日本最大の発行部数を誇っている読売新聞の20日の社説を読んで欲しい。
この社説は全く安倍政権の言い分を寸分なく伝えている政府の広報紙である。
新聞の役割とは何なのだろう? 少なくとも現政権のチェック機関であるべきではないのか?
読売新聞は日本の国益のためには、辺野古の埋め立てを認めるべきだという意見なのであろう。
名護市民にかかる迷惑には、その為の振興資金を供与しているではないかという、政府と同じ立場だ。
筆者が昨日のブログで書いたように、沖縄だけがどうして日本の国益のために犠牲になり続ける必要があるのか? そういう沖縄県民への優しい心遣いは微塵も読み取れない。
米国は、海兵隊をグアム基地に移転したいと言うのが、米国の海外軍事施設の長期戦略であったが、日本政府側が、防衛上どうしても米軍の海兵隊の沖縄からの海外移転を阻止してきたというのは、周知の事実である。
しかし沖縄駐在の少数の海兵隊の存在が、果して日本の防衛上の抑止力に本当に役立つのであろうか?
市街地に存在する普天間基地の移設は、沖縄住民のたっての依頼である事は当然であるが、辺野古への移設に関しては、この問題を争点にした今回の名護市長選挙で、住民のNOが明確になったのである。
この住民の意志を読売新聞はどう受け止めているのだろうか? どう見ても無視、ないしは迷惑だと言わんばかりである。
この社説を読む限りでは、日米同盟の強化に懸念が生じるとか、いわゆる国益上、非常に残念だと言っているようだ。
本来なら、こういう結果になる事は予想されていて、仲井真沖縄県知事に、殆ど恫喝的に辺野古移転を認めさせた自民党石破幹事長に対する非難なども一言もない。
こういう社説を埋め尽くす読売新聞が日本の最大部数を誇る現実に、筆者は危機感を感じる。
戦前、日本が太平洋戦争に突入していったのは、戦前に最大部数を誇った朝日新聞が、国民に「鬼畜米英に対抗して、徹底して戦争をするべきだ」と煽った歴史は知られている通りである。
現在は多様なメディアやネット発信が増えているとはいえ、発行部数1000万部と豪語している読売新聞が、特に首都圏で発行部数が多いだけに、メディアの発信力は要注意だ。 東京都民に与える影響は計り知れない。
まあもっとも、一般的な読売の読者は、社会面、スポーツ面、テレビ面程度しか見ずに、社説を読む読者はほんの僅かかも知れないが、、、、読売新聞の愛読者さん、ごめんなさい。(笑)
(以下に読売新聞 20日付社説を貼り付け)
名護市長再選 普天間移設は着実に進めたい
選挙結果にとらわれずに、政府は、米軍普天間飛行場の辺野古移設を着実に進めるべきだ。
沖縄県名護市長選で、辺野古移設に反対する現職の稲嶺進市長が、移設の推進を訴えた新人の末松文信・前県議を破って、再選された。
1998年以降の5回の市長選で、最初の3回は容認派が勝利し、前回以降は反対派が当選した。民主党政権が無責任に「県外移設」を掲げ、地元の期待をあおった結果、保守層にも辺野古移設の反対論が増えたことが要因だろう。
公明党は、党本部が移設を支持しているのに、県本部は「県外移設」を崩さず、市長選を自主投票にした。党本部がこの方針を“黙認”したのは、移設を推進する与党として問題だった。
末松氏は、政府や沖縄県との連携を強化し、名護市の地域振興に力を入れる方針を前面に掲げた。だが、同じ容認派の前市長との候補一本化に時間を要するなど、出遅れが響き、及ばなかった。
昨年末に仲井真弘多知事が公有水面埋め立てを承認したことにより、辺野古移設を進める方向性は既に、定まっている。
そもそも、在沖縄海兵隊の輸送任務を担う普天間飛行場の重要な機能を維持することは、日米同盟や日本全体の安全保障にかかわる問題だ。一地方選の結果で左右されるべきものではない。
仲井真知事が市長選前に承認を決断したことは、そうした事態を避けるうえで、適切だった。
名護市長には、代替施設の建設工事に伴う資材置き場の設置などの許可権限があり、工事をある程度遅らせることは可能だろう。ただ、権限は限定的で、辺野古移設の中止にまでは及ばない。
稲嶺市長は、末松氏が集めた票の重みも踏まえて、市長の権限を乱用し、工事を妨害する行為は自制してもらいたい。
政府は今後、在日米軍の抑止力の維持と沖縄の基地負担の軽減を両立させるため、沖縄県と緊密に協力し、建設工事を加速させることが肝要である。
工事が遅れれば、市街地の中央に位置する普天間飛行場の危険な状況が、より長く続く。在沖縄海兵隊のグアム移転や県南部の米軍基地の返還といった基地負担の軽減策も遅れるだろう。
仲井真知事らが求める工事の期間短縮や、円滑な実施には、地元関係者の協力が欠かせない。政府は、辺野古移設の意義を粘り強く関係者に説明し、理解を広げる努力を続ける必要がある。
(2014年1月20日01時29分 読売新聞)
(貼り付け終わり)
この社説は全く安倍政権の言い分を寸分なく伝えている政府の広報紙である。
新聞の役割とは何なのだろう? 少なくとも現政権のチェック機関であるべきではないのか?
読売新聞は日本の国益のためには、辺野古の埋め立てを認めるべきだという意見なのであろう。
名護市民にかかる迷惑には、その為の振興資金を供与しているではないかという、政府と同じ立場だ。
筆者が昨日のブログで書いたように、沖縄だけがどうして日本の国益のために犠牲になり続ける必要があるのか? そういう沖縄県民への優しい心遣いは微塵も読み取れない。
米国は、海兵隊をグアム基地に移転したいと言うのが、米国の海外軍事施設の長期戦略であったが、日本政府側が、防衛上どうしても米軍の海兵隊の沖縄からの海外移転を阻止してきたというのは、周知の事実である。
しかし沖縄駐在の少数の海兵隊の存在が、果して日本の防衛上の抑止力に本当に役立つのであろうか?
市街地に存在する普天間基地の移設は、沖縄住民のたっての依頼である事は当然であるが、辺野古への移設に関しては、この問題を争点にした今回の名護市長選挙で、住民のNOが明確になったのである。
この住民の意志を読売新聞はどう受け止めているのだろうか? どう見ても無視、ないしは迷惑だと言わんばかりである。
この社説を読む限りでは、日米同盟の強化に懸念が生じるとか、いわゆる国益上、非常に残念だと言っているようだ。
本来なら、こういう結果になる事は予想されていて、仲井真沖縄県知事に、殆ど恫喝的に辺野古移転を認めさせた自民党石破幹事長に対する非難なども一言もない。
こういう社説を埋め尽くす読売新聞が日本の最大部数を誇る現実に、筆者は危機感を感じる。
戦前、日本が太平洋戦争に突入していったのは、戦前に最大部数を誇った朝日新聞が、国民に「鬼畜米英に対抗して、徹底して戦争をするべきだ」と煽った歴史は知られている通りである。
現在は多様なメディアやネット発信が増えているとはいえ、発行部数1000万部と豪語している読売新聞が、特に首都圏で発行部数が多いだけに、メディアの発信力は要注意だ。 東京都民に与える影響は計り知れない。
まあもっとも、一般的な読売の読者は、社会面、スポーツ面、テレビ面程度しか見ずに、社説を読む読者はほんの僅かかも知れないが、、、、読売新聞の愛読者さん、ごめんなさい。(笑)
(以下に読売新聞 20日付社説を貼り付け)
名護市長再選 普天間移設は着実に進めたい
選挙結果にとらわれずに、政府は、米軍普天間飛行場の辺野古移設を着実に進めるべきだ。
沖縄県名護市長選で、辺野古移設に反対する現職の稲嶺進市長が、移設の推進を訴えた新人の末松文信・前県議を破って、再選された。
1998年以降の5回の市長選で、最初の3回は容認派が勝利し、前回以降は反対派が当選した。民主党政権が無責任に「県外移設」を掲げ、地元の期待をあおった結果、保守層にも辺野古移設の反対論が増えたことが要因だろう。
公明党は、党本部が移設を支持しているのに、県本部は「県外移設」を崩さず、市長選を自主投票にした。党本部がこの方針を“黙認”したのは、移設を推進する与党として問題だった。
末松氏は、政府や沖縄県との連携を強化し、名護市の地域振興に力を入れる方針を前面に掲げた。だが、同じ容認派の前市長との候補一本化に時間を要するなど、出遅れが響き、及ばなかった。
昨年末に仲井真弘多知事が公有水面埋め立てを承認したことにより、辺野古移設を進める方向性は既に、定まっている。
そもそも、在沖縄海兵隊の輸送任務を担う普天間飛行場の重要な機能を維持することは、日米同盟や日本全体の安全保障にかかわる問題だ。一地方選の結果で左右されるべきものではない。
仲井真知事が市長選前に承認を決断したことは、そうした事態を避けるうえで、適切だった。
名護市長には、代替施設の建設工事に伴う資材置き場の設置などの許可権限があり、工事をある程度遅らせることは可能だろう。ただ、権限は限定的で、辺野古移設の中止にまでは及ばない。
稲嶺市長は、末松氏が集めた票の重みも踏まえて、市長の権限を乱用し、工事を妨害する行為は自制してもらいたい。
政府は今後、在日米軍の抑止力の維持と沖縄の基地負担の軽減を両立させるため、沖縄県と緊密に協力し、建設工事を加速させることが肝要である。
工事が遅れれば、市街地の中央に位置する普天間飛行場の危険な状況が、より長く続く。在沖縄海兵隊のグアム移転や県南部の米軍基地の返還といった基地負担の軽減策も遅れるだろう。
仲井真知事らが求める工事の期間短縮や、円滑な実施には、地元関係者の協力が欠かせない。政府は、辺野古移設の意義を粘り強く関係者に説明し、理解を広げる努力を続ける必要がある。
(2014年1月20日01時29分 読売新聞)
(貼り付け終わり)