子ども達と交流する学生(帝塚山大学ペンクラブ)
印南町を昨年度、部活動の合宿で訪れた大学生や高校生は559人で過去最高だった。平成28年度から町有施設を無料開放するなど3年の時限事業として誘致に取り組み、昨年度までの3年間に同町で合宿した学生は1433人を数えた。町は、宿泊客数が伸びるなど地域経済の活性化やまちのにぎわい作りの有効な施策と見ており、今年度は取り組み効果の分析や制度設計の見直しなどを行い、来年度からさらに効果的な誘致事業として取り組む考えだ。
同事業は、合宿などで訪れた高校生や大学生らと町民が交流することで印南の魅力発信につなげようと平成28年11月から国の地方創生加速化交付金を活用して誘致の取り組みを始め、町や観光協会、町内の宿泊施設らで構成する町若者あふれる郷への架け橋推進協議会(中村泰介会長)を組織し、町内4軒の民宿や旅館で宿泊するのを条件に、町体育センターや町若者広場、切目武道館、小中学校の体育館などの施設利用料を無料としているほか、指導などで地域住民と交流した場合は講師代として謝礼を支払う制度も設けて取り組んだ。
初年度は12団体320人、29年度は19団体554人、昨年度は23団体599人が合宿に訪れた。全国的に合宿誘致に取り組む自治体は多いが、ほとんどがスポーツ系を対象にしている。印南町はスポーツ系に加えて文化系も対象にしており、昨年度からは地域町民との交流を必須条件とするなど印南町独自の誘致事業で推進。昨年度は野球や柔道、バレーボール、剣道などスポーツ系のほか、文化系の落語研究会やペンクラブ、野外活動部も合宿に訪れ、野球、柔道、サッカーチームに所属する小学生や中学生バレー部員、いなみこども園児、学童クラブ児童らと交流した。
これまで2500人前後で推移していた宿泊客数が、平成29年度は4885人、昨年度も4844人と2倍近くに増えていることに町は「訪れた学生が印南町の良さを広く情報発信してくれているのでは」と誘致事業による相乗効果と見ており「今年度は制度設計の見直しにあたるなどし、来年度から新たな誘致活動の取り組みをスタートさせたい」としている。
その他の主なニュース
● 県観光連盟 観光功労者表彰に紀伊路語り部の会が受賞 管内7人も活動
● 宮古姫みなとフェスタ マイナンバーカードの出張申請所開設 50人が申請
● スポーツ少年団総合球技大会 軟式野球大会で美浜優勝、近畿代表選へ
● 印南小と台湾の児童が交流 人形を送り合うテディベアプロジェクト継続