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見た!聞いた!読んだ!行った!食べた!
スポーツ観戦、映画鑑賞、旅行、読書、食べ歩き等の身近な話題を紹介します。

古典・名作を読むシリーズ・・・源頼朝・上杉謙信・剣の四君子

2020年03月19日 | 小説

山本周五郎作品の次は同じ時代物つながりで吉川英二作品を読む事にしました。

宮本武蔵は遠い昔に読みましたが、それ以外の作品はどれも大作が多いです。

取り敢えず、比較的短い作品から読み始めますか!

まずは「源頼朝」です。


 
全2巻。

頼朝だけでなく、平清盛、源義経など、おなじみの人物のエピソードも豊富に描かれていて、中々楽しめました。


「上杉謙信」



武田信玄との一騎打ちがあった川中島の合戦(第四次)を軸に、合戦前からの両雄の心理戦が見事に描かれています。

なぜ謙信は単身で信玄の本陣を急襲する作戦を選んだのか・・・

成る程~!  この本を読んで、謎は解けた!!


「剣の四君子」



柳生石舟斎、林崎甚助、高橋泥舟、御子神典膳。

剣豪四人、それぞれの生き様を描いた短編集です。

宮本武蔵とは違う武芸の道を探求した四人のエピソードが面白い!!

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古典・名作を読むシリーズ・・・樅ノ木は残った・赤ひげ診療譚・日本婦道記

2020年03月03日 | 小説

山本周五郎作品の読書も継続です。

「樅ノ木は残った」



江戸時代。

仙台藩伊達家の乗っ取りを企む伊達兵部と大名の弱体化を狙う幕府の重鎮酒井雅楽頭(酒井忠清)。

張り巡らされた罠をかいくぐり、困難な状況のなか活路を見いだそうとする原田甲斐だったが・・・。


大河ドラマで放映されていましたが、大昔過ぎてそのストーリーは覚えていないです。

登場人物が多いのと、同じ人物なのに呼び方を違うので、誰が誰やら最初は戸惑いました。

また、物語の展開がゆっくりなので、こりゃ~完読は難しいかもと思いましたが、読み進める内に徐々に嵌りました。

自らを犠牲にして藩を救った原田甲斐はまさしく忠臣です!!

が・・・その家族は辛いね~!

「赤ひげ診療譚」

幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の“赤ひげ”とよばれる医長・新出去定の元、医員の見習勤務を命ぜられる。

不本意な登は赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく・・・。


この作品も映画やTVドラマになっていますが、原作を読むのは初めてです。

連作短編集(8話)なので、さくさく読めました。

時代物らしい人情噺と若き見習い医師・保本登の成長してゆく姿にホッコリです。


「日本婦道記」



こちらも江戸時代の武家の女性たちを主人公とするの連作短編集(11話)です。

いずれも厳しい武家社会の中で慎ましくも誇り高く生き抜いた女性の物語。

どの話も心にグッとくるものばかりでした。 

第17回直木賞受賞&辞退作。




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古典・名作を読むシリーズ・・・さぶ・雨あがる・いさましい話・おばな沢・おれの女房・菊屋敷

2020年02月15日 | 小説

山本周五郎

「さぶ」


江戸下町の経師屋、芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶ。

栄二は、ある日、得意先で金貨泥棒の濡れ衣を着せられ、ならず者の吹きだまりのような人足寄せ場に追いやられる。

我が身の不遇を嘆き、心を閉ざす栄二だったが・・・


どん底の生活の中で人との繋がりの大切さに気付き、徐々に大人として成長してゆく栄二の姿に感動です!

しかし、タイトルは「さぶ」・・・なぜ?

「さぶ」は”サブ”なのか?

その答えはラストで明らかになります。

流石は山本周五郎!!


「雨あがる」


安宿で妻と暮らす浪人の伊兵衛は、学問から武芸まで器用にこなす。

だが、優しすぎる性分ゆえ、仕官が決まりかけては立ち消えになる日々が続いていた。

ある日、喧嘩の仲裁で見せた刀の腕前が藩の老職の目に留まる・・・。


人は何のため、誰のために生きているのか・・・

優しくてどこか切ない物語

黒澤明監督が映画化された理由が判ります。


その他の短編

「いさましい話」・「おばな沢」・「おれの女房」・「菊屋敷」

どの物語もラストは胸がほっこりします。

いいな~! 山本周五郎!!


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古典・名作を読むシリーズ・・・花と龍・糞尿譚・人魚・ゲテ魚好き

2020年02月01日 | 小説

火野葦平

「花と龍」

明治の終り、故郷を追われ北九州若松港に流れてきた男と女。

男は玉井金五郎、女はマン。

二人は最下層の荷役労働者となり、度胸と義侠心で荒くれ男を束ね、波止場の暴力と闘う。

男の胸の彫青は昇り龍に菊の花。

原作は何度も映画化されて、Hさんも観た記憶があります。

印象として、所謂、”任侠物”だと思っていましたが、壮大な家族の物語でした。

しかもその家族とは作者とその両親でした!!

多少の脚色はあるようですが、実在した人物が実名で描かれています。

ヤクザに負けない堅気の沖仲仕組合結成の功労者となった夫婦の物語。

そして、その血を受け継いだ息子の物語。

いやいや、面白かった!!

 

「糞尿譚」

糞尿汲取業を営む彦九郎。

先祖代々の田畑や家屋敷を売り、家にもほとんど帰らず、汲取料を集金するにもひと苦労。

汲取料を上げるべく組合を作ろうとするが・・・。


全編、糞尿の臭いが漂う作品でした。

Hさんの田舎はいまだに”ぼっとん便所”ですから、この手の話は良く判りますね~!!

何を隠そう、子供の頃には裏の畑の中にあった肥溜めに落ちた経験もありますので!!

ラストに彦九郎が怒りを爆発させる場面は壮絶です!!

この小説もかって映画化されたそうですが、今の時代では絶対に無理ですね。

第六回芥川賞受賞作品。

「人魚」

河童が美しい人魚を見つけてうっとりと見つめるうちに、人魚の生き物としての部分まで見てしまい幻滅してしまう。


想像と現実はまったく違うと云う事ですね!


「ゲテ魚好き」

ちょっと見た目の変わった魚の釣に関して面白おかしく綴った一編。


河豚やドンコやイイダコ・・・今じゃ、いずれも人気の食材です!!

 

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古典・名作を読むシリーズ・・・・フランダースの犬・小公女・奇巌城

2020年01月21日 | 小説

菊池寛の児童向け翻訳作品を読んでみました。

「フランダースの犬」



イギリスの作家ウィーダが19世紀に書いた児童文学。

1970年代にTVアニメにもなりましたが放映された当時は良く観ていません。

しかし、最後のシーンは有名でその後のTVアニメ特集で良く目にしました。

と云う事で、今回最初から、ちゃんと読んでみました。

舞台は19世紀のベルギー北部のフラーンデーレン地方。

貧しい少年ネロと犬のパトラッシュの友情を描いた物語ですが、絵画がテーマだったとは・・・

アントワープの聖母大聖堂に行ってみたくなりました!!

 

「小公女」

アメリカの小説家フランシス・ホジソン・ バーネットによる、児童文学作品。

こちらもTVアニメで放映されました。

当然、当時は観ていません。

セエラは幸福に育てられたがある日、一夜にして境遇が一変してしまうことになる・・・。


人生色々な事があるけど、気持ちの持ち方一つで楽しく過ごせますと云う見本ですね!

 

「奇巌城」


さる伯爵の館で起こる殺人と強盗、怪盗アルセーヌ・ルパンの匂いをかぎつけた少年探偵イジドール・ボートルレがその跡を追う・・・。


これは遠い昔に読んだかも?

今読んでもハラハラ、ワクワクの展開でした!


何歳になって読んでも、やっぱり名作です!!

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古典・名作を読むシリーズ・・・痴人の愛・刺青・濹東綺譚・すみだ川

2020年01月17日 | 小説

谷崎潤一郎

「痴人の愛」


28歳独身のサラリーマン、譲治が浅草のカフェで給仕をしていた15歳の美少女、ナオミを引き取って理想の妻に育て上げようとするが・・・

長い割には中身は余りない・・・

現代でもよくある話でした。



「刺青」


刺青師の清吉が刺青を彫る対象としての理想の肌を持つ少女を見つける。

半ば強制的にその少女の肌に彫り物を施す清吉。

刺青を彫られた少女が清吉に向かって言った言葉とは・・・


サディスティックVSマゾヒスティック

最後はマゾヒスティックの勝ちでした。



永井荷風

「濹東綺譚」


取材のために訪れた向島・玉の井の私娼窟で小説家大江匡はお雪という女に出会い、やがて足繁く通うようになる・・・。

昭和10年代の隅田川の東側・向島や玉の井界隈の情景の描写が美しいです。

読んでいるうちに、その界隈を散策したくなりました。


「すみだ川」


お豊には、大学を出し月給取りにさせたいと思う中学の長吉という息子がいた。

しかし、長吉は幼馴染のお糸が芸者になり自分から身も心も離れていくのを感じて悩んでいた・・・。

ほんのり哀しい初恋の話です。

こう言うのがいいね~!!

こちらも隅田川に架かる橋の風景が浮かんできます。

谷崎潤一郎 VS 永井荷風

Hさんは・・・断然、”永井荷風” 押しです!!

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古典・名作を読むシリーズ・・・菊池寛の短編

2020年01月12日 | 小説

菊池寛の短編はどれも内容が濃くて外れなしでした。

「藤十郎の恋」

元禄時代の京都。座長の坂田藤十郎は人妻との道ならぬ恋の演出に詰まっていた。そこで、他人の女房に偽りの恋をしかけ、その仕草を学ぼうとするが・・・。

衝撃の結末でした! そう来たか!!

 

「入れ札」

国定忠治が赤城山から信州に落ち延びる際のこと。

手下十一人全員を連れていくわけにはいかない。

三人の手下を選ぶことになった。

誰を選ぶか、手下たちの投票(入れ札)で決めることになるが・・・。

 

人間の心理の妙が上手く表現されています。

 

「形」

中村新兵衛は、槍の達人で、身につけている陣羽織と兜を見ただけで敵が恐れおののくほどであった。

新兵衛は、初陣に出る若武者から彼の陣羽織と兜を貸すように頼まれる。

翌日の戦いで、新兵衛から借りた陣羽織と兜を身につけた若武者は、大きな手柄を立てる。

新兵衛は、その日は、いつもと違う“形”をしていた為に・・・


やっぱり、人は見た目も大事だよな〜!

 

「極楽」

京師室町姉小路下る染物悉皆商近江屋宗兵衛の老母おかんは亡くなって極楽に行った。

そこで先に亡くなっていた夫と出遇い様々な話をするが、やがて、その暮らしにも飽きてくる・・・。

憧れの極楽へ来たまでは良かったのですが、何の変化もない日々が何十年何百年、未来永劫続くとなると、こんな気持ちになるかも。

ブラックユーモア的でこれも良い話でした。

 

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古典・名作を読むシリーズ・・・五重塔・蒲生氏郷・生まれいずる悩み・隣の嫁・春の潮

2019年12月28日 | 小説

幸田露伴

「五重塔」


技量はありながらも小才の利かぬ性格のため、「のっそり」とあだ名される宮大工・十兵衛が、義理も人情も捨て、谷中感応寺の五重塔を建立するまでが描かれています。

江戸っ子らしい職人気質。 その頑固さがいいですね~。

親方と弟子。 義理と人情。

夢を譲れぬ男の意気込みが伝わります。

ラストの嵐の場面は職人のプライドが溢れます。



「蒲生氏郷」


織田信長の寵臣で豊臣秀吉が徳川家康よりも恐れた武将・蒲生氏郷。

東北で伊達政宗との間に繰り広げられる心理戦はなかなかスリリングでした。


有島武郎 「生まれいずる悩み」

舞台は北海道の岩内町。

画家になる夢を持ちながらも生活の為に泣く泣く漁師の道を歩まざるを得なかった男の葛藤が描かれています。

冬の北海道。ふくすさぶ風雪。荒れ狂う海。

大自然と闘う海の男達の描写は圧巻です。

モデルは北海道・岩内町に生まれた漁夫画家・木田金次郎です。

伊藤左千夫 「隣の嫁」


千葉県成東地方の農村を舞台に学生でのんびり屋の省作と不幸な結婚をした隣の嫁おとよとの淡い恋の成り行きが描かれています。

「野菊の墓」に似ていますが、こちらも面白かった!

「春の潮」

「隣の嫁」の続編です。

おとよも省作もバツイチとなり、互いにずっと持ち続けていた恋心がようやく実るかと思いきや・・・

その前に立ちはだかるのはおとよの父・・・なかなか厄介です。

昔の田園風景が思い浮かびます。

ラストも泣かせます。

年の瀬にこんな話もいいですね〜!

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古典・名作を読むシリーズ・・・高瀬舟・山椒大夫・雁・野菊の墓

2019年12月22日 | 小説

森鴎外

「高瀬舟」



罪人を運ぶ「高瀬舟」の上での罪人と監視人のやり取りが描かれています。

自殺したものの死にきれなかった弟から懇願されて引導を渡した兄の気持ちは・・・

安楽死とは・・・幸せとは・・・

永遠の課題ですね。

「山椒大夫」



「安寿と厨子王」の切ない物語。

幾つになっても、ラストの唄

「安寿恋しや、ほーやれほ。厨子王恋しや、ほーやれほ。」

は感動します。

 

「雁」

舞台は上野不忍池から東大に向かう通り「無縁坂」付近。

人生、ちょっとした出来事で運命が大きく変わる・・・。

それが「雁」(がん)だったとは・・・。

 

「阿部一族」



肥後藩主・細川忠利の死後、阿部弥一右衛門が許可なく殉死したことから最終的に上意討ちで一族全滅に至るまでを描いた歴史小説。

お家の為、家族の為、名誉の為・・・

かくして、武士は死んで行く・・・

伊藤左千夫「野菊の墓」

15歳の少年・斎藤政夫と2歳年上の従姉・民子の間に可憐な恋が芽生えるが、やがて悲しい別れの日がやってくる・・・。

純粋で淡く切ない初恋の物語。

遠い昔を思い出しました。

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古典・名作を読むシリーズ・・・父帰る・真珠婦人・恩讐の彼方に・白痴・・・

2019年12月13日 | 小説

古典・名作と言われるだけあってどれもなかなか面白いですね~!

古い文体や旧漢字など意味を推測しながら読むのもまた楽しです。

菊池寛 

「父帰る」


幼い子供3人を残して失踪してしまった父

母子は苦労を重ねて、現在はようやく中流の家庭を築いている。

そこへ20年ぶりに父が帰ってくる・・・


短い戯曲なのですぐに読み終わりました。

父を巡って繰り広げられる人間模様が深いです。

ラストは如何にも演劇といった感じでした。


 
「真珠婦人」


男尊女卑の時代に復讐のために結婚し、処女のまま未亡人となった美貌の瑠璃子。

操を守り通しながら多くの男たちを翻弄し続ける・・・。


今回読んだ中では一番面白かった!!

結構な長編ですが、展開がドラマチックで面白いです。

登場人物の心理描写がよく伝わりました。

単なる男女の愛憎や復讐の物語で終わるのではなく、さらにオチがあるのが秀逸です!



「恩讐の彼方に」


主君殺しの大罪を犯した市九郎は逃亡し、やがて出家して諸国を放浪していた。

一方、殺された主君の子である実之助は長い仇討の旅の末、市九郎を洞窟で発見するのだが・・・。


九州・耶馬渓の青の洞門の実話を基にした作品。

短編であっという間に読了です。

これもストーリーが良いです!

 

菊池寛(訳) 「イワンの馬鹿」


文豪トルストイの翻訳本です。

 お金・力 VS 無欲

幸福とは・・・

なかなか、深いです。



坂口安吾 「白痴」


映画会社に務める伊沢は、豚と家鴨が同居する珍妙な下宿に住んでいる。

そのとなりに住む白痴の女が突如部屋に現れたことから、彼の生活が変った・・・。


「堕落論」に続いて読みました。

白痴の女と空襲で焼かれた街を逃げまどう描写が圧倒的でした。



有島武夫 「カインの末裔」


開拓当時の北海道。

羊蹄山のふもとが舞台。

人間の前に立ちはだかる自然の猛威。

そんな環境のもと粗野で野生的な主人公の生き様が描かれています。

読みごたえがありました。


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