熊本熊的日常

日常生活についての雑記

あたふたと

2012年03月15日 | Weblog
30年近くもサラリーマンとして生きてきて今回初めて知ったのだが、入社時に健康診断を受けるのは労使双方の義務らしい。労働安全衛生法というもののなかで、そういうことが規定されているのだそうだ。そんなわけで、健康診断を受けることになった。ここ数年に亘って毎年人間ドックを受診している診療所に予約を入れようと昨日電話したところ、予約を入れるよりも外来で順番待ちをしたほうが、健診結果が早く出ると言われた。それで今日はその診療所の受付開始時間に合わせて住処を出て健診を受けてきた。

受付開始時間より少し早めに着いたら、入口の前に既に列ができていた。私の前には5人か6人いたが、ざっと半分が予約済みの人で残りが私同様の飛び込みだ。私の受付番号は0102番。01というのは受診科の符丁で内科のことらしい。で、私はその2番目ということだ。予約していた人が優先なので9時に診療が始まってから私の前に予約の人が3人受診することになった。私の場合は健診なので、医師の診断を仰ぐのは、問診と聴診器による診断や触診などである。ここで何か引っ掛かるということはこれまでには無かったのだが、胸に微かな雑音があると言われる。担当医師によれば単なる加齢にともなう一時的なことの場合もあるけれど、弁膜症のような大きな病気の予兆ということも無いわけではないという。「加齢で云々」というのは40代後半になると毎年の人間ドックや健診での恒例の文句なので、殊更にどうということもないのだが、「弁膜症」となると、名前からして大病という感じがする。それで無意識のうちに緊張したのだろう。その後の諸々の検査のとき、「はい、力抜いてください」と言われ通しだった。

人間ドックとちがって入社時健診の検査項目は少ないので、すぐに終わる。それでも順番待ちで待ったり、会計で領収書を新勤務先宛に誂えてもらったりしていたので、診療所を出たのが11時近くになった。尤も、想定では午前中いっぱいかかる予定だったので、日比谷へ出て伊勢廣でやきとり重をいただいて、出光美術館で古筆を眺めてから住処へ戻る。天気が良かったので、普段ならふらふらと歩き回るのだが、まだ雇用契約書に署名捺印が済んでいないので、それが送られてくるのを待たないといけない。健診の報告を新勤務先の人事部にする際に「契約書のほうはお送り頂けましたでしょうか」と書き添えておいたところ、「昨日配達記録にてお送りしております」という返信が来たので、急いで実家へ向かう。果たして郵便受けにその封筒が入っていた。住処に取って返し、同封されていた諸々の書類に目を通しながら、記入や署名や捺印をして、取り寄せる必要のあるものを書き出し、親には保証人になってもらうので、その旨のメールを送って印鑑証明の準備を依頼、近所の写真屋にでかけて証明写真を撮影してもらう。

その昔、写真を当たり前にフィルムに撮影していた頃には街中に証明写真を撮るところはいくらもあったが、いまはずいぶん少なくなった印象がある。いつも利用している写真館に電話したところ休業日らしく誰も出ないので、ネットで検索して別のところに出かける。そんな必要も無いのかもしれないが、一応スーツに着替えて住処から徒歩10分ほどのその店にでかけてきた。そこは昔ながらのDPEショップで、15分ほどで写真ができあがった。

書類に写真を貼付け、とりあえず今日返送できるものは完成させて、そのリストを作成して、封筒に入れる。もちろん、自分のプリンタを使ってコピーも取り、準備を整えたら午後8時を回っていた。何も考えずに東京中央郵便局へ出かけたら営業していなかった。すぐに東京駅へ取って返して中央線に飛び乗って新宿へ向かう。新宿郵便局に着いてみると長蛇の列があった。午後9時過ぎに列の最後尾に立ち、自分の順番になるまでに40分近く並んでいた。並んでいる間、他の人たちを眺めていた。ざっと半分くらいの人は携帯電話や携帯ゲームをいじっている。不思議なもので、そうやってどうでもよさそうなことをしていながら、自分の番が近づいてきてから慌てて何かの用紙に記入を始める人が必ずいる。結局順番までに書き終わらずに、窓口でぐでぐでと時間をかけることになる。そういう人はこれまた不思議と女性なのである。これはどう解釈したらよいだろうか。私の前に並んでいた人は20代後半から30代前半くらいの女性で、会社の用件で郵便の発送に来たらしい。彼女がかかえている大きな封筒の宛名は中野税務署で、「確定申告在中」と書いてある。これは確かに今日の消印が必要だ。封筒の左上隅にはアジア某国の電機メーカーの名前と東京での住所が印刷されていた。

契約書を無事に簡易書留で発送し、ようやく夕食にありつく。新宿郵便局界隈には飲食店が密集しているが、ラーメン屋は繁盛しているところが多いようだ。これまた不思議に思うのだが、店のなかを覗いてみると比較的若い男女のふたり連れが多い。デートでラーメンかぁ、と思うのだが、今はそういう時代なのかもしれない。そうやってうろうろした挙げ句、老辺餃子店に入った。ここの餃子というのは焼き餃子ではなくて、中国本場の餃子、つまり蒸したものだ。でもひとりだとその餃子のメニューは帯に短し襷に長しという感じがして、刀削麺の焼きそばを頂いた。以前は刀削麺というのはあまり見かけなかったが、この10年ほどの間にずいぶん増えたように思う。いままでに頂いたことのない焼きそばで、たいへんけっこうだった。この店の中は店員さんたちが日本語を解すること以外はまるで中国で、たまにこういう新鮮な環境も楽しいと思う。

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