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植田賞、村下卓児の「F席の客」

 今週の月曜日、新進の推理小説作家に与えられる植田賞の発表があった。去年は該当なしだったが、今年は村下卓児の「F席の客」が受賞した。今年の第7回植田賞は2007年4月から2008年3月までに出版された単行本の中から選ばれている。さっそく買ってきた。

 この「F席の客」は密室ものである。羽田発JAL1145釧路行きのエアバスA300-600R内で発見された女性の死体。首の後ろに細い針が刺さっている。明らかに殺人事件であり、犯人は機内にいる誰かである。確かに密室条件はクリアしている。しかし乗客290人、それに乗務員を加えた300人を超す被疑者、これでも密室と言えるのか。もしこれが密室なら宇宙船地球号だって密室になる。

 そしてこの被害者、持津茜子が元スカイマークの客室乗務員であることから話は複雑になる。と言うのも、このJAL1145便の機長、高木は元スカイマークのパイロットで、JALに引き抜かれたばかりなのである。その上、JAL1145便がスカイマークのSKY601便の運休に伴う臨時定期便だったのだ。おい、ちょっと待て、臨時定期便はないだろう、臨時定期便は。言いたいことはわからないでもないが。

 これから読む人もいるかもしれないので、細かいことは書かないが、犯人は大金を借りていた青田である。青田借り、ということらしい。犯行のトリックは、持津茜子の座席が85Fで青田の席が85Gと一見隣り合った席のように錯覚するが、実は通路を挟んだ隣ということを利用している。持津が寄りかかっていたのは青田ではない。つまり、持津もたれづ、、、、って、、、、駄洒落か。

 名前を使った駄洒落は反則とよく言われるが、推理小説を駄洒落で落とすのはやめて欲しい。植田賞の選考委員には猛省を促したい。読むのなら文庫本が出てからで十分だろう。もう読んだ人で、この書評と同じ意見の人は下のボタンを押して投票しておいて欲しい、後日参考にさせていただく。



Ref: http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/080609/dst0806092242008-n1.htm
 
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