このブログは１８年目に入った。これまでアップした記事の数は３２８０本。駄文ばかりとはいえ、よくここまで書いてきたもんだと自分でも感心する。
長い年月、書き続けることができたのは、ひとえにネタにそれほども困らなかったのが一番に挙げられる。政治だ、経済だと大上段に構えて書くのはいいが、すぐにネタ不足になり、多くが一年足らずで“閉店”していくのが常だろうか。
このブログは菜園日記。日々の農作業を記す。菜園は１年周期だ。極論すれば１年ごとに同じことを書き続けているともいえる。だが、菜園は自然相手だから毎年ちがう。ここがポイントになる。だから飽きもせずこつこつと書き続けることができる。
ことしはいよいよ後期高齢者。書くことでいくらかボケ防止になるのではないかと、そのことがいまのわたくしを励ましている。
だが加齢には逆らえない。ボケてきたなと自覚する毎日だ。たとえばこのブログ記事を書いていて、この事項は念のため調べたほうがいいかなと、すぐに検索するのだが、その時点で何を検索するのかを忘れてしまうのだ。度忘れがひどくなった。検索しようとした言葉はすぐに思い出すのだが、こんなことがしょっちゅうある。ショックとまではいかないが、いささかに気になっていた。
もう一つある。山をやっているので、体力を少しでも保つため毎日ウォーキングに出る。歩道と車道の境となる白線のうえを歩くことがある。白線を踏み外さないよう意識して歩くのだが、たまに踏み外す。山だったら滑落ものである。ふらつき？ これも気になっていた。
そこで頭を検査してもらおうかと以前から思っていた。頭部ＭＲＩ検査は１４，５年前にやったきり。首から下は毎年きちんと検査しているのに、なぜか頭部だけは検査しない。ことしは後期高齢者になるから、このさいいちど検査するのもいいかなとかかりつけ医に相談して、検査専門の病院で頭部のＭＲＩ検査とあいなった。
検査時間は２０分。“トンネル”に入り、工事現場のような喧騒のなかに身を置く。
検査開始。２０分のあいだ、体を動かさないようにと言われている。思ったより短い時間なのでこれくらいなら我慢できるだろう。だがやってみなければわからない。すこし不安でもある。
目をつぶっている。体を動かしてはいけないから、しだいにこわばってくる。ここは我慢だ。ただ目をつぶっているだけでは、時間が長く感じられる。
そうだ、なにか楽しい思い出にしひたっていると時間が早く過ぎるかもしれない。そこで登山、温泉、酒場、女性といったこれまでの楽しい時を思い出すことにした。思い出はたっぷりあるから次々と懐かしい場面が出てくる。なかでも楽しくいい気分になったのは、美しいひととのスイートメモリー。閉所で検査しているのを忘れるほど。このじじい、いい気なもんだねといわれてしまうのだが、これからは楽しい思い出だって、年を経るごとに一つひとつフェードアウトしていくのだろう
さて検査結果はすぐにでもわかるのだが、なにも慌てることはないかと次の診察日まで待つことにした。
