個展で販売した器の配達で田園調布へ行く。巣鴨から田園調布まで乗り換えなしで行くことができるのに気付き、なぜか不思議な気がした。多摩川駅で下車し、駅前の公園を突っ切る。面積に対しこれほど高低差のある公園は珍しいのではないだろうか。田園調布駅前ほどではないにしても、このあたりも敷地の大きな家が多く、区画整理の行き届いた街並は整然としているが、どことなく無機的な印象もある。もちろんそこに生活は存在するのだろうが、生気は失せつつあるように感じられるのはこの国のどの街にも共通した傾向なのかもしれない。
受け渡しを終えて多摩川駅から白金高輪に出る。Kif-Kifで自家製カレーライスと塩キャラメルプリンをいただく。メニューにも「自家製」とあるのだが、それを強調しなければならないほど所謂「カレー」とは印象を異にするものだ。カレーはインドが発祥の地なのだろうが、そこから日本に渡ってインドのカレーとは異なる様相の料理として定着している。逆に西へ伝播したものは、また別の様相を呈するものになって、たとえばフランスではこんなふうになったということなのだろうか。それともシェフの原さんが自分のイメージで創作したのだろうか。このあたりのことはいつか伺ってみたいと思っている。
以前にも書いたかもしれないが、ロンドンで生活していた頃、日本人の友人知人から「今、ロンドンで旨いものって何なの?」というようなことをよく尋ねられた。20年程前にマンチェスターで学生生活を送っていた頃に比べれば、イギリスの外食事情は大きく改善していると断言できるが、それでもロンドンの一押しということになるとインド料理というのが無難なところではないだろうか。イギリスでは、私は一人暮らししか経験がないので、複数で食べることを前提としている本格的な中華料理はあまり経験がない。家族で生活していた人ならば中華料理を「ロンドンの旨いもの」に挙げる人もいるかもしれない。いずれにしても、カレーは世界中の舌を魅了していると言ってよいだろう。
インドと一口に言っても日本の8.7倍の国土と9.4倍の人口を有している巨大な国だ。そもそも「インド料理」などと単純に括ることのできるようなものは存在しないのだが、敢えて都内に数多くある「インド料理」店の料理を「インド料理」と括ってしまえば、やはり世界のどこにいても「インド料理」の店は必ずと言ってよいほどに存在するのである。少なくとも、私が過去に訪れた22カ国・地域には存在していた。単にインドという広大な国の人々が、その広大な国にとどまらずに世界中に出かけていって活躍しているから、その料理も普及したということでもあるのだろうが、旨くなければこれほど広がることはないだろう。いつか「カレーライスについてのエトセトラ」のようなことを調べてみたいと思っている。
Kif-Kifで昼食をいただいた後、日比谷に出て、出光美術館で開催中の「琳派芸術 第一部 煌めく金の世界」を観てきた。今年は酒井抱一生誕250周年で、それを記念しての企画展だ。琳派の作品は華やかなので美術館のような大きな空間で観ると「美術品を見た」という気分に浸りやすいのだろう。会期終了間際とはいえ、これほど観覧客の多い出光美術館を経験するのは初めてだ。普段は1機のエレベーターだけで客を運んでいるのだが、今日は2機を使っていた。
出光美術館からは徒歩で職場へ向かう。自分のシフトまでには時間に余裕があったので、勤務先のビルに入居するテナント企業用のロビーで一服してから、出勤した。
受け渡しを終えて多摩川駅から白金高輪に出る。Kif-Kifで自家製カレーライスと塩キャラメルプリンをいただく。メニューにも「自家製」とあるのだが、それを強調しなければならないほど所謂「カレー」とは印象を異にするものだ。カレーはインドが発祥の地なのだろうが、そこから日本に渡ってインドのカレーとは異なる様相の料理として定着している。逆に西へ伝播したものは、また別の様相を呈するものになって、たとえばフランスではこんなふうになったということなのだろうか。それともシェフの原さんが自分のイメージで創作したのだろうか。このあたりのことはいつか伺ってみたいと思っている。
以前にも書いたかもしれないが、ロンドンで生活していた頃、日本人の友人知人から「今、ロンドンで旨いものって何なの?」というようなことをよく尋ねられた。20年程前にマンチェスターで学生生活を送っていた頃に比べれば、イギリスの外食事情は大きく改善していると断言できるが、それでもロンドンの一押しということになるとインド料理というのが無難なところではないだろうか。イギリスでは、私は一人暮らししか経験がないので、複数で食べることを前提としている本格的な中華料理はあまり経験がない。家族で生活していた人ならば中華料理を「ロンドンの旨いもの」に挙げる人もいるかもしれない。いずれにしても、カレーは世界中の舌を魅了していると言ってよいだろう。
インドと一口に言っても日本の8.7倍の国土と9.4倍の人口を有している巨大な国だ。そもそも「インド料理」などと単純に括ることのできるようなものは存在しないのだが、敢えて都内に数多くある「インド料理」店の料理を「インド料理」と括ってしまえば、やはり世界のどこにいても「インド料理」の店は必ずと言ってよいほどに存在するのである。少なくとも、私が過去に訪れた22カ国・地域には存在していた。単にインドという広大な国の人々が、その広大な国にとどまらずに世界中に出かけていって活躍しているから、その料理も普及したということでもあるのだろうが、旨くなければこれほど広がることはないだろう。いつか「カレーライスについてのエトセトラ」のようなことを調べてみたいと思っている。
Kif-Kifで昼食をいただいた後、日比谷に出て、出光美術館で開催中の「琳派芸術 第一部 煌めく金の世界」を観てきた。今年は酒井抱一生誕250周年で、それを記念しての企画展だ。琳派の作品は華やかなので美術館のような大きな空間で観ると「美術品を見た」という気分に浸りやすいのだろう。会期終了間際とはいえ、これほど観覧客の多い出光美術館を経験するのは初めてだ。普段は1機のエレベーターだけで客を運んでいるのだが、今日は2機を使っていた。
出光美術館からは徒歩で職場へ向かう。自分のシフトまでには時間に余裕があったので、勤務先のビルに入居するテナント企業用のロビーで一服してから、出勤した。