熊本熊的日常

日常生活についての雑記

知らないけど知っている 知っているけど知らない

2014年01月04日 | Weblog

午前中、陶芸に出かけて飯椀を挽いてきた。その後、馴染みの珈琲豆店でブルンジとコロンビアを200gずつ買い、渋谷に出てBunkamuraでシャヴァンヌ展を観てきた。

「シャヴァンヌ」と言ってもすぐに思い浮かばない人が多いのではないだろうか。東京では上野の西洋美術館に「貧しき漁夫」が展示されている。私にとっては、なにがどうというのではないのだが、印象に残る作品で、にもかかわらず他の作品を観たことがなかった。2011年の夏期民芸学校で倉敷を訪れた際に立ち寄った大原美術館にも「幻想」があったはずなのだが、印象に残っていない。この「幻想」は今回のBunkamura展にも出ているのだが、初対面のような気がする。それはさておき、今日の展覧会を観て自分が知らない理由がわかった。シャヴァンヌは壁画作家で、油彩画などで残されているのは習作や下絵なのである。

昨年はブリヂストン美術館でカイユボット展があり、今年はこれから三菱一号館美術館ヴァロットン展が予定されている。調べたわけではなく単なる印象なのだが、絵画史上重要でありながらあまり日本では大きく取り上げられていなかった作家が近年になって注目されるようになっている気がする。シャヴァンヌは1824年12月14日に生まれ1898年10月24日に亡くなっているので、印象派やマネ、クールベなどと同世代と言ってよいだろう。壁画を中心とした仕事をしてきた人とはいいながら、日本での知名度はその仕事の内容に比してこれまでは低すぎたように思う。カイユボットはそもそも作品数が少ないとはいいながら、印象派に属する画家でもあり印象派のパトロンでもあり、その割には日本では知名度が低すぎたのではないか。日本に西洋絵画を受け容れる土壌があるのだから、順繰りにさまざまな作家が紹介されるのは当然なのだが、そういうことがここ数年に集中しているような気がするのである。もしそうだとしたら、それは何故なのだろうか?


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