Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
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餅を食べながら

2005-12-24 13:27:16 | 報道写真考・たわ言
寒さが少し和らいだようで、クリスマスイブの今日は雪ではなく雨になった。

とはいえ、クリスマスとはまったく無関係に過ごしている僕にとっては、普段と特に変わらない土曜日ではある。今日はプロジェクトの撮影もはいっていなかったので、珍しく自宅で一日を過ごす。

平日に不在配達で受け取れなかった荷物を郵便局までとりにいってきた。仙台に住む母からの小包だった。

一人暮らしの不憫(?)を察してか、こうして母は年に数回、日本の食料品をこちらまでわざわざ送ってくれるのだ。

実際のところ、シカゴには日本の大きなスーパーマーケットもあるし、普段の生活の中で和食材の調達に取り立てて困ることもない。割高にはなってしまうが、僕ごときが欲しいものならほぼ何でも手に入る。

母は小包を航空便で送ってくるから送料もばかにならないし、袋一杯の乾燥梅干しなど、あまり口にしないようなものまで詰め込んでくることもあるので、正直言って「こんなにしてくれなくてもいいのに。。。」と思うことも度々だ。

それでも日本からの直送品はやはり嬉しい。

忙しくなって、自分でいちいち食事をつくっていられなくなるときなど、具沢山の乾燥みそ汁や、うどんやそばなど大変重宝するし、なにより甘い物好きの僕にとっては、日本の繊細な味のチョコレート菓子などは実にありがたい。

今日受け取った小包には、季節にあわせて、2袋ほどの餅がはいっていた。餅など自分ではほとんど買うことのない品物のひとつなので、こういうチャンスでもないと口にする機会はない。昼飯にしようと、早速オーブンにいれて焼いてみた。こんなものは数年食べた記憶もないし、ましてや自分で焼くことなどなおさらだ。そんな訳で、火力と時間を間違えたらしく、第一弾は見事に焦がした。

真っ黒になった表面の焦げを落として、一緒に送られて来た乾燥みそ汁のなかに餅をいれる。自分では雑煮のつもりだ。

雨降りの静かな年末の休日に餅をほおばりながら、子供の頃によく食べたきな粉餅や、醤油砂糖もち、そして甘いお汁粉などを思い出した。そして、忙しさにかまけて忘れかけていた年末の季節感、というものをふと感じたような気がした。

気にかけてくれる両親がいまだに健在な僕は、随分と幸せである。感謝したい。