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日置テスター、OL-64Dの修理

 コンデンサの測定をしようと、日置のアナログテスタを引っ張り出してきたら、乾電池から液漏れで、大変なことになっていた。



 きれいな青色の部分が乾電池の液漏れにより緑青が吹いた部分。

 50年ほど前に買ったこのアナログテスタ、5kVレンジがあるということで指名買いだった。プレートに数千ボルトをかけるなど、野蛮な時代だったが、役に立ってくれた。



 その後半導体の時代になり、hp社のデジタルマルチメータを購入してからはこのアナログテスタの出番は少なくなった。それでも電解コンデンサの良否の見当をつけるには便利な機械で、そこそこ出番があったのだが、この10年くらい内蔵乾電池を交換していなかった。液漏れもさもありなんというところか。

 接着剤で固定されていた端子を外して、石鹸水で綺麗に洗い、研磨剤で綺麗に磨いた。



 裏箱の内部の塗装も剥がれていた。



 裏箱を綺麗に洗い、浮いた塗料を剥がし、外側のちりめん塗装に影響しないようマスキングしてつや消しスプレー塗料を塗れば新品同様。



 端子のはんだをやり直し、電池を挿入したら正しく抵抗値を測ることができた。

 これであと50年ほどは大丈夫だろうと思っていたら、思わぬ伏兵が写真の上に写っている015という乾電池



 カメラのフラッシュに使われていた22.5Vの乾電池で、10年ほど前までは富士通が製造していた。残念ながら今では国内ではどこも製造していない。ちなみにこの電池の製造年月は2002年2月。

 この乾電池、需要が少ないからすべての国内メーカーは生産中止にしたのだろうが、米国ではエバレディがまだ販売している。価格は円換算で1500円くらいと高いけれど、顧客に対する供給責任を果たしている米国産業の底力をひしひしと感じる。

 30年前の製品のレストアサービスを提供しているDENONなど例外はあるが、顧客の面倒を最後まで見るという姿勢のないのが大多数の日本の製造業。彼らの衰退の一因がここにもあるのではないかと思っている。





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