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@ kill time

見た!聞いた!読んだ!行った!食べた!
スポーツ観戦、映画鑑賞、旅行、読書、食べ歩き等の身近な話題を紹介します。

道尾秀介/カラスの親指

2012年10月02日 | 小説

道尾秀介 著 カラスの親指を読みました。



人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。

ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。

やがて同居人は増え、5人と1匹に。

「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。

各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは?


ヤミ金業者に人生を狂わされた主人公達が復讐の詐欺を企て実行して行く話です。

ドロドロした闇金の実態、ほんわかした仲間同士の同居生活、起死回生の大勝負!!

そして最後には読者をも欺く大どんでん返しが!

騙されて痛快!!

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重松清/カシオペアの丘で

2012年09月28日 | 小説

重松清 著 カシオペアの丘でを読みました。

 

丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった―。

肺の悪性腫瘍を告知された三十九歳の秋、俊介は二度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。

そこには、かつて傷つけてしまった友がいる。

初恋の人がいる。

「王」と呼ばれた祖父がいる。

満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪の物語が、静かに始まる・・・。

二十九年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。

幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。

消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。


久々に重松作品を読みました。

この前に読んだ「とんび」ではすっかり泣かされてしまいましたが果たして本作は・・・

上下巻合わせて、800ページ越えとかなりの長編です。

肺ガンで死を迎える幼馴染の一人を軸に話が進みます。

内容が内容だけに読み手のペースも上がりませんでした。


ちょっと話が暗いのと、廻りくど過ぎるかな~。

しかし、その暗い中に少しずつ光が見えてくる感じがいかにも重松作品らしい!

やっぱり最後には”ほっこり”と云う事で・・・。
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佐々木譲/ネプチューンの迷宮

2012年09月15日 | 小説

佐々木譲 著 ネプチューンの迷宮を読みました。



太平洋、赤道直下の小国ポーレア共和国。

良質のリン鉱石を産し、世界でも有数の裕福な国家だった。

しかし、その資源も枯渇寸前で、政情不安に陥っている。

そんな中、海中に沈むゼロ戦の引き揚げ作業でポーレアを訪れた日本人ダイバー宇佐美。

彼は友人の殺害をきっかけに、大統領派、クーデター派、そして某大国の思惑が絡み合う国際的陰謀に巻き込まれていく・・・。


740ページに及ぶ長編小説ですが、冒頭から一体これから何が起こるのかと期待感満載です。

いかにも現実に有り得そうな事件ですが、終着点がみえず、はらはらしながら最後まで読み切りました。

良質のサスペンス小説です。

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今野 敏/義珍の拳

2012年09月13日 | 小説

今野 敏 著 義珍の拳を読みました。



時は明治。

琉球の下級士族の家に生まれた富名腰義珍は、生来の病弱を克服するために門外不出の秘伝であった唐手を学びはじめる。

ひたすら同じ型を練り続ける日々の中で義珍の心身は強靱になり、修行にのめり込んでいく。

そして時は移り、教育者となった義珍は、唐手を青少年の育成に役立て、古伝の精神を本土に普及させることを決意する。

琉球秘伝の「唐手」を極め、本土に「空手」を伝えた男の生涯とは。


日本の本土に「空手」を普及させた船越義珍の一生を描くストーリー。

沖縄武士の秘技「唐手(トウーデイー)」が、時代の大きな流れの中で「体育(スポーツ)空手」として大衆に普及しながらその姿と質を変えていく様子が、切々と胸に響きます。

武道家のあるべき姿とは何なのか?

同じく沖縄から「手」を伝えに来た、『武士猿』本部朝基との対比も面白い。

空手をやる方のみならず伝統武道に興味がある方に勧め出来る良書です。

『武士猿』とセットで読む事をお勧めします。

 

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道尾秀介/ラットマン

2012年09月07日 | 小説

道尾秀介 著  「ラットマンを読みました。




高校時代から14年続いているアマチュアロックバンドが練習中のスタジオで遭遇した不可解な事件。

浮かび上がるメンバーの過去と現在、そして未来。

亡くすということ。

失うということ。


アマチュアロックバンドが練習中のスタジオで起こる殺人事件

さて、その犯人は・・・

バンドメンバーである主人公の痛ましい過去、複雑な家族関係、同じメンバーである姉妹の愛憎等々

静かな前半から事件後の畳み掛けるような展開が続きます。

犯人像も個々人の思い込みや勘違いから複雑に交差してしまう・・・。

そして、最後はどんでん返し的な結末!

ミステリーとしての面白さはもちろん、人間の悲しさ、愚かさ、そして優しさを読ませてくれます。

「ラットマン」という言葉の意味はこの作品を読んで感じて下さい。

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有川 浩/三匹のおっさん ふたたび

2012年09月05日 | 小説

有川 浩 著 三匹のおっさん ふたたびを読みました。




剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。

「還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬るあの三人が帰ってきた! 

書店万引き、不法投棄、お祭りの資金繰りなど、日本中に転がっている、身近だからこそ厄介な問題に、今回も三匹が立ち上がります。

ノリのお見合い話や、息子世代の活躍、キヨの孫・祐希とノリの娘・早苗の初々しいラブ要素も見逃せません。


「三匹のおっさん」の続編です。

定年を機に暇になったかつての幼馴染、悪がき三人組のおじさんが自警団を組み、ご近所の悪を退治する。

爽快感抜群の三匹のおっさんの活躍!

前作はこんな感じでしたが、本作はそんな三匹のおっさんの活躍ばかりではなく、彼らを取り巻く周囲の人たちにスポットが当てられています。

パートでの人間関係、しつけの悪い若い親、中高生の万引き、町内行事との関わり方などどれも身近にありそうな話ばかりです。

爽快な中に身近な現実への問題提起もあり、なかなか興味深い仕上がりとなっています。

それにしても有川さんの文章は読み易い!

又しても一気読みさせられました!

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今野敏/武士猿(ブサーザールー)

2012年08月16日 | 小説

今野敏 著 武士猿(ブサーザールー)を読みました。



廃藩置県後の沖縄。

本部朝基は、琉球王家の三男として育った。

幼い頃から長兄に「猿」とからかわれていた朝基は、王家に伝わる一子相伝の御殿手を習う兄に勝つため、手を始める。

糸州安恒、松茂良興作などに手ほどきを受けながら、辻に立ち「掛け試し」を重ねる朝基。

棒の使い手、女武士、巨漢の力士、示現流剣術の使い手らとの試合を通じ、朝基は手の本質に気がつき、腕を上げていく。

一方で、大和世になってから沖縄武士、沖縄人が誇りと自信を喪失しつつあるということにも気づく。

他流試合に対する批判を内外から受けながらも、唐手の実力を示すことで沖縄武士の誇りを取り戻そうと決意する朝基。

日露戦争後、事業に行き詰まった朝基は、出稼ぎのため大阪へ乗り込む。

目の当たりにしたのは、普及のため骨抜きになった唐手だった。

手の本質を伝えるべく、大阪から東京へ、朝基の挑戦が始まる・・・。


今野敏の格闘小説。

最強の沖縄空手家・本部朝基(もとぶちょうき)の若かりし頃の修行から晩年までが生き生きと描かれています。

現代のスポーツ化した空手ではなく、実践味溢れる古流空手の源流が判り大変興味深く読めました。

楽しみながら空手の本質を知ることのできる一冊でした。

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道尾 秀介/光

2012年08月06日 | 小説

道尾 秀介 著  を読みました。



都会から少し離れた山間の町で、小学四年生の利一が仲間とともに体験するいろいろなできごと。

真っ赤に染まった小川の水。湖から魚がいなくなった本当の理由と、人魚伝説。

洞窟の中、不意に襲いかかる怪異。

ホタルを、大切な人にもう一度見せること。

去っていく友人に、どうしても贈り物がしたかったこと。

誰にも言っていない将来の夢と、決死の大冒険―。


道尾版の「Stand By Me」です。

少年時代の懐かしい気持ちに戻ることができましたが・・・

Hさんの少年時代の方がもっと素朴だったね。

最後の「どんでん返し」がなかったのが少々物足りない。

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伊野上 裕伸/火の壁

2012年08月03日 | 小説

伊野上 裕伸 著 火の壁を読みました。



保険金狙いの放火は、証拠が燃えてしまうという点で、物的証拠に重点を置く今の裁判制度の盲点を突いた、憎むべき犯罪である。

保険調査員の相沢が調査を依頼された男は、5度、保険金を得ているだけでなく、先輩調査員の失踪にも関わりがあるとされていた…。


火災保険詐欺をテーマにしたミステリー小説です。

火災保険の調査員が明らかに怪しい人物をどう調査し、追い詰め、事実を突き止めるのか…。

一筋縄ではいかない男の調査はうまくいくのか?

そして失踪した先輩調査員の行方は?

地方都市を舞台にした面白いミステリーでした。

第13回サントリーミステリー大賞読者賞受賞作。

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スティーグ・ラーソン /ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士

2012年07月19日 | 小説

著 ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士を読みました。

 

宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせるが、自らも瀕死の状態に陥った。

だが、二人とも病院に送られ、一命を取りとめる。

この事件は、ザラチェンコと深い関係を持つ闇の組織・公安警察特別分析班の存在と、その秘密活動が明るみに出る危険性をもたらした。

危機感を募らせた元班長は班のメンバーを集め、秘密を守る計画を立案する。

その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた・・・。


遂に読み終わってしまった・・・。

いや~、面白い!!

第3部は第2部からの完全なる続編となっています。

旧ソ連からのスパイやその秘密を守ろうと闇の国家組織の暗躍・・・

そして舞台は法廷へ・・・。

怒涛の展開がこれでもかと押し寄せてくる!

スパイミステリーと法廷物を併せもつノンストップの面白さに最後の一文まで楽しめました。

海外小説は苦手でしたが、この作品にはどっぷりとはまりました!

読書好きの方は是非!

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