点で振り返ると他国の状況となれば尚、どこ
まで私達は本当に把握できているかとなれば大きな虚像
を受け入れているのかも知れない。
隣の芝は青く見えるのと同時に、隣の芝は囲われてよく
見えない。

日本の事情を日本人がどれだけ知っているのか。諸外国
に日本の事情はどこまで的確に伝わっているのか。
米国大統領選に関する一連の伝わり方を見ているうちに、
ふと自分達の虚実に関して果たしてどこまでがどうなの
だろうかと感じてしまう。

所詮、全ては同時に存在し全ては相対的にある。潮流と
いうものはいつしか形成され、いつしか変わっている。

米国の政治も新たな潮流にある事は確かだろう。世界的
に転換の潮流にある。
さて日本はこの潮流にどのように向き合うのだろうか。

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教育委員との意見交換

2008-02-21 22:02:23 | インポート
 東大阪市の教育委員会、そして教育委員の皆様と懇親
を兼ねて意見交換した。なかなか市議会議員と教育委員
が委員会を離れて自由闊達な意見交換を行う機会は取れ
ないことを思えば、有意義な時間だった。
 
 市の外郭団体の方向性について、或いはスポーツを基
軸にした東大阪市内の公立高校の活性化について、又は
教育環境諸々に至るまで様々な立場から自由に意見交換
ができた。中には疑問を感じられた市議会議員もいたが
、最大公約数としては意見交換の場を持つことは有益に
はなっても有害にはならないと私は感じた。
 教育の分野は外の視点から見て、思っている以上に案
外と狭い世界でもあり、閉塞的でもある場合がある。い
かに意見が意見として衝突しようとも忘れてはなならな
いのは児童、生徒の立場に立った視点である。教育に大
人の世界の利害関係やしがらみをちらつかせてはならな
い。

 学校の先生の教員冥利に尽きる場面として、教え子が
思いもよらない場面や街角で偶然にも現われて「先生、
元気ですか」などと声をかけてくると、それは教員をし
ていて最高の最良の時間ではないかということを申し上
げた。教え子が何十年か経過した頃に忘れた時節にふと
現われて、様々な分野で様々な人生を送っている。それ
を師匠として眺めるという場面はその他の職種ではまず
あり得ない場面である。

 子供の頃においては担任や課外活動の先生の僅かな一
言が潜在的な意欲に火を灯す事例も多く、子供の頃のあ
る学年の段階で出会った先生の影響を受けて、生徒のそ
の後の人生観や活動内容が方向づけられるということも
珍しくはない。いかに子供達にとって、担任或いは課外
活動の先生の存在が大きく教育上において影響するかと
いうことを話したりした。

 提言としては、自治体に教育委員会の存在自体が不要
ではないかという視点もある。確かに教育は政治的な影
響を受けないような配慮がされなければならないが、し
かし方向性を審議し決めるのも議会や政治の使命でもあ
る。余りにも教育の世界だけに任せてしまった結果、教
育の柱を見失い、教育の本質から逸れた技術論や大人の
世界の利害関係が持ち込まれる結果、教育そのものが漂
うような事態が強くなれば、現在の教育委員会という仕
組みそのものが見直されるべきだという提言が生じても
不思議ではない。

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この道はどこまで続いていくのか

2008-02-19 23:51:35 | インポート
 道路のあり方を改めて考えてみる。例えば大阪界隈で
は多くの道路が慢性的な渋滞に悩まされている。抜け道
のはずが、抜け道も渋滞に陥っており抜け道自体が存在
しない状況に陥る。大阪東部では旧道が旧村を通り狭く
一方通行も多く通行に難儀する場合も多い。
 
 このような都市圏で救急車両が立ち往生している場面
何度も目にする。理想論の段階だが、救急車両と消防車
両専用の地下道ができて縦横無尽に走れるようになれば
どれほど助かる命が増えるだろうかと思いは巡る。
高速道路高架下の未使用の場所を計画的に救急車両が地
下から出てくる出口にして、救急・消防車両が地上に出
た際に信号が連動して一般車道の信号が赤に変わり、難
なく短時間で救急・消防車両が目的地に到着できるよう
な災害に強い都市計画としての道路のあり方を近未来的
に考えてみたい。
 例えば大阪圏を幾つかのブロックに分けて、出動要請
を受けた地域がどのブロックに属しているかを瞬時に判
断し、救急・消防車両が即座に消防署からそのまま地下
に潜っていく。地上の混雑具合とは無縁に目的ブロック
の出口を目指して車両が地下を走る。そういう時代が来
ないだろうか。地下道工事には莫大な予算が必要になる
だろうが、人命を尊重した災害に強い都市計画を思う時
、単なる空絵事には思えない。

 無駄か無駄ではないかという議論もあるが、道路には
様々な求められている姿があるのではなかろうか。北国
では豪雪により生活圏が閉ざされ、通学も通院もままな
らない地域が多い。人の往来自体が遮断される。そのよ
うな地域には新たな道路作りの需要がある。これに対し
て都市圏等では既に環状に放射状に道路が延びて道路の
必要性の有無ではなく道路のあり方や都市計画と関連し
た道路網のあり方が問われている。道路特定財源は、
やがて道州制になった時に各州の特徴に応じて地域の特
色に応じた使われ方が定まっていくのではないか。

 例えば九州は各県の単位で道路計画が進められてきた
影響もあって九州全体として見渡した道路計画になって
いないと聞く。従って例えば大分から宮崎県南部に移動
する時間よりも、大分から飛行機で大阪まで飛び、乗り
換えて大阪から宮崎空港に飛ぶほうが時間的には早く移
動できると聞いた。道州制に変わった後に再び俯瞰的な
道路計画の必要性が生まれると思う。

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