「かすてぃら」を読みました。
年末の全国コンサートツアーの間隙を縫って病床の父を見舞う日々。
その脳裏に甦る、昭和三十年代、復興から笑顔が戻った長崎、十二歳でひとり上京した下町の人間模様―。
カステラの香りとバイオリンの調べに包まれた記憶の中心には、報われず、辛酸を舐め続けても底抜けの明るさで乗り切っていく、身勝手で傍迷惑で、それでも皆から愛された破天荒な父と、振り回され続けた家族の姿があった。
先日、前人未踏の4000回目のコンサート(武道館)を開催したさだまさしさん
一方で「「解夏」、「眉山」や「アントキのイノチ」など小説家としても才能を発揮されています。
本作はそんなさださんの自伝的実名小説です。
病床のお父さんと、さださん一家の歴史が交差しながらストーリーは進んでいきます。
あのさだまさしさんにこんな破天荒な生き方をしたお父さんがいたとは・・・。
型破りだけど情に厚く、どんな時でも明るく生き抜くお父さんの生きざまは昭和のノスタルジーを誘います。
駐禁を切られた腹いせに同じ警察官に駐禁の通報をしまくる話ややくざの借金取りとのやり取りは笑わせられました!
さだ家の歴史を綴ったやさしい家族の物語。
ラストのカステラのエピソードには思わずウルリ・・・。
NHK BSプレミアムでドラマ放映中。
この小説の満足度:☆☆☆☆
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