天願大介 著 「AIKI/アイキ」を読みました。
ボクシングの試合に勝った帰り道、太一はバイクの事故で下半身麻痺の身体になり車イスの生活になる。
絶望で自暴自棄になる太一だが、風のように生きる女・サマ子やテキ屋の親分・権水らと出会い、次第に明るさを取り戻していく。
そんな中、太一はある日、古武道の演武会で見た大東流合気柔術“AIKI”に興味を持つ。
車椅子のままで“AIKI”の修業を開始する太一。
師範・平石の“相手を拒絶するのではなく、まず受け入れなければ”という言葉に、太一の中で止まっていた“何か”が動き出した…。
実在のデンマーク人をモデルに、交通事故により下半身不随になった青年が合気柔術によって立ち直っていいく過程を描き、2002年に公開された映画を小説にしたものです。
事故で下肢に障害を持ち、なげやりな悲観的な気持ちでいた車椅子の青年が“AIKI”に出会い、それを通して現実を受け止め、前向きになることを学んでいく。
障害者の糞尿処理から性の問題までが赤裸々に描かれています。
リアルだけど重苦しくなく、エンターテインメント要素たっぷりに描かれています。