佐々木 譲/北辰群盗録

佐々木 譲 著　「北辰群盗録 」を読みました。




明治二年、五稜郭開城。

それから五年、開拓が進みつつある北海道各地で、「共和国騎兵隊」を名乗る盗賊団が跋扈していた。

その首魁はかって五稜郭の戦いで降伏を伝える伝令として室蘭に行かされた兵頭俊作であった。

明治政府に対して「戦争は続いている」と主張する兵頭。

一方、榎本武揚の共和国に参加しながら破れ、東京でその日暮らしをしていた矢島従太郎は陸軍省の隅倉という男に傭われ、再び北海道の大地に足を降ろす。

その群盗の討伐に加わるのが、矢島に与えられた仕事だった。

兵頭と矢島は同じ五稜郭で闘った同志だった。

北の荒野で誇り高き男たちの戦いが幕を開ける・・・。


広大な原野を馬を駆って走り抜ける男たち。

駅馬車への襲撃。

原住民（アイヌ）の協力者。

酒場での殴り合い 。

荒野の追撃戦。

そして罠と裏切り。

仕上げは銃による決闘・・・。

これはまさしく、北海道を舞台にした西部劇 ！！

なるほど、こう云う時代背景と北海道と云う舞台が揃っていれば、

あながち作り話とはいえない真実味があります。

あくまでも理想を追い求める兵藤

冷静で現実的な追跡者となる矢島

男たちの胸躍るストーリーが、北海道で繰り広げられます。