木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

求められるトランスフォーム

2009-06-29 23:44:37 | インポート
 各地それぞれが暦も違い、バラバラであった藩の時代
から、政府を中心とした司令系統を明確にして全国に放
射状に伝達する形で統治した中央集権の時代に変わった
のが明治維新であった。
 今は、その東京を極とした司令系統網を、時代に即し
た機能的な姿形へと改めようとしている局面である。
 その主題は「地方主権」「地域主権」である。
 藩から明治政府へ、そしてその先へとトランスフォー
ムするか否かという時代になっている。

 企業の世界では意識や人やモノが、東京へ東京へと向
かっている。各地で発祥した名門企業ですら本社機能を
東京へ移転する事例が少なくなく、例えば大阪でも大阪
で発祥した名門企業や老舗企業が本社機能を東京へ移転
させた為に、大阪の倦怠感と停滞感を生んだ。これに対
して京都の名門企業は本社を東京に移転させないで京都
に本社を置き、京都を地盤として全国展開している事例
が少なくない。この違いは大きい。
 しかし京都のような事例は全国的に見れば少数になり
東京は経済首都、巨大経済都市の観すら漂う。人々は東
京を目指し、東京に移り、東京に憧れるという東京物語
が津々浦々で展開した。
 ために東京以外の多くの都市や地方や地域が過疎化を
生じ、郡部や山間地では過疎地を多く輩出し、為に多く
の耕作放棄地をも生んでいる。ばかりか森林も荒れ、農
林水産業では後継者がいなくなっている。これでは日本
が廃れるのではないか、と私は各地を移動しながら痛感
した。
 その皆が憧れた大東京すら今や世界の地方都市になり
つつある。経済都市ではあるが、それ以外の存在感が発
信されず、世界的には地方都市になりつつある。東京は
文化首都でも文明都市でもないからだろう。

 行政的には霞が関本社、都道府県支店、その各支店内
の市町村営業所といった機構である。各支店や支店内の
営業所は自ら何かを企画して実行することは難しい。決
定権もなく、自主財源もほとんど与えられていないから
である。しかし全ての支店とその営業所に対して全て同
じ指示、同じ規格や企画、同じ対応を行い続けることは
各地域の実情や事情が異なるために無理が生じる。今が
まさにそういう時代である。
 また各支店の横並び意識で例えば空港のように無駄な
事例も生じている。この機構をいかにトランスフォーム
させるかが問われているのである。

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ある会場にて

2009-06-28 19:54:01 | インポート
 所用で名古屋に行った。ある会合だが、関西と東海あ
るいは中部圏とでは会場の雰囲気も、空気もリズムも多
くの違いが目についた。関西と東海は全く違う文化圏で
あることを改めて体感した。
 こうして見ると、日本はやはり首都圏と関西圏という
大きな二極があって、衛星のように東海圏や北陸圏等の
ように地方文化圏があるように思える。時間の流れも色
合いも、人情も風土もあらゆる面でやはり異なる。

 東海圏もかつては織田信長、羽柴秀吉、徳川家康とい
う日本史の英傑を生んだ土壌でもあり、現在は世界企業
トヨタを輩出した土壌である。そういう事を感じながら
その地の時間を過ごすことは愉快である。
 風土は人物を輩出する背景や、何かが育つ土壌に大き
く影響していると感じざるを得ない。

 ある歌手が途中から一生懸命に歌い始めた。着飾って
はいるものの垢ぬけしない。泣かず飛ばずの段階の歌手
と一目見て分かる。私はいつも思うのだが、一流になれ
ない歌手は皆、共通しているのは自分の歌ではないとい
うことである。歌っているのは既に世間にある歌か誰か
の歌のコピーである。延々と繰り返される歌は延々と誰
か他の歌い手の歌であり、その歌手の歌ではない。だか
らきっとこの歌手は一流にはなれないだろう。
 自分の持ち歌というものがない歌手は聞いていて退屈
である。「次は五木ひろしさんの歌で・・・」と歌う。まば
らな会場の拍手を背に今度は「続きまして石原裕次郎さ
んの歌で・・・」と歌いだす。そうして一部の応援団が
旗を振って応援しているが、光景に無理がある。

 何事もそうだが、二番煎じは琴線に触れない。
 企業にもビジネスにも、政策にも共通することである。

 何故、あなたは歌い手になったのか、ふと聞いてみた
くなったが場を壊してはいけないので敢えて聞かないで
おいた。

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東大阪市平成21年度第2回定例会

2009-06-27 14:11:13 | インポート
 多くの自治体ではもう6月議会は終わったか終わろう
としている。東大阪市議会は外郭団体の東大阪市公園協
会に関する工事の在り方を巡り、強制力のある100条
員会が断続的に開かれてきたこともあり、また、市側か
らの議案の提案・説明がつい先日だったこともありよう
やくにして本日、先決の件でのみ6月市議会が召集され
た。
 ここ数回の東大阪市議会は該当月の議会がその月の下
旬まで開会がこじれ、翌月まるまる行われる傾向が続い
ており、議場外での調整や交渉も含めれば2か月の議会
が行われているような観がある。
 行政側と議会側との交通が滞っているような観である。

 主要な課題としては、国から「地域活性化・経済危機
対策臨時交付金」が見込として8億3,625万円交付
されることである。これは地方公共団体が温暖化対策、
少子高齢社会への対応、安全・安心の実現、将来に向け
た地域に応じた事業を実施できるように交付されるとい
う趣旨のものである。
 実施計画の一次提出は6月30日であり、最終提出は
秋頃の予定となっている。各自治体で、この交付金の使
途についての検討期間を設けて最終提出の時に使途の追
加、削除、修正ができるようになっている。

 本日の市議会本会議では、財産取得の件として、災害
対応特殊消防ポンプ自動車を市有財産として取得するこ
とが議会にて可決された。購入台数は2台で、契約の相
手は大阪府吹田市内の業者で、契約金額は5,155万
5千円である。
 
 また報告事項として、東大阪市国民健康保険について
平成20年度の歳入不足見込み額について翌年度の歳入
を繰り上げてこれにあてるための市長による専決処分が
行われた。補正額は32億円で補正後の額は661億2,
392万9千円となる。
 東大阪市奨学事業について、同様に平成20年度の歳
入不足見込み額について翌年度の歳入を繰り入れてこれ
にあてるための市長による専決処分が行われた。補正額
は300万円で補正後の額は5,342万8千円となる。
 また翌年度に繰り越しして使用することとした件の報
告として、定額給付金支給経費他、計18件分として90
億6,192万8,256円の繰越額、水道事業会計で
4,634万8千円の繰越額、下水道事業会計で16億
1,097万6,400円の繰越額となっている。

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イチロー選手に見る本質

2009-06-25 22:15:06 | インポート
 WBCの決勝戦におけるイチロー選手のセンター前ヒ
ットはいつまでも忘れることはない。同じ状況下で打席
が回ってきた川崎選手はショートフライに打ち取られた
事を思えば、しかもツーアウトに追い込まれてからの打
席だった事を思えば、まさにイチローの真価がにじみ出
ていたと言える。あれはイチロー選手でなければあの場
面でタイムリーヒットを打てなかった。
 これこそ役者と言える。

 記憶を遡ってみる。
 WBCの幾つかの試合で、イチロー選手は不調だった。
何試合か安打が出ない状況が続くと、周囲はさもイチロ
ーを見限ったような論調に満ちた。限界説や批判まで飛
び出して、海外の他のチームの選手に「もっとイチロー
選手の価値を分かってあげてください」とまで苦言を呈
せられるほどだった。
 さしものイチロー選手本人も不振が長引くにつれ表情
や仕草にまで精彩を欠いた姿が目に映るようになってい
った。更にバント失敗やエラーも生じるようになるとイ
チロー選手の表情から血の気が引いていた。あれ程に自
信を失った生色のないイチロー選手の表情を見たのは画
面越しとはいえ、私は初めてだった。

 常日頃、結果を出し続けているアスリートであっても
結果が出なくなると築き上げてきた自信や根拠が揺らぎ
始めるのであろう。また結果が出続けてこそのアスリー
トであり、結果が出ることでこそアスリートは初めて存
在し得るのだということを再認識させられた。
 結果が出なければ、アスリートは存在基盤を失ってい
く。まさにイチロー選手のWBC中盤までにおける仕草
や表情は、客観的情勢としての結果と主観的な自己基盤
とが揺らいでいる状態の、非常に苦しい生々しい人間と
してのイチローであった。
 安打が必ず生じることが、もはや日常となっていたイ
チローにとって、打席に立てどもバットを振れどもヒッ
トにつながらない現象は非日常であったに違いない。恐
らく経験したことのない非日常にさしものイチローも当
惑していたのではなかろうか。
 
 今、アメリカ大リーグで安打を重ねているイチロー選
手はいつものような精悍な表情や仕草に戻っている。
 イチロー程の選手にも諸条件や様々な要因が重なれば
不振に襲われる、という人間として当たり前のことだけ
だったのだが・・・。
 さて、政界にあのセンター前ヒットに相当する事はあ
るか。 

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バイオマス循環

2009-06-23 21:36:10 | インポート
地球環境問題や次世代エネルギーの視点から、中国地方
の山間地にてバイオマスに関する取り組みを個人視察し
た。

バイオマスはバイオ(生物、生物資源)とマス(量)を組み
合わせた言葉であり、植物等の生物から生まれた再生で
きる資源のことを言う。

製材所から大量に排出される木屑を固めるとペレットと
いう燃料になる。この木質ペレットを石油の代わりに利
用するペレットストーブが私の宿泊した宿にてほんのり
とした炎を出していた。木質ペレットは薪よりは使い易
いとのことである。また温水プール用途やビニールハウ
スのボイラーにも木質ペレットが使われる。

またエタノールがガソリンに代わる燃料として着目され
ているが、例えば山間地にある岡山県真庭市では木材か
らエタノールを作る実験が行われている。
更に真庭市は木屑や木の皮を燃やして蒸気でタービンを
回し電力を得るバイオマス発電プラントを持っている。
風力発電のようなクリーンエネルギーとして用途開発さ
れている。

市営駐車場にはBDF(バイオディーゼル燃料)の給油
スタンドが設置されており、家庭や店舗から排出される
油を集めて燃料化したBDFを温泉街の送迎バスや市の
関連車種に給油して使用している。

自然循環を地域を挙げて取り組んでいる良い実例である。
似たような取り組みは広島県北広島市でも試みられてお
り、中国地方の山間地で地道に進行している市民、家庭、
森林、農場、行政が連携したバイオマスの取り組みを静
かに注目してみたい。

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