笹本稜平 著 「挑発―越境捜査― 」を読みました。
警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼は、パチンコ・パチスロ業界の雄、飛田を訪ねる。
7年前、殺人容疑で勾留中に死亡した飛田の従弟、川端の話を訊くために―。
従弟とは30年近く会っていないと言う飛田だが、飛田の秘書は鷺沼に告げる。
「7年前、飛田は川端に会っています」
ひとつの殺人事件を端緒に、次々と湧く黒い謎。
鷺沼と神奈川県警の宮野が再び手を組み真相を探るが、そこに立ちはだかるのは警察組織。
知りたいのは真実だけ―。
笹本作品を読むのは久しぶりです。
本作は越境調査のシリーズ第2作目ですが、Hさん1作目は読んでいません。
話の内容は独立しているので1作目を読んでいなくてもすんなり入り込む事が出来ました。
パチ・スロ業界と警察内部の癒着に切り込むストーリーで
捜査をしていく過程で新たな疑惑が次々と浮上してくる展開や、事件関係者、警察内部との駆け引きはそこそこ楽しめました。
如何せん、長かった!
この小説の満足度:☆☆☆
完全黙秘―警視庁公安部・青山望 」を読みました。
財務大臣が刺殺された。
犯人は完全黙秘。
身元不明のまま起訴される。
特命の極秘捜査にあたる警視庁公安部警部・青山望が突き当たったのは、政治家と暴力団、芸能界が絡み合う壮大な「戦後の闇」だった。
この著者の作品を読むのは本作が初めてです。
著者は警視庁警備部、公安部を歴任した経歴をもっているそうです。
その実体験もあってか、警察組織や捜査手法、情報戦の実態などがとても詳しく表現されています。
さらに政治、芸能、宗教など、様々な組織が複雑に絡み合うストーリーは非常にリアリティーがあります。
逆に情報が細かすぎて肝心のストーリーに入り込みづらいのが難点でした。
この小説の満足度:☆☆☆☆
佐々木譲 著 「犬どもの栄光」を読みました。
倶知安町郊外の古い廃工場の中、背中に強い衝撃を受けて関口啓子は倒れた。
気がついたとき一人の男が…。
その男は通称“丸秀”と呼ばれ、大工をしながらひっそりと生きている男だった。
“丸秀”とはいったい何者なのか?
関口の問いに何も語らない“丸秀”。
しかし、彼は何かを恐めている。
その恐れているものとは何なのか・・・。
北海道夕張市生まれで中標津町に在住する著者の作品は舞台が北海道である事が多い。
同じ北海道出身のHさんにとっては、その作品を読むたびに北海道の情景が思い浮かび楽しみの一つでもあります。
それにしても、本作の舞台となるのが倶知安町とは・・・
また、かなりマイナーな土地を舞台に選びましたね~!
北海道の人でもその地名を知らない人がいるような場所です。
そんな土地で過去を隠してひっそりと生きてきた男
たまたま訪れた詮索好きな女主人公によって男は封印した過去と対峙する事になる・・・・
迫りくる追手・・・
度重なる危機・・・
逃げるか、戦うか・・・
男が下した最後の決断とは・・・
序盤はスローペースで進みますが、追手が現われてからは一気に緊迫感が高まります!!
中盤からは疾走感がありラストまで一気読みでした。
この小説の満足度:☆☆☆☆
伊坂 幸太郎 著 「オー! ファーザー 」を読みました。
みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。
我が家は、六人家族で大変なんだ。
そんなのは珍しくない?
いや、そうじゃないんだ、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。
しかも、みんなどこか変わっていて・・・。
久々に伊坂作品を読みました。
普通の男子高校生の由紀夫。
しかし、由紀夫の家庭には母親1人と父親が何故か4人もいると云う何とも奇妙な設定です。
流石は伊坂ワールド! こんな設定、普通は思い付かないですよね!!
由紀夫を囲む父親たちは、大学教授で頭脳明晰な悟、直感で生きる生粋のギャンブラー鷹、中学の体育教師で格闘技に精通する勲、元ホストで女性の扱いに長ける葵。
父親4人それぞれがそれぞれの愛し方で息子の由紀夫に関わっている。
このシチュエーションだけで十分に面白いのに、さらにある出来事をきっかけに次々と奇妙な事件に巻き込まれていく・・・。
随所に散りばめられた伏線が最後にピタリと嵌るのが何とも小気味良い作品でした!!
2014年映画公開予定。
この小説の満足度:☆☆☆☆
百田尚樹 著 「海賊とよばれた男」を読みました。
「ならん、ひとりの馘首もならん!」--
異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、戦争でなにもかもを失い残ったのは借金のみ。
そのうえ大手石油会社から排斥され売る油もない。
しかし国岡商店は社員ひとりたりとも解雇せず、旧海軍の残油浚いなどで糊口をしのぎながら、逞しく再生していく。
20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。
その石油を武器に変えて世界と闘った男とは・・・。
百田尚樹氏の新作にして、2013年の本屋大賞を受賞した作品です。
本作は石油元売会社「出光興産」の創業者・出光佐三の自伝的小説で、登場する男たちは全て実在した人物と云う事です。
混沌とした戦後の日本の中で日本人としての誇りを持ち、社員の為に、国の為に、どんな圧力にも屈せず不屈の精神で己の信念を貫き通した主人公。
フィクションかと思うほどの波乱万丈の生き方に、ただただ感服です。
上下2巻の長編ながらグイグイと読ませられました。
やっぱり百田作品は面白い!!
この小説の満足度:☆☆☆☆☆
横関 大 著 「再開」を読みました。
小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。
23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。
わかっていることは一つだけ。
四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。
繋がった過去と現在の事件の真相とは・・・。
第56回江戸川乱歩賞受賞作ということで読んでみました。
男女四人の幼馴染に共通した憎むべき人間がいて何者かによって銃殺される。
使われた銃は23年前に殉職した警官のもので、実は4人がタイムカプセルに隠したものだったー。
オーソドックスなストーリー運びで斬新なトリックはありませんが、そこそこ楽しめました。
この小説の満足度:☆☆☆
ロスジェネの逆襲」を読みました。
ときは2004年。
銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。
そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。
アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。
ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。
責任を問われて窮地に陥った半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。
『半沢直樹』シリーズの第3弾です。
今回は子会社へ出向させられた半沢がIT企業の買収に絡んで、こともあろうに親会社である銀行と勝負するストーリーです。
バブル崩壊後に入社した若いロストジェネレーション世代が半沢と共闘します。
バブル世代に入社した先輩社員に反感を持っていた若手社員が
半沢と一緒に仕事をしていく中で本当の会社人としてのあるべき姿を見出してゆく過程が清々しい!
さらに、半沢は一体どうやって親会社の銀行に倍返しをするのか・・・
その銀行からの出向社員としての半沢の立場はどうなるのか・・・
怒濤の展開にラストまで一気読みでした!!
半沢直樹シリーズの中でも最高傑作です!!
これもドラマ化したら絶対に受けますね~!!
この小説の満足度:☆☆☆☆☆
狂犬」を読みました。
警視庁強行犯担当・神条俊輔は自分の妻子を殺した銀行強盗の永倉を7年間、追い続けている。
復讐に燃 える神条は、その非情な逮捕手口から裏社会では「狂犬」と恐れられている。
そして永倉一味が沖縄にいると の情報を得た神条は……。
「もぐら」シリーズですっかり著者のファンになりました。
本作は10年前の作品に大幅に加筆修正を加えた復刊版との事です。
随所に登場するバトルシーンは「もぐら」以上にハードで期待を裏切らない面白さ!
ちょっとやり過ぎかも・・・
単純明快なストーリーは読み易くアッと云う間に読了です!!
この小説の満足度:☆☆☆☆