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絶対阻止しなければならない、年金資金の株式運用増の危険度。

2014年04月28日 16時06分20秒 | 日記
 筆者が4月22日にこのブログに書いた、日本の年金資産を運用を任されているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に対して、安全な債券運用から、リスクのある株式運用にウエイトを置きかえるような発言を、麻生財務相が口走った事を取り上げた。

 ちょうどGPIFの運営委員の改正時期に当たり、大幅に安倍政権の方針に従いそうな、イエスマン委員を揃えてしまった様で、危険極まりない成長戦略として打ち出しそうだ。

 週刊ダイヤモンドに、湖上 煙(経済ジャーナリスト)氏が、この行為の危険性をコラムで書いておられる。

 再度言いたいが、我々の大事な年金資金を、アベノリスクにさらされては堪らない。

 湖上 煙氏のコラムは、この件をわかり易く解説されています。

 まず国民はこういった危険性を行おうとする行為に、敢然と阻止しなければならない。

(週刊ダイヤモンドより貼り付け)

年金運用を「政権延命」の道具にしてよいのか
―GPIFを株価対策に利用するアベノリスク―
2014年04月28日

湖上 煙(経済ジャーナリスト)

 国民が汗水流して働き、懸命に積み立てた公的年金の資金は128兆円。老後の生活を支える巨額資金の運用は当然、安全第一でなければならず、細心の注意が要求される。だから、投機に充てることなどあり得ない。その原則に基づいて、公的年金の資金運用はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に任せられている。ところが、安倍政権は安全第一の原則を破り、自らの延命のため年金資金を株価対策に利用しようとしている。

運用委員の大幅入れ替えで”政治利用”が高まる懸念も      

 年金資金運用への政治介入を防ぐ「知恵」として、GPIFには「経済・金融に関して高い識見を有する者などのうちから厚生労働大臣が任命した委員で組織する」(GPIFホームページ)という、運営委員会が設けられている。同委員会はGPIFの中期計画の審議や年金資金運用への監視を行うほか、理事長への意見や建議なども認められている。

 こうした重要な任務を担う運用委員会委員10人のうち9人の任期が先に切れると、田村厚労相は4月22日、再任することなくメンバーを刷新した。リスクの高い株式運用に慎重な有識者のクビを切り、安倍政権にへつらい株価対策の片棒を担ぐ御用学者らに入れ替えたのである。GPIF関係者は「政権による良心的な委員の粛清」と受け止めており、中立性が求められる年金資金運用への露骨な政治介入にほかならない。

 現在、GPIFの運用資産構成(ポートフォリオ)は、国内債券(60%)、国内株式(12%)、外国株式(12%)、外国債券(11%)、短期資産(5%)が原則とされている。安全第一だから、国債中心で利回りが低くても止むを得まい。米国の公的年金は100%が債券で運用されており、それに比べれば日本のほうがリスクを取っているのが実態である。

 しかし、「株価連動政権」と揶揄される安倍内閣は株価を引き上げるため、GPIFにもっと株式を購入させようと企てているようだ。昨夏、政府はGPIFの資産構成を見直すための有識者会議を立ち上げ、御用学者らが首相官邸の意向に沿って11月に最終報告書を策定。この中で、今の国内債券中心の運用方針を改め、プライベート・エクイティ(未公開株)から不動産、不動産投資信託(REIT)、電気・水道などのインフラ、コモディティー(商品先物)に至るまで投資の多様化が打ちだされた。

 国民の貴重な年金資産をハイリスクにさらしても構わないというわけだ。正気とは思えないが、安倍政権は本気らしい。前述したように、GPIF運用委員の任期切れを待ってメンバーを刷新したからには、恐らくは6月の成長戦略に盛り込んで株価対策の柱に据えたいのだろう。

 ただし、安倍政権にとってジレンマもある。70兆円を超える国内債券を保有するGPIFが、株式などのリスク資産を増やす代わりに国債を大量売却すれば、長期金利が急騰しかねないからだ。そうなれば、物価上昇と長期金利安定の両立というアベノミクスの土台が崩れ、自分で自分の首を絞めることになりかねない。

 さて、首相官邸はどうするのか。GPIFが放出する国債を日銀に全額引き受けさせるとでもいうのだろうか。民主主義国家の真っ当な政治家であれば、市場機能を深刻なまでにゆがめてしまうそんな暴挙に出るとは思えない。だが、今の政権からはそれを否定できない狂気さえ感じられる。

 アベノミクスの化けの皮が徐々に剥がれ、アベノリスクに転じる気配が強まる中、黒田東彦日銀総裁は4月15日に安倍晋三首相と会談した。「躊躇(ちゅうちょ)なく調整する」と総裁が首相に約束した追加緩和の「正体」が、世界の笑い物になる株価対策の片棒担ぎではないことを祈るばかりだ。

(貼り付け終わり)