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ラブソングができるまで

 ラブソングがはやっている。このあいだ見た映画が「ママの遺したラヴソング 」だったし今日の映画も「ラブソングができるまで」である。まあこの映画の原題はMusic and Lyricsだから直訳すると「詩とメロディ」か。Vの表記が「ヴ」と「ブ」のように微妙に違うところも面白い。

 80年代の人気ロックグループのボーカルだったアレックスは、グループ解散後ソロデビューするが散々である。「あの人は今」のような番組に出たり、遊園地や、クラス会の余興に呼ばれたりという状態だ。

 そのアレックスにスーパースターのコーラから新曲を書いて欲しいという依頼がある。彼は作詞家と組んで新曲に取り掛かるが、80年代の曲想を引きずっている彼の作るメロディと現代風の詩とが合わない。

 そんな時、植木の世話係のソフィーがつぶやいた独り言にインスピレーションを得て、曲を書き始める。もともと彼女は作家志望であったが、理由があって書くことをあきらめていた。

 その二人がぶつかり合いながらも新しい曲を作っていく。そして二人ともあきらめていた夢にもう一度挑戦するというストーリーである。

 10年位前に「スティル・クレイジー」と言う映画があった。これは70年代のロックをパロディ化した名作であったが、「ラブソングができるまで」は80年代のロックを下敷きにしたコメディの傑作だと思う。

 いろいろ面白い台詞がたくさん出てくる。「あの人は今」にデビー・ギブソンが出てくるとか。たしかに一発屋のイメージが強いがElectric YouthやLost in Your Eyesなど好きだった。

 最初に組んだ作詞家が「MoonやJuneなんていうフィーリング音楽なんかお断りだ」と言うのも面白い。

 1987年卒業のクラス会に呼ばれたりすると、ぴちぴちのズボンをはいて歌いながら腰を振るわけだが、それをからかわれたときの台詞がいい。「ぴちぴちのズボンだからハートに血液がまわるんだ」

 コーラのミュージックビデオはビヨンセかマドンナを極端にパロデイ化してあってそれだけでも笑える。

 昔風のビデオクリップも作ってあって、ヤマハのDX7とかローランドのD50が出てくる。この2機種は当時、一世を風靡したシンセサイザーで、ちゃんと押さえるところを押さえてある。

 アレックスを演じているのがヒュー・グラント。「ブリジットジョーンズの日記」では外見は良いが、内面はとんでもない奴を上手に演じていた。この映画では将来の展望も無い、しょうがない男だが、内面はやさしいいい男を演じている。彼の当たり役だと思う。

 ソフィーを演じているのがドリュー・バリモア。8歳のときETにでて有名になった子役だ。十代で麻薬とアルコールにおぼれたことでも有名だ。今ではすっかり立ち直っていると言うことだが、映画の中でも麻薬に言及するところがある。そんな台詞が言えるようになったことを喜びたい。



 とにかく笑える。80年代ロックのパロディが楽しい。もちろんそれだけではなく最後はジーンとしたりする。そして出来上がった曲「愛に戻る道」もこの映画のために書き下ろされた曲だがなかなか良い。すぐに覚えてしまって映画館を出るとき口ずさんでいたりする。お勧めの一本だ。


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