飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

乗鞍岳で自然観察。

2009-08-10 00:18:50 | 自然
 今日は、一日雨も降らず晴れもせず、という天気でした。久しぶりのオフの一日ということで、家の外回りの仕事をいろいろと片付けました。といっても草刈と畑仕事です。草刈や草取りはけっこういい運動で、体力作りにもなるなぁ、などと思いながら作業をしました。
 それにしても、草の伸びるたくましさには脱帽します。刈っても刈っても・・・。かといって、借りている畑に雑草が茂っていると申し訳ないので、何とかみっともなくない程度に草刈をしている次第です。

 さて、8日には高山市内にある乗鞍スカイラインを通って、乗鞍岳の自然観察(の引率)に行ってきました。乗鞍スカイラインは日本最高所にある自動車道路で、上の駐車場のある畳平は標高約2,700mあります。これは白山の山頂と同じ高さ。



 写真は畳平周辺です。左のピークは恵比須岳(立ち入り禁止)、右の高みは魔王岳(名前の割りに控えめな高さですが・・・) 
 夏休みの土曜日とあって、けっこうな数のバスと人でにぎわっていました。ちなみにここは平成15年からマイカー規制となっていて、バスやタクシーしか走行できません。駐車場では駐車料金とともに環境保全税が徴収され、自然保護パトロールや案内所の経費に当てられています。
 ちなみに、マイカー規制後、道路沿いでコマクサなどの高山植物が復活したり(以前は車から降りて採っていく人がいたとのこと)、ライチョウの数が増加したりと、自然回復の傾向がみられるようになっています。
 ここまで自動車で来れるのは、いい面もあり、難しい面もありますが、乗鞍スカイラインが無かったら、今回のような日帰りの高山帯の自然観察会は企画できないでしょうね。


 複合火山の乗鞍岳は複数の火口湖などの池があり、これは飲料にも供されている不消池(きえずいけ)です。残雪が遅くまで残るため雪が消えないということで名付けられたとのこと。写真右側にはえん堤が築かれているのが見えます。最近DVDで『グランブルー』というのを見ましたが(名作と聞いていましたが、見たのは今回初めて)、その海の青さにも似た深い青さの水を湛えています。

 ざっと20種の高山植物が観察できましたが、その一部をご紹介します。

 ハイマツ(雄花)です。地味な花ですが、花粉がたくさんこぼれていて気づきました。枝を揺らすとクリーム色の煙のようになって風に漂いました。ハイマツの花粉症の人っているのでしょうか・・・?

 
 ハクサンイチゲは、全体的には花が終わっていましたが、残雪の溶けた周りに残っていました。高山帯にはどこにでもある花ですが、白と黄色のコントラストが好きな花です。 

 

 ヨツバシオガマです。いつも思うのですが、花の色の濃いところ(花冠の上唇)が鳥のツルの頭に見えて仕方ありません。下の色の薄いところ(下唇)は見ようによっては翼にも見えます。アップで見ると、つぼみのときは頭を翼で隠しているように下唇が上唇を包んでいるのがわかります。実におもしろい形です。
 3,026mの剣が峰へは登りませんでしたが、畳平周辺の富士見岳など3つのピークを踏んで、ライチョウと高山植物をじっくり観察できました。気軽に行ける高山帯。皆さんもぜひ足をお運び下さい。ただし、あくまでも高山帯なので、登山の装備(服装など)は万全に。