Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
English: http://www.kunitakahashi.com/blog

仕事の報われるとき

2005-12-10 12:21:11 | リベリア
案の定、今朝は車庫の前の雪かきから1日が始まった。

除雪車が道路脇によせていく雪が車庫の前に積み上がって、車がでられない状態になっていたからだ。おかげで朝の貴重な時間の20分程をシャベル労働に費やすことになった。

一月半ぶりにトリビューンのオフィスを訪れる。
写真部にある僕のメールボックスは郵便物で一杯になっていた。

そのなかに、Eメールをプリントアウトしたものが10ページほどに綴じられて混ざっていた。トリビューンの読者達が記者のクリスティーン宛に送ったものだった。僕と一緒にリベリアで取材をし、モモやムスなどのリベリアの子供たちについて素晴らしい記事を書いてくれたのが彼女だ。

リベリアのストーリーが掲載されたとき、クリスティーンとともに、フォトグラファーとして僕の名前も並記されていたのだが、やはり読者はカメラマンよりも、実際に文章を書く記者のほうに感想などのメールを送ることが多いようだ。僕の始めたプロジェクトだっただけに正直やや残念だったが、クリスティーンの方が読者からより多くの感想を受け取っていたようだ。それらの一部をプリントして僕のメールボックスに入れておいてくれたらしい。

そこにあったメールはみな、記事でとりあげたリベリアの子供達への募金の申し出だった。なかには、ギフト(みなしごになった女の子)を養子にしたい、とか、アメリカにつれてきて学校に行かせたい、というものまであった。

僕は少なからず興奮した。

リベリアの子供達が、こういった人達からの申し出をきいたら、どれほど喜ぶだろうか!

日本で出版した僕の「戦争が終わっても」を読んでくれた人達からの募金も集まっている。(このお金については、来年2月に休暇をとってリベリアに届けようと思っている)

こういった「結果」がでるときに、僕は自分の仕事が自己満足の粋をこえて報われた、と実感することができる。

協力してくれた読者の方々に感謝したい。