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映画、奇跡のシンフォニー

 神保町で古本屋を冷やかしたあと、「奇跡のシンフォニー」の試写会に出向いた。

 世界的なチェリスト、ライラはニューヨークでのコンサートの後、パーティに出かけた。そこでロックギタリストのルイスに出会い、恋に落ちる。ところが、ライラの父親はルイスとの仲を引き裂き、無理やり次のコンサートに向けて出発してしまう。この後、この二人が会うことは二度となかった。

 この時、ライラはルイスの子供を身ごもっていた。ところが何ヶ月か後、ライラは交通事故にあう。病院で気がついたライラに父親は、子供は死んだと告げた。

 そして11年後、死の床にいたライラの父親は、実は子供は生きていて孤児院に預けたことを告白する。オーガスト・ラッシュがその子供の名前で、両親の音楽の才能を受け継いでいた。

 11歳になったオーガスト・ラッシュは両親を探し出そうと決心する。手段は彼の音楽。自分の音楽を聴いてくれれば両親だったらきっと分かるはずだと言う執念で。

 このライラ、ルイスとオーガスト・ラッシュが音楽に導かれ、再会を果せるだろうか、というのがストーリー。

 この映画の特徴は音楽である。非常に効果的に音楽が使われている。パンフレットによると、脚本に感銘を受けた有名ミュージシャンが楽曲提供、レコーディングに参加しているという。

 オーガスト・ラッシュのギター演奏は、ロドリーゴとガブリエーラのように、ギターをリズム楽器としている。ロドリーゴとガブリエーラはラテン系の音楽だが、オーガスト・ラッシュはロック。こちらの方がよりなじみやすい。オーガスト・ラッシュが逃げ込んだ教会でのゴスペルもすばらしい。特に小さな女の子の歌唱力が聴きどころだ。また、ライラの弾くチェロ協奏曲とルイスのロックを違和感なく重ねるなどうまく出来ている。

 このように上手に音楽を使い、じっくり聞かせてくれるのだが、そのために場面転換のリズムに問題が出てきたりする。その上、音楽を挿入するために無理やりプロットを作っているところもある。たとえばゴスペルを聞かせるため、教会の場面を延々と見せてくれる。

 全体の構成にはもう一工夫できそうであるが、それでも各々のパーツは良く出来ている。鼻をかみながら劇場を後にした。



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