草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / 小春日 (九分九厘)

2009-11-22 | Weblog

紅葉散る行者の声に驚きて
底冷えの池に鯉見ゆ信貴の山
信貴山の寅ひげ白し冬の朝

信貴の山賑ふ寅の小春かな
小春日やはるかに見ゆる畝傍山

納経に綴じこむ紅葉信貴の山
毘沙門天の胎内めぐりて冬を知る
山茶花の白の饗応玉蔵院

昨土曜日、信貴山縁起絵巻で有名な「信貴山朝護孫子寺」に俳句仲間八人で吟行に出かけた。幸い天気にも恵まれ素晴らしい紅葉のもとで、楽しい句会を持つことが出来た。聖徳太子が物部氏討伐祈願をした時に毘沙門天が現われ、必勝の秘法を受けたことを祈念して造られた寺院である。毘沙門天が現われてのが寅年・寅の日・寅の刻といわれ、寺内のあちらこちらに虎が沢山見られる。阪神ファンにとっては有難いお寺である。

11月例句会の句(兼題:柊の花、大根)

寄り添ふに際ありて柊の花
ことさらの小言云はずや大根煮る
七十路の大根おろすにゆるりゆるり

茫洋の海に音なし石蕗の花

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12 コメント

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小春日の虎。 (フェニックス)
2009-11-23 14:26:43
九厘さま

とても楽しいお写真ですね。張子の虎のあんな白い髭をみたのは初めてです。小春日の信貴山での吟行、大変楽しまれた様子が伺えます。こちら北九州は、この秋あまり晴天に恵まれず、昨日の探鳥会は、時折小雨の降る寒い曇天の下で行われました。でも今日は久しぶりに青空に恵まれたので、今から近場の植物園に吟行にでも出かけようかと思っています。

印象に残ったお句について。

○信貴山の寅ひげ白し冬の朝
 虎の平均寿命は何歳でしょう? 「白い髭」に「冬の朝」がマッチしていますね。

○信貴の山賑ふ寅の小春かな
 来年は虎年。もう来る年を寿いで様々な虎で賑わっている信貴山の様子が伺えます。ごく最近、偶然にも友人の一人が信貴山を訪れたようで、九厘さまの報告文にあるような景に出逢ったと言っていました。

○小春日やはるかに見ゆる畝傍山
 よほどいいお天気で、遠望ができたのですね。畝傍山は信貴山のはるか南に位置していると思いますが、奈良は平らな都市だから遠くまで見渡せるのでしょうね。自分が最近訪れた土地なので、親しみを覚えました。

○納経に綴じこむ紅葉信貴の山
 納経などに縁のないフェニックスですが、された方が紅葉を綴じ込むなんて、とても風流ですね。
 
○毘沙門天の胎内めぐりて冬を知る
 このお句には何か歴史的な意味合いが籠められていると思いますが、歴史に弱いフェニックスにはよく分りません。お教え頂けると嬉しく思います。
 
○山茶花の白の饗応玉蔵院
 信貴山には色々なお寺があると聞きます。そのうちの一つ玉蔵院の山茶花が今を盛りと咲いて、訪れる人を迎える景が目に浮かびます。

◎茫洋の海に音なし石蕗の花
 静かに広がる小春の海。ふと岸辺を見ると鮮やかな黄色の石蕗の花。静謐な日本画の世界を想起します。「茫洋」という言葉が大変活きていると思います。



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印象に残る句 (ゆらぎ)
2009-11-23 17:45:56
吟行のご報告楽しく拝見しました。紅葉真っ盛りで好天にも恵まれ、充実した一日でしたね。会にでていたとすれば、光景も想像して、次の句を選ばせていただきます。


◎紅葉散る行者の声に驚きて
○信貴山の寅ひげ白し冬の朝
○信貴の山賑ふ寅の小春かな
○納経に綴じこむ紅葉信貴の山
○毘沙門天の胎内めぐりて冬を知る
◎山茶花の白の饗応玉蔵院



芒の会の分では、当日も選ばせていただきましたが「ことさらの小言云はずや大根煮る」が好きな句です。
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好きな句 (龍峰)
2009-11-23 20:41:13
先日の信貴山吟行はご苦労さまでした。
以下の句が大変気に入りました。

紅葉散る行者の声に驚きて

大きな行者の声に紅葉までが驚くと言う俳味がいいですね。

信貴山の寅ひげ白し冬の朝

朝は少し寒かったですが、寅の髭の白さが効果的です。

納経に綴じこむ紅葉信貴の山

情調が感じられます。

寄り添ふに際ありて柊の花

句会でも頂きましたが、「寄り添うに際」に幾重の意味がとれ、なかなか深い味わいのある句と思いました。
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好きな句ほか、コメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2009-11-23 22:10:52
九分九厘様
先日の信貴山吟行句会はお疲れ様でした。懸念していました天候にも恵まれ、大変楽しいひとときを過ごさせて頂き、想い出に残る一日となりました。有難うございました。

☆紅葉散る行者の声に驚きて
全山を震えさせるほどの加持祈祷の声には、先ず、度肝を抜かれるほどの思いでした。あとで、お寺さんに尋ねましたらあれが加持祈祷の呪文で厄難退散の為の法だそうです。あの声を聞いたら、紅い紅葉も震えて散ってしまいそうだとは、全く共感します。句会でも頂きました。

☆毘沙門天の胎内めぐりて冬を知る
最初は躊躇しましたが、真っ暗で何も無く何も見えないと言うこと。先生もチャレンジして見るとの事で、何かを暗示しているものと思い先生と一緒に回りました。中は真っ暗闇で、前後左右何も見えず、ただ冷たい石?の壁を伝って歩くだけ。その途中に金色に燦然と輝く仏像が安置されていましたが、「この世は斯くの如く真っ暗闇であり、手を通して感じるように冷たいのが現状。自己ばかりに頼らず、御仏の救いの光りを求めなさい」との教えかと思いました。御句の「冬を知る」に、改めて仏教特有の哲学的意味を覚えて素敵な句です。

☆信貴山の寅ひげ白し冬の朝
当日は、天気予報に反して好天に恵まれ、本堂のある展望台からは大和平野が遠望出来ましたね。しかし、時折吹く風はさすがに肌寒く感じました。古刹の割には、ユーモアのある張子の虎でしたが、御句に「ひげ白しと「冬の朝」との季語がよく響き合い、情景の良くわかる句かと思います。句会では頂きました。

☆小春日やはるかに見ゆる畝傍山
信貴山本堂のある展望台からは、冬霞にかすむ大和平野が遠望出来ましたね。穏やかな小春日に霞む大和平野は、一幅の日本画を眺めているようで「大和まほろば」の言葉を思い出したほどです。目がよくない小生ですが、畝傍山の低くてなだらかな姿も微かに遠望することが出来ました。同じ思いで眺められていた事は、やはり吟行をご一緒出来た賜物ですね。とても共感する一句で、句会でも頂きました。

<11月、月例句会>
☆七十路の大根おろすにゆるりゆるり
七十路ともなれば、人生と言う大根の甘辛、酸味も充分に承知しておられ、ゆっくり擂れば擂るほど味が出てきますね!。「ゆるりゆるり」との破調の下五の止めの措辞に、台所でのお手伝い所か、素晴らしい味わいのある好きな一句です。句会でも好評であったのではと思いました。
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好きな句 (四捨五入)
2009-11-23 22:13:27
 紅葉散る行者の声に驚きて

音は空気の振動ですから散り際のもみじは大音響に曝されると散るはずです。これは理屈ですが、驚いて散るというのが、いかにもユーモアがあって面白いと思います。

 ことさらの小言云はずや大根煮る

この句は句会でも頂きましたが、やはりユーモアがあって楽しい句と思います。九分九厘さんが大根を煮ている姿はちょっと想像できませんが、小言を聞き流しながら煮た大根はどんな味になったでしょうか。
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お礼 (九分九厘)
2009-11-24 09:17:22
フェニックス様
 多くの句にコメントを頂き感謝します。信貴山はまさに「虎づくし」の感があり、来年は寅年ゆえに、12年一度のいろんな行事があります。「信貴山縁起絵巻」現在レプリカがしか見えませんがが、来年は日時を限って一般公開するそうです。
毘沙門天の胎内めぐりのことですが、たろうさまのコメントにありますように、本堂の地下をぐるりと一周するわけですが、まっ暗闇で目をつむっても、明けて歩いても変わらぬ漆黒の闇を経験致しました。出口で光を見られた時の安心感がとてもいいものでした。
茫洋の海の句は先日、和歌山の潮岬(本州の最南端)に行った時に詠んだものです。まさにこの句の情景を楽しみました。
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お礼 (九分九厘)
2009-11-24 09:24:00
ゆらぎ様
 コメントありがとうございます。信貴山の山門をくぐった途端に、下の方からとてつもない大きな祈祷の声が聞こえてきて、先ずはそれに驚き、ついで巨大な張り子の寅が鎮座していたのにびっくりしました、仕掛けが十分そろっているようでした。玉蔵院は信貴山の宿坊で入口は普通のお寺でしたが、中はとても大きな宿でこのなかで句会をして精進料理を楽しみました。門の入口にとても綺麗な真白な山茶花が咲いていました。
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お礼 (九分九厘)
2009-11-24 09:30:50
龍峰 様
 コメント有難うございます。当日は天気にめぐまれ、想像を倍する満足感で句会を楽しむことができました。旅行でお寺を参詣すると必ず「納経」を買い求めます。思いでの記念ということもあるのですが、あの梵語めいた黒々した自体に魅力があり、それにおしてある朱印の赤が大好きということです。いつも小さなスケッチブックを持参するのですが、今回はスケッチが出来なく、納経と紅葉をはさんで持ち帰りました。
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好きな一句(小春日) (光芒子)
2009-11-24 09:34:21
 信貴山の寅ひげ白し冬の朝

よく晴れた冬の日、真っ青な冬の空に虎の白髭がよく映えますね。 大口をいっぱいに開けて咆哮する張子の虎が又なんともユーモラスで、古刹の威厳もどこへやら、阪神フアンならずとも思わずにんまりです。
清水の舞台に似た信貴山本堂の展望台からの大和平野の眺望は素晴しかったことと拝察します。

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お礼 (九分九厘)
2009-11-24 09:42:46
たろう様
 当日の吟行、遠いところから御苦労様でした。お蔭で楽しい句会を持つことができました。一時間程で10句まとめあげておられた皆様の真剣な集中度と、そして出来上がりの句の素晴らしさに感嘆いたしました。多くの句にコメントを頂き有難うございます。来年は本物の「縁起絵巻」見に行こうと思っております。三巻一緒には見れなく、2、4、11月の三度に分けての公開の由、さて如何したものかと今から悩んでおります。
大根を下ろすのは我が家では私の勤めです。指先を傷つけるのが怖いので最近はゆるりと手を動かしております。下句の破調は先生の添削です。勉強いたしました。
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