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日高川町 人口の社会増が県下トップに 宅地造成や若者定住施策が効果? 〈2019年6月21日〉

2019年06月21日 08時30分00秒 | 記事

御坊市に隣接した川辺地区では新しく宅地が造成された


 県の調査統計課が公表している市町村人口増減順位で、日高川町へ平成30年度に町外から転入した数が転出(社会増減数)を55人上回り、県下30市町村でトップだった。前年度は1年間に50人減少で12位だったが、わずか1年間に55人の増加に転じて県下1位に。土生、小熊地区などで新しい宅地造成が行われたほか、町が最高130万円の新築補助実施や子育て支援を展開したことが、若者の町外流出阻止や流入増につながっている可能性もあり、町関係者も関心を寄せている。

 町村合併以前は1万人を超えていた日高川町の人口は、昨年、住民基本台帳人口で1万人を割り込むなど、人口減対策や若者定住が大きな課題となっている。昨年4月から今年3月までの自然増減数(出生と死亡の差)も106人減となるなど減少が止まらないが、一方で町外からの転入と転出を引いた社会増減数が55人増に転じた。平成26年以降、毎年約50人減で推移していたが、1年間で105人も増えたことになる。
 町外から転入増の要因の1つには、平成28年4月に開校した和歌山南陵高校の生徒数増減による影響も考えられるが、入学生の数は毎年50人程度で入れ替わる。仮に今春の卒業生と新入生が同時に町に在籍していた場合でも最大で新入生約50人の増加しかなく、29年度からの1年間で転入が105人増加したのには、それ以外の要因が大きく影響していると思われる。
 この1年間に、御坊市に隣接する土生地区や小熊地区では新しい宅地造成が行われ、町外からの転入者が増加。町は昨年度、39歳以下や中学生以下の家族と同居する人の新築住宅取得に最高130万円を補助する助成を25件交付したが、このうち町外の対象も8件あるなど、若い世代の転入増加が数字となって表れている。また、5年前と比べて土生、小熊両地区が学校区の川辺西小では200人を下回っていた児童数が約220人に増加している。
 町定住促進室では「現時点では詳細な分析は出来ておらず、増加の要因は断言できない。若者の定住施策や子育て支援策が社会増の要因となって良い方向に向かっているのであればうれしい」と話している。
 管内では、この5年間で日高町が毎年50人程度の社会増で3位以内を継続。一方、平成30年度では御坊市が277人減で下位から5番目、美浜町が119人減で同11番目だった。


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