これってなんなんだ。見たことのない風景を農家の畑で見た。茎が途中から切られている。すべてがそうなっている。近づいて見るとそれはオクラだった。
オクラを切り戻しているのである。オクラの切り戻しは、長年菜園をやっているがこの夏はじめて目にした。オクラをこうして育てている場面をはじめて見た。そうか、オクラもナスと同じく切り戻しをして更新しているのか。茎を切り戻して、茎の下の方から出てきたわき芽を伸ばしている。
オクラは、上へ順に実をつけていく。背が高くなる。それにしたがって下葉は落としていく。茎の下から新しいわき芽が出てくるが、これも生育に邪魔だからと取り除いていた。9月に入って気温が徐々に低下していくと、いつのまにか実をつけなくなる。これがこれまでの栽培法だった。
菜園のオクラは7月上旬から収穫が続いている。オクラを食べると翌朝は快便だ。山から帰ってくるとオクラを食べて腸を掃除することにしている。しかしいまのオクラは、ワタノメイガという虫が発生して食害され、葉は筒状に巻かれている。見た目が悪い。巻いた葉を開くとそこに必ずワタノメイガがいる。これをつぶしていく。しだいにつぶすのが面倒になる。
そこでわが菜園でも、切り戻しをやってみることにした。切り戻すのならもっと早く、暑い時期にやるべきだろう。これからやってはたして実をつけるのかと心配になる。オクラはもう十分に食べた。失敗したところ失うものはない。ここは思い切ってやるしかない。これがうまく行けば来夏に応用できる。何年やっていても、こんな発見が常にある。それを試す。ここが面白い。だから菜園はあきない。
切り戻したのは2週間前の8月中旬だ。追肥をたっぷりやった。いま新しい葉をひろげ、花が咲き実をつけてきた。わたしの経験からすれば、やはり時期が遅かったなと思う。もっと暑くないといけない。そのため花の数が少ないようだ。といいながら、どんな具合になるかいま観察しているところである。
追記
いや待てよ。気になったものだから畑に行ってオクラを見てきた。切り戻しの成果はあまり期待できないと思っていたのだが、上々の結果であった。切り戻して1回目にこれだけ取れた。合格だ。それに品質も格段によくなっている。切り戻すと品質が良くなる。やはり生まれ変わるからなのか。わたしも、とはいわない。