Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
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大晦日に思う

2005-12-31 11:23:50 | 報道写真考・たわ言
アメリカでの生活が長くなったにもかかわらず、西洋流の大晦日のばか騒ぎはあまり性にあわない。

やはり僕にとっては、この日は年越しそばに除夜の鐘、なのだ。「ゆく年来る年」がみれればなおいい。この15年間正月には日本に戻っていないので、残念ながらそんな粋な大晦日は久しく味わっていない。

ここシカゴの日本マーケットでは、衛星放送で同時録画した紅白歌合戦が、こちらの夜の時間に間に合うようにすでに昼過ぎにはビデオ屋にならんでいるという。だからアメリカにいながら、家族や友人が揃って日本の年越しを演出することもできるのだ。

そんな大晦日を過ごせたらと、ちょっとうらやましく思わないわけではないが、正直にいうと、仕事続きのいまの自分には、大晦日も元旦も気分的には特に普通の週末と変わりはない。それでもこの時期になると、年の瀬をうったえるテレビの映像や、ホリデームードに沸く街の雰囲気にながされて、否応なく年の終わりを感じてしまうのだが。

年の区切り、というのは、ひとつの長い「線」である人生のなかに記された「点」のようなものなのかも知れない。

その「点」で一息ついて、ちょっと振り返ってみる。それまでの行程を反省し、そして次の「点」に行き着くまでの道のりに思いを巡らせる。。。そんなものなのかな、と思う。

ああ。。。この文章を書きながら、ふと気がついた。

だから僕は、ばか騒ぎする大晦日が好きではないんだ。ばか騒ぎしていたら、じっくりと過ぎ行く年を振り返り、新年に向けてあらたに気持ちを引き締めることなどできないではないか。。。。

ちょっと大袈裟かな。。。結局は人それぞれ、楽しく過ごせばいいのだけれど。

自分も与えられた環境をできるだけ楽しむようにしよう。
今夜も深夜まで仕事が入っている僕は、除夜の鐘どころか、ダウンタウンの騒がしい群衆のなかで年明けを迎えることになるのだから。