僕の前世はたぶんオランダ人。

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閑さや岩にしみ入る蝉の聲(山形)

2022年05月18日 | ぶらぶらする
仙台と山形を1時間20分で結ぶ
仙山線で山寺駅へやってきた。
東北って巨大なイメージだけど
意外と近いのね。
本日のお目当ては
「古池や蛙飛び込む水の音」
じゃなかった
「閑さや岩にしみ入る蝉の聲」
で有名な山寺こと
立石寺を参拝すること。
この句は
松尾芭蕉が当地を訪れた際の発句で
奥の細道に収録されている。
山寺駅到着12時17分。
電車は概ね1時間に1本のため
帰りの電車を考えて行動しないと大火傷となってしまう。
よし、帰りは山形行13時58分に乗ろう。
では、1時間半の奥の細道へ出発だ!
山頂まで1015段の石段は
こちらの山門から本格的に始まる。
なお、1015段にはこの山門までに
200段くらい消化されているもよう。
12時40分上り始め。
まずは直進して折り返す
単調で整備された石段から始まる。
くぅ~、
蝉の聲も人々の汗も
全部しみ入りそうだぜ。
石段の最狭部はなんと14cm!
両側の岩にはなんやかんやと彫った跡が見られる。
こういうのを見ると
今は亡きバーミヤン遺跡の摩崖仏を思い出し心が痛む。
こちらはしみいるしみいる蝉の聲の
せみ塚。
せみ塚を越えたら
ようやく次の山門がお目見え。
真っ赤な椛にしばし足が止まる。
仁王門をくぐると
ゴールの奥の院まであと一歩。
道は平坦となり
最深部へと誘われる。

最上家中興の祖、
最上義光公御霊屋なんてのもあって
関わりの深さが伺える。
13時奥の院登頂!
頑張って上ったのに、
思ったほど見晴はよくない笑。
とりあえず天空の宗教道場最深部って感じでかっこいい。
昔の人はお寺参りを
レジャーとして楽しんでいたんじゃないかと
常々おもっているのだが
この山寺もご多分にもれず
三重小塔やら

マニ車付の卒塔婆やら
遊び要素に事欠かない。
なかでも目を引くのが
こちらの納経堂。
間違いなく一番のフォトスポット。
ぱっと見た感じ
どんな断崖絶壁にたっているのか。
この日今日まで果たしてたどり着けるのか
とビビりまくるが
実際は写真の撮り方ってやつで
まぁまぁイージーにたどり着いてしまう。
左が納経堂で右が開山堂。
開山堂の右手から
山寺随一の展望台、
五大堂への階段が続く。
この五大堂から眺める田園風景は
山寺駅に発着する電車以外
全く動きというものがなく
初夏の風に吹かれているだけで
飽きることがない。
あまりの居心地の良さに
心を持っていかれてしまうが
油断すると1時間後の電車となってしまうため
涙をこらえて下山の歩をすすめる。
上りは20分だったが
下りは実に10分!
俳聖松尾芭蕉にもご挨拶。

蛇足のお手本のような古池を発見。
もちろんこれは例のあの句とは縁も所縁もにゃい。
下山したら参道の茶店で
お約束の玉こんにゃくを頂く。
鰹のきいただし醤油でグツグツした蒟蒻ボールを
串に3つ刺し
からしをつけて頂く。
お値段100円なり。
口の中でもにゅもにゅしながら
駅へ急ぐ。

山寺の全景はここ山寺駅から素晴らしくよく見える。
こんな山奥に
よくぞこんなテーマパークを作ったものだと感心する。
しかも1200年も前に!
予定通り13時17分の仙山線に再びのって
一路天童駅へ。
ほほぅ、噂には聞いたが
これが新幹線しか通ることのできない
スイカ泣かせの自動改札か。
天童市はさすがに将棋の町。
道の模様が詰将棋!
なお天童駅に降り立った理由はこちら
水車生蕎麦店で鳥中華を頂くこと!

あっさりさっぱり
博多うどんのような透明黄金だし。
に天かすと
歯応えのある蒸し鶏がのる。
麺は中華麺だけど
そばつゆってことでよいのかな。

卓上の七味が
上品なスープととてもよくあうのです。
なにげに胡椒たっぷりなところが
B級心をそそります。
あまりのちゃんぽん具合に
何食ってるのかわからなくなるけど
最終的に縮れ麺と
クリアなスープがよくあって
うまかった!
幕末から続く由緒ある蕎麦屋さんとのことで
店内には古い蕎麦猪口が並ぶ。
これで蕎麦食わせてくれたらよいのに。
さらにはこの日の飲み会の締めは
山形駅前、五十幡飯店で
冷たいラーメンを頂く。
冷やし中華のようで
冷やし中華でない。
氷が入ってはいるが
油は固まらない。
味は完全にラーメン。
確かにこれは冷たいラーメンとしか表現のしようがないな。
さすがラーメン大国山形県。
鳥中華・にく蕎麦・冷たいラーメン。
見たことも聞いたこともない麺料理が
そこいらにいとも簡単にころがっているぜ。