大型連休の初日、開店後しばらくして
ここから200Kmと少しくらいのお隣の県の親しいショップの店主さんから電話がありまして、
先方のお客さんがツーリングで鹿児島に向かう途中の高速道路上でバイクにトラブル発生とのこと。。。
反対方向に50Kmほど戻れば当店だと言うことから、ダメもとで構わないので状態を見てもらえないかとの打診。
すでに現場のオーナーさんとショップの店主さんとの間で症状についての連絡はしっかりとなされていて
店主さんからその話を聞いて双方で検討した結果、お役に立てるかどうかわからないことを何度も念を押し
ロードサービスの受けれ先を当店にすることとなりました。
バイクは店主さんの得意であり主力でもあるドカティ
オーナーさんは決まり通りレッカー車量助手席に同乗させてもらえず他の交通機関で遅れて到着 (^_^;)
換装するなら定番だと言えるメーカーのスリッパークラッチ。
僕にとっては馴染みが薄いので各部の状態と測定寸法を先方に伝えて「滑る」原因を操作系も含めて探り
ここからどうするか(何ができるのか)を検討します。
これにはこのあとツーリングを続けられる状態に回復できるのかのかどうかと、
そしてオーナーさんの意向がどうなのか…
すでに2泊3日のツーリングスケジュールは大きく狂っているわけですからね。
このスリッパ―クラッチを使い慣れていらっしゃる店主さんから応急処置の手法をお聞きするも、
このあとツーリングを続けるとなると、遅れながらでも全行程を走ると少なくとも約1000Kmを走ることになります。
この場所からさらに遠ざかり、その先で不具合が再発してしまっては
復旧のためのハードルはさらに高まることになるでしょう。
が、しかし当方たまたま店内にこちらのクラッチを置いておりました。
モデルと年式は違いますがエンジン本体側のこの部分は共通ですから、
クラッチそのもののメーカーも違いますが使用できるハズです。
店内にはいつか使うかもしれないけど使われることのないモノが沢山ありますが、
こうして出番がやって来たことに僕も感動。。。
こんなことがあるからこれから先も物が捨てられなくなるのデス (^_^;)
もともとクラッチジャダーが激しくて使用していなかったものが1セット。
でも滑ることはなく使用を終えていたので、組立時にしっかりと手入れをしておけば
2~3日程度ならジャダーも起こさずに使用できるでしょうから
これを移植しましょう。
車両本体のコンディションについては相手方店主さんの手掛ける車両ですし心配は全くないわけだから
あとは僕がもたもたせずに作業を進めるのみ、
でも時間は刻々と過ぎて行く。
プッシュロッドの長さとも合っていてクラッチユニット一式が替わっても
レリーズシリンダーが正常に動作できる位置関係であることを確認。
念のため試運転で全力加速を2回ほど試して作業完了。
鹿児島は大隅半島側の宿へ向け再スタートされたのが18時
ひたすら走り続ければ日付が変わる前にチェックインできる見込み。
そして明日はスタートから鹿児島ツーリングを楽しむことができることでしょうから
どうぞお気を付けて。
こういうトラブルはことを終えて無事に帰還できれば
諦めなかったオーナーさんにはあとでよい想い出になるのではないでしょうか。