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ナーセリーナカムラがドローン直播、先進的な実証実験 〈2024年5月16日〉

2024年05月16日 08時30分00秒 | 記事


自動で種もみを散布するドローン


 御坊市湯川町、園芸店「ナーセリーナカムラ」は、同店所有の農業散布型ドローンを使った水稲直播の実証実験を行っていく。15日に同市藤田町にある同店所有のほ場20アールでドローンから種もみを播いた。県下でも先進的な事例で日高振興局が協力してデータを収集、分析する予定。スマート農業の実現へ向け、3カ年を目処に取り組み、十分な収穫量、労力軽減などの成果を積み上げられれば、ドローン活用を地域に広げていく。

 昨今、日高地方でも農業の就業人口の減少や高齢化、後継者不足により、田畑の耕作放棄地が増加し、米価の下落や肥料価格の高騰などで農業から離れる人も増加の一途だという。地域の一助になればと、同店では県の補助金を活用して今夏から、農業散布型ドローンを活用した農薬散布を始める予定で進めているが、「このドローンで水稲直播もできるのでは」と実証実験を計画。ドローンによる直播栽培にすることで、通常の稲の苗を育てる必要もなく、育苗箱をほ場に移す作業や田植え機での移植作業もしなくてよい。
 このドローンは、測量技術のRTKーGNSSを利用して、ほ場を数センチ単位で正確に測量でき、そのデータをもとに完全自動航行による誤差数センチでの高精度飛行作業が可能。操作はスマホでタッチするだけで、散布ムラや操縦時による人為的ミスも少なく、不具合があれば、自動的に作業を止めて、出発点に戻ってくるシステムになっている。
 この日は御坊市や日高町、日高川町、みなべ町などの議会議員、行政や農業の関係者ら30人が見守る中、担当者がスマホで操作すると、自動で数メートル上空から田んぼ20アールのうち18アールの設定で7・2キロの県推奨品種「にじのきらめき」の種もみを散布、わずか数分で作業を終えた。県下でも新しい取り組みで、日高地方では美浜町でトラクターでの直播はあるが、ドローン活用の例はない。
 ナーセリーナカムラの1級造園技能士の中村友哉さん(32)は「東京から地元に帰ってきた際、自分にできることで地域に貢献できることはないかと探していたが、なかなか実現できていなかった。農業従事者不足と聞き、ドローンを使うことで省力化できれば一つの手段となる」と話した。


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