Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

692-0055島根県安来市飯生町605-8Studio_Rosso渡部洋士 Tel 0854-22-1546火水曜定休

屋根の上の看板の制作

2019-06-16 20:26:52 | Ford Model T Truck
山陰は本日も天気が良くないですね。
昨夜も2度程大雨の警戒のメールが来ていたみたいです・・・
タマネギを干しているガレージの浸水が心配だったので恐る恐るシャッターを開けてみますと・・・
浸水は全く無くタマネギはカラカラに乾いています。
これならそろそろいつもお世話になっているメイクアップさんに送っても良いかな・・・。
まあ決して珍しい物じゃないけど、無農薬で無除草剤(除草は手で抜くだけです・・・笑)だけが取り柄なんです。
それに南青山ではタマネギ畑はないでしょうから。

さて本日も仕事を始めましょう。
現在作っているトラックのキット(元々はホットロッドではなく普通のトラック)には屋根の上に看板が付けられているのです。
キットでは屋根に穴が有って其の部分にホワイトメタルの部品を差し込んで接着する事になっています。
しかし、この屋根は其の形状から幌式の屋根の様ですのでこのように穴を開けて留めるという事は出来ないのです。
しかもフロントウインドのフレームは華奢でとても走行中の風圧に耐えられそうに有りません。
ウインドフレームだけでも前側から引っ張る様なステーで補強をしているのですからね。
・・・と言う事で看板の位置はキャビンの後側の鉄板で出来た強度の高い部分に変更します
そして看板ですがインストのお客様のメモ書きを見ますとただの長四角な物では無くデザインをしてくれという事みたいなので少し変形させて化粧をしてみようかと思っています

お客様の書かれた鉛筆の線からご希望の形状を読み取りますと・・・こんな感じかな〜。
長方形から曲線で少し切り取って縁に真鍮線をハンダ付けします。
真鍮板は0.2mm縁の真鍮線は0.5mmなので板の部分よりも線の部分が飛び出します・・・ここがポイントです。
同じ厚みで作ってしまうと凹凸な感じが無くて全体にノッペリしてしまいます。

厚みの違う素材をハンダ付けする場合は裏側にアルミ板を軽く接着しておきましてスペーサーにします。
理由は二つあります
一つは放熱が良いのでハンダが板の部分になるべく流れない様にします。
最終的な仕上げは磨いて仕上げのか塗るのかわかりませんが磨いて仕上げる場合にはハンダが流れていない方が良いからですね。
もう一つは仮にハンダが流れても真鍮板と一体になってしまう事は有りませんのでこんな場合のスペーサーとしては最適かと思います。

それでも余分なハンダが全く無いと言う事では有りませんのでハンダを削ってからざっくりと磨いてみました。
ちょっと派手なデコレーションかな??

次はこんな物を削っています
旋盤で真鍮の丸棒から削りますが自家製の丸い刃物を使ってなだらかなRを描いて削っています・・・
これだけでは何かわかりませんよね〜

中央に糸鋸を使ってスリットを入れます
刃の幅は0.2mm
良く見るとわかりますがスリットを入れた部品の上側になっている方には0.6mmの穴を開けてあります。
この穴は看板を支える棒が刺さります。
ここまで書けばわかりますかね〜??

まだわからなかった人でも下の写真を見たらご理解頂けるでしょう
看板の左右で看板を支える棒の化粧ですね
スリットを入れた部分で看板を支えます(勿論ハンダ付けです)
この看板を作るにあたって実物の画像は見ておりません
お客様のメモ書きのイメージを膨らせていきますとこの様な形状になります。
模型の制作は時として実車に無い物を作らないといけないことも有りますし実車の詳細がわからない事も有ります。
いずれの場合も実車の構造を熟知して想像し作る事で解決出来ると思っています。

こんな感じで取付けられれば良いですね・・・
実はここからがなかなか大変なんですね。
普通の方なら取付けステーをL型に曲げてキャビンの後のパネルに穴を開けて差し込んで接着でしょ?
恐らくブログを読んで下さっている方の9割の方はそうだと思う
でも実車の構造を考えるとそれではダメな事がわかります
屋根の幌が留められている部分は裏側の補強のフレームが付いている事は簡単に想像出来ますよねしかし其の部分に差し込む事は幌を其の部分だけくり抜くか切っておかないとステーが付きませんよね。
しかし、幌の特性を知っていると幌を新品状態で張ってから経年変化で収縮してゆきますから後々雨漏りの可能性が出てきますので、実車ではそんな付け方をしないのです。
キャビンのバックパネルに広い面で取付けられるステーを取付けてかかる力を分散して取付けます。
幸いな事に楕円の窓の上側と下側には横向きに裏側で補強がは入っているでしょうから・・・これなら大丈夫でしょう。


・・・と想像力逞しく制作は進みます(笑)
僕にとって模型は実車趣味の集大成なのかな・・・。
明日は荷台の荷物を作りましょう〜。
雨が止んだら薪も割りますよ!!
明日も頑張ります。