元気な高齢者こそ使いたい電子機器

80歳を過ぎても、日々の生活を楽しく豊かにする電子機器を使いこなそう

仏の新進経済学者ピケティのアベノミクス批判は、納得できる。

2015年01月26日 21時40分12秒 | 日記
 フランスの経済学者トマ・ピケティが1月末に来日すると東洋経済誌が大きく紙面を割いている。

 43歳の若手経済学者でありながら、非常に注目を浴びているのは、彼の著書の売れ行きを見ても理解できる。

 筆者も正直のところ名前は聞いていたが、著書をまだ読んでいない。これを機会に彼の著書やTVメディアの放映を見てみようと思っている。

 しかし、ピケティのアベノミクス批判は、結構納得できる内容だ。

 彼の指摘で筆者が一番納得できたところは、『資本への課税を増やすことを提言する。国民の大半にとって労働所得は停滞している。一方で不動産、資産の高度な資本化が進んでいる。労働所得に対して減税、資本に対して増税するのは自然な解決策だろう。これはバブルを防ぐことにも役立つ』と明快だ。

 今でも日本は真逆の政策を取る計画をしている。今でも多くの利益を上げている企業に、優遇減税をしようというのだ。

 彼が指摘するように、日本政府は1000兆円を超える借金を抱えこんだ貧乏人だが、民間資本によって国全体の資本はかつてないほど豊かなのだ。

 基本的にギリシャ等の経済破たん国とは、国全体の財務内容が違うのだ。

 財政改善には裕福な資本層から、もっと税金を取り、給与所得者などの減税を行うべきだという。これこそまさに正論で、日本共産党の議員などが聞いたら泣いて喜びそうな発言だ。(笑)

 そして黒田日銀がひたすら採り続けている金融政策に、余りのめり込むべきではないとこれも手厳しい。

 確かにやたらと円札を刷りまくるのはどう見ても異常だ。

(週刊東洋経済オンラインより貼り付け)

ピケティが指摘するアベノミクスの弱点
いま世界が最も注目する経済学者の肉声

野村 明弘 :週刊東洋経済 副編集長
2015年01月26日

いま世界で最も刺激的、かつ注目される経済学者トマ・ピケティが、フランスからやってくる。弱冠43歳のパリ経済大学教授だ。彼の新著『21世紀の資本』の英語版は700ページを超す学術書にもかかわらず、たちまちアマゾンの総合売り上げランキング1位に躍り出た。現在までに世界十数か国で累計100万部を突破。昨年末に発売された日本語版も13万部に迫っている。

●ピケティは1月29日に初来日

 そのピケティがいよいよ今週1月29日(木)に初来日を果たす。異例のベストセラーを背景にNHK番組『パリ白熱教室』などメディアへの露出は過熱しており、日本での講演はすべて予約満席の状態だ。はたして彼が日本で何を語るかを注目する人も多いだろう。

 東洋経済は2014年夏、パリ経済学校にある彼の研究室で単独インタビューを実施し、その模様は週刊東洋経済2014年7月26日号に大きく掲載した。一方、日本経済について語った部分については紙幅の制限からすべてを掲載しきれなかった。

 そこで、日本最大の課題である政府債務問題についてピケティが語った部分をここで再現する。ピケティはアベノミクスについて批判的な姿勢を明確にしている。それではやり取りをお届けしよう。

――日本は政府債務残高がGDP(国内総生産)の200%を超え、先進国で最悪の財政状況です。

ピケティ  確かに日本の国家のバランスシートは資産と負債がほぼ同量になるまで悪化した。ただ、日本は公的資本(純資産)の減少分よりも、民間資本(純資産)の増加分がずっと大きい。これはどちらかと言えば、よいニュースだ。日本は欧州と同じで、政府は貧しいが、民間資本によって国全体の資本はかつてないほど豊かになっている。

 国民所得に比べて民間資本がこれほど大きい国で解決策は何になるだろうか。私は日本も欧州と同様に、資本への課税を増やすことを提言する。国民の大半にとって労働所得は停滞している。一方で不動産、資産の高度な資本化が進んでいる。労働所得に対して減税、資本に対して増税するのは自然な解決策だろう。これはバブルを防ぐことにも役立つ。

●イギリスと同じ轍を踏んではいけない

――反対に、すべきでないことは?

ピケティ  たとえば公的債務の危機は過去にもあった。イギリスは19世紀に、今の日本と同様、GDPの200%の水準になったことがある。19世紀のイギリスは、歳出削減によって予算を黒字化させて公的債務を減らすという、オーソドックスなやり方でこの危機を乗り越えた。

 だが問題は、非常に時間がかかったということだ。解決には1世紀を要した。その間、イギリスは毎年GDPの1~2%の黒字を蓄積していき、自国の金利生活者にカネを返し続けた。結果、イギリスは教育への投資を減らしてしまった。これは、今の日本や欧州が「同じ轍を踏まないように」と考えさせる重要な教訓だと思う。

――日本はどちらかと言えば金融政策に頼りがちです。アベノミクスは資産バブルを誘発しています。

ピケティ  (アベノミクスのやり方)間違いだ。われわれは税務政策に比べ、金融政策に対してあまりに高い期待を持っている。日本にとっては、欧州や米国と同じように、金融政策は魅力的だろう。何十億円もの紙幣を印刷するのは簡単だからだ。

 税制を変えるとなると、計算表を作る作業が膨大で、富裕層の反対も受けるし、事態はより複雑になる。だが、税務対策が最も透明性が高い。紙幣を印刷しても、何らかの利子率を下げたりすると、特定のセクターがバブル化したり、必ずしも富ませるべきでない人を富ませることになったりする危険がある。

(貼り付け終わり)