くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

食事会・オンタオ

2019年02月01日 | Weblog

■夕方ティン君の職場のスタッフが家に集まり宴会がはじまった。昨晩とほぼ同じ面々だ。職場はビンパーランド建設作業現場だから全員男だが、ベトナムは男も炊事をする。

なにせオンタオ(かまどの神)の炊事担当も男だ、オンタオの3人の神の内、1番の女性の神は商売担当、2番と3番の男の神は炊事、育児担当らしい。これはとてもベトナム的な話で昨年歴史研究会で大西先生の話を聞いて興味をもった。3人の神はいわゆる3角関係にあって元夫と再会した妻が現夫に会わせまいと藁の中に隠れさせるのだが知らずに現夫が火をつけ責任を感じた妻が火に飛び込み、驚いた現夫も火に飛び込み3人とも焼け死ぬ。それを天で見ていた神が3人の愛に感銘して3人はかまどの神になるという話。この神は旧暦元旦の1週間前(12月23日)その日は先日の1月29日にあたり、毎年その1年の吉凶を天に報告するために鯉を川に放したり(北部)冥器を燃やしたり(南部)することになっている。鯉が天に昇るのはこのことで「鯉のぼり」というのはこのことなのである。

奥さんも参加したが、男たちによってまるで我が家の台所のように料理を作るのは見事。ベトナムには伝統的に食事のテーブルというものはなくてフロアに男女が車座に座って食事するのだが胡坐で長時間はつかれる。バイチュンは北部の四角タイプだった。バイチュンは正月料理の代表で、餅米に具を入れ長時間蒸し草の葉で包んだもので、北部は四角で野球のベースみたいで、南部は円筒形と聞いているがこちらは見たことがない。北部では四角いバインチュンを米の字に糸で切って三角の片にして食べる。とてもおいしい。ほかの料理は普通の家庭料理で、、、つまり観光客が喜んで食べるフォーや春巻きとはちがって、日本人ならおいしいとは思わないだろうというもの。ぼくはようやくこの普通の料理を普通に食べることができるようになった。「塩味ベース」でなく「酸味ベース」の味に慣れてきた。つまり醤油から魚醤(ヌクマム、チャンプラ―)にテイストが移ったということ。

ベトナムに来て肉が嫌いになった。こちらの肉は内臓だったり、毛のついた皮や脂肪、骨や筋で、日本で食べる筋肉は見る影もない。日本食料理店でやっと久しぶりの「肉」に巡り合えるぐらいだ。スープにはどくだみなどの草の葉をちぎって入れる。香草というやつだ。

食事が始まり酒を飲むときは一人で勝手に飲めない。必ず乾杯して一遍に飲み干す。ヨ~・モッハイバー・モッハイバー・モッハイバー・ヨ~というわけだ(1,2,3、の意)。こちらも酒を飲み干すダンディズムみたいのがあるけど、決して無理強いしない点がやさしい。ティン君は気を使ってくれてもう飲まないように声をかけてくれる。本当は僕は柔道部以来飲まされる修羅場を踏んで絶対酔わない自信があるが、もう年だから少しはおとなしいところを見せたいと思ってほどほどにしている。思えば酔った経験はこの70になるまで2度しかない。学生の時2升のんで先輩宅でダウンした時と西安で40度の「西風酒」を飲んでついに意識を失ったときだけ。その前にトイレでいつでも吐いてしまうテクニックを身につけているから、、。基本的に酒が嫌いで弱い者のサバイバルテクニックだ。

宴会が終わり、日本とカタールのサッカー決勝で日本が負けたテレビをみて皆さん散会。バイクで帰っていくが、ここには飲酒運転は自己責任。だれも止める人はいない。

 

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