木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

激変する野球環境

2008-04-05 00:10:21 | インポート
 プロ野球が開幕して数日が経つ。パ・リーグがリーグ
関係者の営業努力も実ってか、非常に魅力ある華やかな
リーグに完全に脱皮した。一昔前までの「人気のセ、実
力のパ」というイメージが完全に今は昔の感である。
 
 パ・リーグの成功の本質は地域に根ざした球団にそれ
ぞれが軸足を切り替えたことだろう。かつての時代のよ
うに企業の広告宣伝のために球団が存在する、或いは企
業の節税対策として球団会社を設立して付録として球団
がある、という形態ではなく地域球団として展開して各
地域に各球団が求心力を持つようになったからであろう。
 北海道は北海道日本ハム、仙台は東北楽天、千葉は千
葉ロッテ、福岡は福岡ソフトバンク、西武は埼玉を中心
に定着していおり、オリックスも大阪を重点的に展開す
る方針に切り替えた。
 やや時代に取り残された感がするのがセ・リーグであ
る。これまででは人気球団の巨人を筆頭に人々が放って
おいても集まっていたが、今では巨人というだけでは客
足が鈍い。野球ファンの嗅覚が微妙だが着実に変化して
きている。このようなファンの嗅覚を見誤ると気がつい
た時には一気に時代に取り残されるという事になりかね
ない事は野球に限らず、分野を問わない。政治の世界で
も世の中の息遣いを聞き誤ると舵取りを誤り、政党も世
間や市場の呼吸を感じなければ衰退してしまう。
 そのような視線で野球を見るとまた様々な発見がある。

 まだまだ序盤ながら、楽天が創設四年目にして首位に
立った。前身の近鉄バファローズが売却されてオリック
スと選手を分け合い、厳しい戦力でリーグに参入した時
を思えば躍進が華々しい。選手や球団の地道な努力が杜
の都で実を結びつつある。仙台の人々の喜びが伝わって
くるようだ。
 仙台と同じような都市規模、同じような地域球団とし
ての元祖である広島カープは、投手の大黒柱と四番打者
が抜けるという大幅な戦力ダウンが不可避の中で毎試合
決して大敗ではないが負けが込み、苦しいスタートとな
っている。関西の人気球団、阪神タイガースの看板打者
が二人とも広島カープからの移籍という姿は、背景が変
われば選手も大きく変わるという典型的な実例を示して
いる。
 FA制度や米メジャーリーグへの選手の流出など野球
環境も激変した中で地方球団が輝きを取り戻せるか、着
目したい。 

コメント
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