草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句(大根)/龍峰

2009-11-25 | Weblog
今月の句会は「大根」と「柊の花」が兼題であった。大根は色々句が出たが柊は意外と難しかった。句会の前日京都の嵯峨野を散策。落柿舎を訪れたところ、前の田んぼに立派な大根が作られており、最後の一句を作ることが出来た。写真は落柿舎とその前の田んぼの大根。

  落柿舎の前に大根育ちをり
  軒深し鍋の大根狐いろ
  日の暮れて大根の香の家に満ち

  娘(こ)の炊きし大根味の深まり来
  柊の花こぼれをり小さき罪

翌々日俳句の皆さんと信貴山へ吟行。天候と仲間に恵まれ、和やかな内にちょっぴり緊張感もある(10句投句)充実した1日であった。境内には古刹の他に樹齢1500年の榧の木や珍種の公孫樹があり、句材は豊富であった。

  本堂へ献灯並ぶ冬の坂
  大寅の大口やさし小春空
  冬の日や古木のにほい寅の絵馬

  山上の冷気圧する経の声
  榧の木の無言の光陰冬うらら

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15 コメント

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好きな句 (さゆり)
2009-11-26 09:38:26
☆落柿舎の前に大根育ちをり
☆娘(こ)の炊きし大根味の深まり来
 「落柿舎の前」が素敵だと思います。そこら辺りの畑ではないところが、素晴らしいと思いました。
 お嬢さんの大根の炊き方がだんだん上手くなっていく様子。父親のやさしい、少し親ばかも入っている感じがとても良いと思いました。

☆冬の日や古木のにほい寅の絵馬
 「古木のにほい」がすばらしいです。確かに古い絵馬が、かかっておりました。吟行会では、大活躍でしたね。

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初冬の空気 (フェニックス)
2009-11-26 12:36:14
龍峰さま

どのお句も今の初冬の空気を詠まれた素晴らしいお句だと思います。嵯峨野、信貴山と、日本的な文化を味わうのに大変いい地をいい季節に吟行され、句会にも参加されてとても幸福な時を過ごされたようですね。海外詠とはまた違う日本的な情緒が感じられて共感致します

印象に残ったお句について。

☆落柿舎の前に大根育ちをり
 落柿舎は去来の草庵だった所で、その名の通り柿の木が多くあるそうですね。私は訪れたことがありませんが、友人から鮮やかな朱塗りの可愛い柿の土鈴をお土産に貰ったことがあります。その前に広がる大根畑、龍峰さまは新鮮に感じられたことでしょう。聖護院大根でしょうか?

☆娘(こ)の炊きし大根味の深まり来
 段々料理の腕を上げられているお嬢様への思いが伺えて微笑ましいですね。
  
☆柊の花こぼれをり小さき罪
 柊にも色々な種類があるようですね。我が狭庭の小さい柊の花もぼちぼち咲き出しましたが、まだ零れるまでには到っていません。最後の「小さき罪」から、キリスト教との関係を思います。昨年まで勤務していた職場では柊の葉(かなり大きい)でクリスマスのリースを作っていました。葉に棘があるので、手袋をして苦労して作っている様子を見ましたが、毎年、二つ三つ作り、チャペルと正面玄関に飾っていました。よく分りませんが、柊は北国の花なので、北欧のキリスト教の習慣から伝わってきたのかもしれませんね。

☆本堂へ献灯並ぶ冬の坂
 信貴山のどちらかのお寺への景ですか?御献灯が続く本堂への坂道。夜になれば、灯が点されて幻想的な雰囲気になるのでしょうね。
  
☆大寅の大口やさし小春空
 九厘さまのユーモラスなお写真を思い出します。

☆冬の日や古木のにほい寅の絵馬
 明るい小春の日に匂う古木。何の木だったのでしょう?それに来年の絵馬がもう掛けられている。平和そのものの雰囲気だと思います。

☆山上の冷気圧する経の声
 凛とした山上の空気に響く元気な朝の(?)読経の声。その大きな声に圧倒されたお気持ちが伺えます。
  
 大変楽しませて頂き、有難うございましたた。
 

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好きな句 (ゆらぎ)
2009-11-26 21:21:45
娘(こ)の炊きし大根味の深まり来
ーお嬢さんの料理をされる味もだんだん深まってこられたのですね。父親の、そこはかとない愛情がにじみでています。

冬の日や古木のにほい寅の絵馬
ー吟行と紅葉を楽しまれてよかったですね。この句は、その光景が浮かびあたってくるようで好きな句です。
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お礼 (龍峰)
2009-11-26 22:51:54
さゆり 様

3句も取りあげて頂き、丁寧なご感想有り難う御座います。
落柿舎の句は自分では正直あまり良いとは思わず、これは単純な写生句だなと思っておりました。娘の大根の句は少し照れます。

冬の日やの句はあの立派な古い絵馬を詠みたいものと見た瞬間思いました。
どうも有り難う御座いました。
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お礼 (龍峰)
2009-11-26 23:15:53
フェニックス 様

6句も取りあげて頂き、それぞれに丁寧なコメントを頂き、有り難う御座います。
落柿舎は俳句を作る人にとっては一つの聖地のように思います。機会あれば是非訪れられることをお祈りします。大根は普通の青首でした。
娘の大根はやはり親ばかなんでしょうか。
柊と言えばクリスマスのリースを思いだし、棘があることより、懺悔から罪となった次第です。仰せのように柊は北国から来たのかも知れません。
信貴山の境内の中のどのお堂への道にも両側に献灯がたっておりました。帰る頃には灯りが入っておりました。
ここの大寅はユーモラスでした。
古いお堂の欄間にかけられている絵馬は古い大きな年代物でして、それぞれ立派な虎の彫り物でした。木は正確には分かりませんが、樫の木のような外観でした。しかし、彫るにはかたすぎるでしょう。
山上のお堂で挙げられるお経は四方に響き渡る大きな声(マイクが付いている)で、毘沙門天様のご利益を思わず感じるものでした。
どうも有り難う御座いました。
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すきな句 (九分九厘)
2009-11-26 23:22:26
落柿舎の前に大根育ちをり
句会でも頂戴しましたが、写真の風景も俳句の景も、半世紀前と変わりませんね。この句の季語がちょっと泥臭くてとても似合っております。

大寅の大口やさし小春空
 これも句会で頂戴しました。信貴山に到着した最初の印象が、この通りのものでした。秋と冬の狭間の素晴らしい一日でしたね!

榧の木の無言の光陰冬うらら
 この句ががぜん光ってきました。あの千五百年にななる古木を見たものでないと、この感激は味わえません。
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お礼 (龍峰)
2009-11-26 23:22:44
ゆらぎ 様

2句も取りあげて頂き有り難う御座いました。娘の大根は自分でも余り考えずに、そう言えば最近味が出てきたかなと言う程度です。
信貴山はまだ行かれていなかったら一度行かれることをお勧めします。日本の古い信仰が今に脈々と伝わるエネルギー溢れる山です。
どうも有り難う御座いました。
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好きな句ほか、コメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2009-11-26 23:27:25
龍峰様
先日の信貴山吟行はお疲れさまでした。曇り空との予報に反して、穏やかな秋晴れの日で皆様と一緒に大変有意義な一日でした。有難うございました。

☆落柿舎の前に大根育ちをり
偶然ですが、小生も11月18日(水)に落柿舎を訪れました。東京の俳句の知人7名が、一昨年より中山道を吟行行脚していまして、今年11月17日(火)に第21回目、延べ43日で京都京阪三条似到着しました。小生は新聞社に取材を依頼し、翌日の京都新聞、読売新聞の朝刊に載りました。そして、翌日は嵐山界隈を案内しましたが、青々とした大根畑のほかに、今だにコスモスが満開でした。東京の連中は、「空気が綺麗だからでしょうね」と驚いていました。
ともあれ、御句に今年、新装になった(と言っても、藁屋根ですが)落舎の鄙びた光景と前にある大根畑が脳裏に鮮やかによみがえりました。

☆柊の花こぼれをり小さき罪
柊の花は、金木犀ほどたおやかな香りではありませんが、その微かな香りは純真な乙女のような素敵な香りですね!。柊は日本では魔除けとして「目刺し」を刺したりしますが、キリスト教ではクリスマスツリーの飾りの木として使われます。摂理を変えないキリスト教の教えのように、色を変えない常緑が尊ばれているようです。御句に、柊の小さくて沢山の棘と、自身では気が付かないキリスト教の宗教上の小さい罪とが、微妙な巧みさを醸し出していて、素敵な句です。

☆山上の冷気圧する経の声
下から登る参道からすでに、本堂で行われている、加持祈祷のお経の声がまるで雄叫びのように聞こえていましたね!。小生も大変驚きました。古刹にある特有の冷気「冷気圧する」との措辞に全く共感します。

☆榧の木の無言の光陰冬うらら
注連縄が張ってあり、大人三人が手を回しても足りないほどの巨木は、何しろ樹齢1500年とかで小生も驚きました。榧の木は木目が詰まっていて、碁盤ほか木工細工品によく利用されるそうですが、成長が遅く林業としては中々採算があわず、余り見た事がありません。御句に、穏やかな小春日和の中、神々しく立ち上がり、悠久の時の流れを「無言の光陰」との措辞素晴らしく効果的で、これは秀句ですね!。
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お礼 (龍峰)
2009-11-26 23:31:48
九分九厘 様

3句も取りあげて頂き有り難う御座います。
落柿舎の句は自分で作りながらも、自分で出来映えがよく分かりません。信貴山は大変楽しく、短時間で10句作る程よい緊張感がよかったですね。又是非機会を持ちたいものです。
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お詫びと訂正 (かつらたろう(桑本栄太郎))
2009-11-26 23:36:11
龍峰様
一句目のコメントの記述の中に、「落柿舎」とすべき所、「落舎」となっていて「柿」が落ちていました。・・??・・すみません、これは本当なのです。
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