今日は4月1日、新年度が始まる節目の日です。ピカピカの1年生、新調スーツの
新社会人、そして門出を祝うかのような桜の開花です。
私はこの日に決まって思い出す句があります。
「さまざまの 事思ひ出す 桜かな」(松尾芭蕉)、そして必ず訪れる場所が下の写真
の鴨川沿いです。
もう22年前になります。4月1日は府立医科大学付属病院の「外科病棟」で
大きい腫瘍を摘出し、「第三内科」病棟に移り「抗がん剤治療」をはじめた
記念?の日なのです。後ほどわかった病名は「悪性リンパ腫」(血液のがん)。
当時は今のように直接本人に「告知」することはほとんどなかったようで、
「化学療法を始めます」と説明受けたことだけを思い出します。
その頃、癌は「不治の病」=「死亡」の先入観が一般的でしたから「命の期限が
間近にせまっている」ことへの、恐怖・不安が重くのしかかっていました。
上の二枚の写真は当時を思い出して昨日写してきたものです。多分セピア色
の風景だったろうと思い返しながら、病院のすぐ近くの橋の上からの桜です。
転室した数日後、F京都中での教え子のY田君(40手前で講師になっていた)
が訪ねてきて「先生の病気、うちの病院では治療可能な範囲の性質の悪さ、
苦しい治療ですが頑張ってください」と告知してくれて、悲嘆の中から光を
見出したことを思い出し、モノトーンとカラーの2枚を載せました。
さて、日課のウオーキング中で出会った花に戻ります。桜前線が京都に到着
したのが27日、あっという間に5分咲きです。近くの寺院(立本寺)の染井吉野
桜はほぼ満開でした。
平野神社は少し遅れ気味、でもご覧のように見頃です。
歩く足を竜安寺まで伸ばしてみました。下の写真のように開花したところでした。
日本原産の桜、山桜や大島桜、江戸彼岸桜など自生種が9種あり、交配されて
400種以上もある中で、桜の木の8割をソメイヨシノが占めているそうです。
花が大きい、一斉に咲く、木いっぱいに花をつけ見た目が豪華、柔らかい感じの
薄ピンク色、パッと咲きさっと散る(潔さが日本人好み)などが好かれる理由のようです。
私の下手な写真技術では、咲き始めの時の薄いピンク色、花一輪ずつがくっきりと
区別できる写真をと思っているのですがなかなか写せません。
木いっぱいに咲き狙いが定まりにくいこと、背景色が同じような白色だったり、
差し込む光の加減などで。
最後に私たち老夫婦の記念撮影も。
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