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BIG FARMの農事日誌です。

2022秋 眺望絶佳! 後立山連峰・針ノ木岳と蓮華岳を歩く(1)

2022-09-17 | 登山

針ノ木岳から黒部湖を前景に立山と剱岳
(画像クリック⇒拡大)
針ノ木岳から北に延びる後立山連峰、全部見えます


山行日 2022年9月15(木)、16(金)の両日。小屋泊まり
天気 両日とも快晴
山域 北アルプス・後立山連峰
メンバー 単独
コース&タイム
9月14日(水) 我孫子駅21:45=22:50新宿駅(西口26番臨時バス停)23:15(夜行バス)=

9月15日(木) 5:30扇沢6:10ー11:00針ノ木峠11:40ー12:50蓮華岳13:30-14:30針ノ木峠 針ノ木小屋(泊)

9月16日(金) 針ノ木小屋6:00ー7:00針ノ木岳8:10ー9:00針ノ木峠9:20-13:20扇沢13:30=14:05信濃大町駅14:38=15:38松本15:50(特急あずさ)=18:43新宿=19:44我孫子駅


<わたくしの好きな山登り

その眺望たるや絶佳、絶佳。その一言に尽きる。北アルプス・後立山連峰の針ノ木岳と蓮華岳を歩いてきた。北アルプスの中央部に位置している。北部と南部の山が見渡される。この展望は50年以上の登山人生で5本指に入る。圧倒され、見入ってしまった。繰り返す。すごかった。

山をやって半世紀以上が過ぎて来年は後期高齢者の仲間入り。それなのにかなり知名度があるこの山をこれまで歩いていなかった。全国の山は歩いてきたつもり。もちろんその数はたかが知れているものの、これほど有名な山を歩いていなかった。歩こうとしなかった。

後立山連峰は北の朝日岳から種池山荘まで歩いている。細切れに歩いてきた。一部の隙もなく実線でつながっている。それから先が歩いていない。すなわち針ノ木岳、船窪岳をへて烏帽子岳までの区間。しかしまったく歩こうという意欲がわかなく、今日まできてしまった。

この夏は、南への縦走をすこしでも進めようと7月下旬に扇沢を起点として針ノ木岳から種池山荘まで歩く予定でいた。毎日天気予報をチェック。しかし天候不順で歩くことなく夏が過ぎた。よほどあきらめきれなかったのか、それなら9月にと北アルプスの天気予報を毎日チェックしてきた。

その日がとうとうやってきた。9月13日の予報で15,16日の両日に晴れマークが出てきた。この2日間を逃してはいけないと、急ぎ準備した。

しかし縦走する意欲はとうに失せてしまい、針ノ木岳と蓮華岳をピストンすることにした。

針ノ木岳をめぐるコースの選択は3つあった。
1、後立山連峰の未踏区間(種池山荘から烏帽子岳)を歩く。
2、扇沢から雪渓を登り、針ノ木岳、スバリ岳を縦走し、種池山荘から下山する。
3、扇沢から針ノ木雪渓を往復する。

後立山連峰は縦走が楽しい。以前から2に決めていた。かみさんはすでに後立山連峰を完全縦走している。念のため蓮華岳から烏帽子山へのルートを尋ねると、「ひとりであるくのはやめたほうがいい」との意見。船窪岳と不動岳あたりは北アルプスでも難所のひとつと承知している。いまの老いた自分のバランス感覚もそうだが体力に自信がない。やめようと1の選択は早々と消えた。

9月13日の時点で、それまで歩こうとした2のコースも、どうもやる気がない。気がすすまない。弱気になっている自分がいた。それなら残された選択肢の3しかない。

結果的にこれでよかったのである。登りも下山もかなりばてた。ここまでバテバテになったのは久しく経験していない。両日の体調では、はたして2のコースを歩けたかどうか。

夜行バス利用の影響は否定できない。60を過ぎてからは、夜行バス利用の山行では必ず初日はばてた。それを承知しながら、日程短縮のため夜行バスを利用してきたが、さすがに後期高齢者まじかのジジイにはこたえるようだ。2日目にまで疲労を感じて歩く羽目になった。

雪渓が消えた針ノ木岳への登りはかなりきつかった。雪渓を歩くときとは倍以上の体力がいると、この春雪渓を歩いたという若者が言っていた。

いまの時季、雪渓がわずかに残っているが雪の上を歩くことなく登れる。“ノド”といわれる狭い谷の区間は雪渓が崩壊しているためロープと鎖で高巻く。

この山行の楽しみのひとつが針ノ木岳山頂から、黒部湖を前景にした立山と劔の眺め。写真ではイヤというほど見ていたが、この目で見たかったのである。

2日間とも快晴。全部見えました、というほどの眺めだった。天気をあきらめないで毎日予報をチェックしたてきた苦労が報われたのか。ヘロヘロにばてたが、それを上回る最高の眼福に恵まれた。


1日目(9月15日)
扇沢(標高1433m)ー針ノ木雪渓
ー針ノ木峠(同2536m)
ー蓮華岳(同2799m)

9月15日(木) 扇沢6:10ー11:00針ノ木峠11:40ー12:50蓮華岳13:30-14:30針ノ木峠 針ノ木小屋(泊)

針ノ木岳と蓮華岳をめぐる山行記はネットで見ると枚挙にいとまがない。記憶に残りそうな個所に絞って記すことにする。

前述したようにばてた。それでもヤマケイのコースタイム通り5時間ちょうどで針ノ木峠に着いた。かなりペースが落ちたと自覚していた。それがこのタイムできたのだからよしとしよう。ヘロヘロになりながら頑張った。しかし若者はここまで3時間から3時間半で来る。

6時に扇沢出発

登山口から仰ぐ針ノ木岳(左)とスバリ岳(右)。天気予報通り晴れた。素直にうれしい


このさき雪渓にでるまでは展望はなく、灌木のなかを歩く。たまに木の間から同じ展望が。

やっと雪渓の左岸にでてきた。上部に2か所の雪渓が見える。いまの時季、雪渓を歩くことはない

目の前に左岸から右岸へ渡る橋がある。8月に大雨で流され新たに取り付けた。激急だ。橋げたは濡れている。渡りおえてこわごわ振り返る(左が上流)

これからは右岸を歩く。いい天気になった。振り返ると北部の後立山連峰の山並みが見える。ご機嫌だ。

 

右岸をしばらく歩き、“ノド”という狭い谷が近くづくと、雪渓が崩壊して歩けないので、再び左岸にわたり高巻きする。ここにも小さな橋。わたり終えて振り返る。

この橋を渡るとすぐに高巻きコース。鎖とロープで登る。
高巻きのてっぺんから下をのぞく。

高巻きすると、またも左岸から右岸へ。最終水場がある。出発してから4時間。すでにばてている。冷たい水が気持ちがいい。あと一時間の頑張りだとわかっていても足取りは重い。
ここまでは水の心配はない。問題はこの先には水場がないこと。
きょうは蓮華岳まで歩く。それを考えてここで1500ccの水を確保した。暑い。相当汗をかいているから今日中にのみ干してしまうだろう。明日の水? 小屋泊りには1リットルの水のサービスがある。明日の針ノ木岳はその水が頼りだ。

最終水場を過ぎるとジグザクの急こう配。やっと峠が見えて、小屋の姿も。峠には6時に出発して11時についた。5時間かかった。ここまでの標高差は単純計算で1100m。それにしてはなんでここまで時間がかかるのか。この標高差なら3時間30分ほどで登れるのに。



小屋からの眺めが抜群だ。びっくりしてしまう。北アルプス南部の山々が遠近重なり、まるで絵巻物語のように横一線にずらりと並んでいる。左端の餓鬼岳から右端の赤牛岳まで、そのあいだに北アのスターがすべて顔をそろえたといった感じ。見事だ。

それに目の前には、後立山連峰の南部の山々が指呼の間に眺められる。蓮華岳から続く七倉山、船窪岳、不動岳、そしてこの連峰の南の端の烏帽子岳まで。

すぐに受付を済ませて、サブザックの軽身で蓮華岳にいく。軽いのはありがたい。すたすた歩ければいいのだが、すでにばてているからそうはいかないようだ。
それに10時40分ごろがら鹿島槍ケ岳あたりからしだいにガスがわきてきた。どんどん広がってきた。

11時40分、蓮華岳に向かう。

30分ほど登るとこんな風景。小屋と針ノ木岳とスバリ岳。

蓮華岳と見間違えしてしまいそうな最初のニセピーク。蓮華岳はここを越えてはじめて姿を見せてくれる。



蓮華の大下りの様子がよくわかる。

これが本物の蓮華岳。

山頂には少しずつ離れて、最初に神社、次に山頂標識、奥に三角点がある。だれもいない。石を積んで得意?のタイマー撮影。うまくいったほうだろう。

小屋までの下山中に太ももがけいれんしてきた。やっぱりきたか。いつものことだ。これで下りも思いのほか時間がかかってしまった。

今日の小屋泊まりは6人だった。いずれも年寄りばかり。若者は日帰り、縦走だって日帰りが多い。6人のなかでわたくしが最年長だった。70歳の単独の男性2人が同室。コースタイムを聞くとふたりとも小屋まで6時間かかったという。これほどきついとは思わなかったと、わたくしと同様の感想だった。暑さのせいか。

天気予報を見るとあしたも快晴だ。安心する。

夜中にけいれんが起きないよう、たっぷり水を飲んで寝た。でもやっぱりけいれんを起こした。痛いのなんのって。あわてて芍薬甘草湯を飲んだ。すっかり山の常備薬になっている。 

⇒2日目(9月16日)の針ノ木岳につづく。


      
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