Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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フォードピックアップトラック修理

2021-01-19 20:20:48 | ミニカー修理
本日の山陰は小雪が舞っていま〜す。
気温は低め・・・かな!?
昨日の夕方雷が鳴ったので大雪かな!?と心配しましたが、夜10時に就寝して夜中の2時過ぎに目が覚めた時には屋外を見ましたが雪は降っていなかった様子に安心して再び寝ました(笑)
朝起きてからも小雪は舞いますが積もる様子が無いのに少し安心したのも事実ですね。

まあ明日は定休日なので時間的には余裕ですね。
今朝は出勤した時の雪は圧倒的に少なくて、全く問題ない程度でした。

まあ毎日色々なご依頼が有ります。
こんなに片田舎の工房にですから世の中は不思議な物です。
私が模型の制作の仕事を始めた時に私の古くからの友人は大変心配していました・・・
「そんなのでご飯が食べれるの??」とか
「何かアルバイトでもやった方が良いじゃない!!」とか・・・(笑)
有り難い事に心配してくれましたね〜。

有り難い事に今もまだなんとかやっています!!

今日の本業はちょっと訳ありの緊急修理が入りました。
この修理は直接は個人の客様からなのですが修理代は某運送屋さん(大阪の支店が担当支店になります)のお支払いで中継は大阪のショップさんです。
個人のお客様が大阪のショップさんから購入されたダイキャストのミニカーが運送途中で壊れたという訳なのです。

この修理をご依頼のお客様は今まで何度も修理をご依頼頂いている方でして、当方をご指名で当方で修理をしてくれと言われたのですから・・・有難いですね。
まあ真面目に仕事をしていれば見てくれている人は沢山いますのでね、誠実に仕事を進めるのが一番です。

切り替えの素早さ・・・これが私の長所なんですからね。
壊れたのは1/18スケールのフォードピックアップ1953年です
大阪のショップさんから広島のお客様の元に送られている途中で壊れた様です。
壊れたバンパーの様子はこんな感じです・・・
バンパーの向かって左上が斜めに破損しています。
まだ皮一枚つながっていますが・・・
不思議なのは折れて手前に向かって倒れている事ですね。
普通、前から何かが当たった場合後ろ向きに折れて倒れ込むのですが!?
最初から破損していた物を送ったとか・・・頭をよぎります(失礼!)

バンパーの焼き止めを削ってバンパーを取り外しました。
修理屋さんの私は壊れた原因を特定しなくても良いのですが・・・余計なお世話とも言います。

が壊れた原因を探れば自分が送る場合にどうすれば良いのか・・・気がつくこともありますでしょう。

今のままですとショップさんもご依頼頂いたお客様も少なからず疑心暗鬼の中で過ごされる事になりますから、これからのお互いのお付き合いの為に原因を究明したいと思います。
但し外箱を確認している訳では有りません、あくまでもミニカーの破損部分を見ての判断になるという事ですのでご理解頂ければと思います。
しかしながら運送屋さんを特に責めるつもりは全く有りません、人間が運ぶ事ですから落としてしまう事はあります。
誰しもミスや失敗は有るのですから、大事なのはミスを繰り返さない事ですね。


バンパーを外しましたのですが目に付いたのはフレームと一体になっている黒いバンパーステーですね。
破損した部分に近い部分がボディ側に曲がっていますねこのステーですがステーの左右の部分にバンパーを焼き止めする為の穴が空いています。

がその穴の下側は曲がった時に割れ目が出来ていますが上側がつながっている状態です。

良く見ますと・・・
ライトの下の左側、バンパーの上角に当たる部分の場所に黒い傷が有るのが見えますでしょうか?
良く目を凝らして下さいね〜!!

もうちょっと拡大しますと・・・
黒い汚れも付いています。

恐らくこの傷から見ましてこのミニカーは落下して右前から斜めに衝撃を受けたのでしょう。
バンパーは曲がってボディに当たってしまい角の部分が折れて前の方に折れて曲ってしまったと考えられます。
ですから折れ曲がった方向が前側だったんですね。
では何故バンパーが折れなかったのか・・・
一番力がかかるのはステーの部分なのですがステーの部分はバンパーと焼き止めされていて補強された感じになっていたので折れなかったと考えられます。
仮にステーとバンパーが一体整形なら二重に補強されていませんのでバンパーが折れてしまっていたのかもしれません。

では次に・・・
輸送中だったのかどうかに付きましては・・・
外箱を確認していないので100%とは言いませんが、もし何も梱包していない状態で落下させてバンパーが折れる程の衝撃を受けますと
プラスチックのバンパーのメッキの表面に傷が付きますでしょう・・・
最初の写真をご覧頂ければわかりますがバンパーの表面には何も傷が無いのです。
なので梱包後に落下したと見て間違いは無いのではないかと思います。
私の所見では輸送中に落下したという確率が高いと申し上げておきましょう。
このミニカーは外箱の無い物だったのでエアキャップや緩衝材に包まれて送られて来た様ですがボディがダイキャストで重かった為にこの様は破損に至ったと考えるのが自然ですかね〜。


ここからは私の仕事です(笑)
勿論、直す事が仕事なんでね。
折れてしまった部分は一部分プラスチックがつながっていますが、つながってい部分が延びていますので元通りに収まりませんから一旦切り離して延びた部分を切除して接着します。

このまま接着しても強度が無いので・・・
リューターにボールビットの小さい物を付けて折れ目の部分に溝を掘ります。
ここを樹脂で埋めて接着面積を増やして強度を上げるという事にしましょう

使う樹脂はGCのオルソファストという樹脂です
プラリペアなどと同じ物ですがこちらは歯科技巧用のものです
仕事を始めた時に友人に譲ってもらったものでまだ使えています(笑)

樹脂を盛りました
掘った溝よりも少し高くなる位盛っておきます

そして削って整えましょう
パーティングラインなどの部分は出来るだけ削らない・・・いつもの模型制作とは逆です。
何故かと言いますと修理の場合はなるべく元通りというのが基本です。
印象を変化させてしまうのはNGなんですよね。

この後ウレタンクリアーを塗って表面を整えます
そしてメッキ調塗料で塗りました。

最後にウレタンクリアーで保護層を作る為にクリアーコートですね
そして硬化したら取り付けです。

角度を変えて・・・如何でしょう?
折れていた部分はほぼ見えませんね〜


これにて修理完了です

本日修理完了のご報告をショップ様に入れておきました、早かったらしく・・・早い!!と一言頂きました。
ご依頼頂いたお客様/ショップさんと複数の相手が有る場合は報告を確実に・・・と言うのがセオリーですね。
その方がお互いの信頼感も増すという物です・・・サラリーマン時代に嫌という程勉強させて頂いた「ほうれんそう」ですね!!(笑)
自営業になっても凄く役にたっています・・・ナショナル(現パナソニック)の新人研修やトヨタオート広島(現ネッツトヨタ広島)などで受けた研修ですね・・・少し懐かしいかも。

発送は心配なので広島まで持って行こうかな〜送料は島根〜広島まで分しか貰えないけど・・・(笑)
実はこのモデルの修理はこれで終わらないのです。
と言うのも・・・バンパーが壊れたのは輸送中の事。
他にもリアの荷台のヒンジは壊れていたのを承知で買いましたのでついでにそれも直して下さいと言われております。
勿論ですがバンパーの修理代は輸送業者様持ちですがリアのアオリのヒンジの修理は自分が持ちますとおっしゃっています。
当然ですが修理を受ける私も分けて請求します。
中には運送業者にまとめて請求しておいて・・・などと言われる方も有りますが・・・私はその様な修理はお受けできません。

ここから先はお客様持ちの修理です・・・まあ最良の修理を考える私の姿勢にも変わりは有りません。

修理が終わったらドライブがてら県境まで車で行って直接受け渡しで安全に運べると思うのですが・・・道路の雪はどうかな〜!?
今は修理よりもその事の方が今は心配ですね〜!

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