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田母神俊雄氏の61万票に、注目しているアメリカWSJ誌

2014年02月11日 14時59分23秒 | 日記
 東京都知事選挙は、予想通り枡添要一氏が当選し、早速安倍首相は原発再稼働や、集団的自衛権の行使など、彼の信条としている政策を実行に移すようにエンジンの指導を始めたようである。

 米国のWSJ紙の日本駐在の記者が、この選挙で4位に食い込んだ田母神俊雄氏が61万票を獲得し、しかも若い人たちから多くの支持を集めてる事に注目した記事を書いている。

 最近の日本の政治経済状況が、20年以上に渡って続いた不況の影響で、10~20代の若者たちが、好況であった時代の日本を知らずに育っている。

 そしてこの長い低迷期の間に、中国、韓国の経済成長が続き、日本国内に焦りから生じたと思われる、ナショナリズムの風潮が高まってきたのは事実であろう。

 この風潮が、石原慎太郎氏や安倍晋三氏の発言に、市民が選挙で多くの票を投じた結果が、最近の日本の政治状況と言ってよい。

 ドイツでナチスが台頭を始めた時も、第一次世界大戦で厳しい経済環境に置かれたドイツ国内で、ヒットラー政権を最初に支持したのは、若者を中心とした不満を抱えた世代であった。

 どこの国でも、長く厳しい経済状況が続いた場合に、その時の政府が逃げの手段として、ナショナリズムを鼓舞するような政策を打ち出す事は、しばしば行われる事だ。

 米国や欧州諸国が、最近の安倍政権の動きを危険視しているのは、日本国内に右傾化の風潮が高まっている現実に懸念している事は、下記の記事が発信される事でも、容易に判断がつく。

 我々市民が、田母神氏を支持する若者たちとの意見交流が必要な時代になってきたと筆者は思う。

 TWやSMS等で交わされるこれらの若者の声を拾い上げて、単に批判するのではなく、そういう気持ちになって行く過程から、注意深く見守っていかなくてはならない。

 それと共に重要な事は、マスメディアの報道姿勢にもあると思われる。 

 特に最近の傾向は、政権与党に対してジャーナリストらしい批判的な報道をする、マスメディアの使命を失っているように見える事だ。

(The Wall Street Journal Japan Real Timeより貼り付け)

2014/02/10 9:55 pm
超国家主義的思想の田母神氏、都知事選で大健闘
By YUKA HAYASHI

東京都知事選は日本で超国家主義的な政治が台頭する前触れになるのだろうか。

 元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)はそう期待している。極めてナショナリスト的な見解で知られる田母神氏は9日投開票の都知事選で驚くほど広い支持を集めた。自衛隊の幹部として培った能力で都民の「命と財産を守る」とうたい、16人の候補の中で4番目の得票数を獲得した。

 中国・韓国から大手マスコミ、自由貿易協定などをターゲットに急激に勢いを増す愛国主義者のグループを主導する田母神氏は、約61万1000票を獲得した。安倍晋三首相の後押しを受けて当選した舛添要一氏と反原発を訴えて選挙戦を展開した知名度の高い候補者2人に次ぐ得票数だ。桝添氏の得票数は210万票で、反原発を訴えた候補2人のそれぞれの得票数は100万票に満たなかった。

 田母神氏は9日夜、結果を受けて記者団に対し「組織がないなかで一定の票が入ったことは成果があった」と述べ、「これを機会に保守の政党を誕生させるべく、政治活動を展開していきたい」と語った。

 こわもての田母神氏は2008年、大東亜戦争は侵略戦争ではないとする論文を発表し、航空自衛隊幕僚長を解任された。

 田母神氏に集まった支持の多くは若者からのもののようだ。選挙陣営によるソーシャルメディアの広範な活用が奏功したとみられる。朝日新聞が行った出口調査によると、20代の24%が田母神氏に投票したと回答しており、この年齢層で36%と最も多くの票を獲得した桝添氏に次ぐ得票率だった。30代と40代の田母神氏の得票率はそれぞれ17%と14%だった。

 この出口調査の結果は、一部の政治家や政治学者の見方とも一致している。彼らは、領有権や第二次大戦の歴史的解釈をめぐる中韓との争いが長期化し、ますます熱を帯びる中で日本でナショナリスト的感情が高まりつつあるように見えるとし、その背景に若い世代の存在があると指摘している。

 田母神氏は、保守派の議員や有識者、著名人らとの密接な人脈を活用して支援を取りつけ、創造的で機能的な選挙戦を展開した。

 陣営は若い有権者に照準を合わせ、ツイッターを積極的に活用。田母神氏の動向を豊富な写真や動画と共に逐一投稿した。投稿の多くは「田母神ガールズ」と呼ばれる魅力的な若い女性スタッフの一団によって行われた。また、自称「愛国ラッパーshow-k」さんが「HEYLAS 田母神Remix」という曲を作り、その動画が田母神氏のツイッターアカウントで繰り返し投稿された。その歌詞の一節は次のようなものだ。

「危険レッテルばりを軽くKO!!いなし堂々主張。右右もっと右曲がれ 君気にちょっとなってきたね。(左は)汚ねぇ事ばっかだな だから何だ!?バッカだな」

 日本の主要報道機関は田母神氏を非主流派の候補者と軽くいなし、同氏の選挙活動にほとんど注意を払わなかった。田母神氏は、安倍首相の金看板政策である「アベノミクス」に倣い、「タモガミクス」と称するポピュリスト的経済政策を掲げて選挙を戦った。9日の選挙での田母神氏の健闘については、日本の主要紙も10日の朝刊でわずか数行しか触れなかった。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)国際研究センターの研究員で日本政治を専門とするマイケル・クーチェック氏は「ニュースメディアは彼に挑むことをせず、田母神氏の経歴や同氏の支持者の排外主義的な見方について有権者に注意喚起することを尻込みした」と述べた。

 日本の保守派の著名政治家も田母神氏の応援に駆けつけた。その1人が2年前、日中で領有権争いが生じている東シナ海の尖閣諸島(中国名:釣魚島)購入を試み、二国間を急速に緊張化させた石原慎太郎元都知事だ。石原氏は「東京の命を田母神さんに預けたい」と都民に訴えかけた。田母神氏の街頭演説にたびたび訪れたもう1人の人物が、神風特攻隊をテーマにした小説「永遠の0(ゼロ)」の作者で最近NHK経営委員に任命された百田尚樹氏だ。百田氏は応援演説で米軍による1945年の原爆投下や東京大空襲を「大虐殺」と批判し、米国主導の第二次大戦後の東京裁判をそうした残虐行為をごまかすための手段だったと発言した。

 こうした見解は田母神氏が08年に民間企業主催の懸賞論文で提示したものと類似している。自衛隊でのキャリア終わらせることになったこの論文で田母神氏は、日本が第二次大戦で果たした役割について自らの考えを長々と論じ、日本軍の行為を軽く扱い、日本を自ら望まない戦争へと追い込んだのは米国と蒋介石率いる中国政府だと非難した。

 田母神氏は論文で次のように述べている。

「日本が中国大陸や朝鮮半島を侵略したために、遂に日米戦争に突入し3百万人もの犠牲者を出して敗戦を迎えることになった、日本は取り返しの付かない過ちを犯したという人がいる。しかしこれも今では、日本を戦争に引きずり込むために、アメリカによって慎重に仕掛けられた罠であったことが判明している」

原文(英語):Ultranationalist Candidate Gets Strong Support in Tokyo Vote
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/02/10/ultranationalist-candidate-gets-strong-support-in-tokyo-vote/?mod=wsj_nview_latest/

(貼り付け終わり)